コウタ |
今日は、よろしくおねがいします。
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東さん |
よろしくお願いします。
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コウタ |
東さんはクリエイティブディレクターの方が 本業なんですよね?
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東さん |
そうですね。
さかのぼると、僕は26歳まで
劇団に所属していたんです。
その公演のフライヤーを担当したことが、
いまの仕事につながるきっかけで。
外部のデザイナーさんやカメラマンさんを
コーディネイトし、演出家と世界観をつくる
そんな役割を担ってました。
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コウタ |
素敵な仕事ですね。
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東さん |
それで、26歳で就職をしようと
思い立ったときに、その経歴を活かして、
リクルート系の求人広告代理店の
制作部に入社しました。
ぼくが働いていた当時は、リクルート本社が
代理店に制作業務の委託をはじめていた時期で、
いろいろな研修プログラムに参加したり、
出向する機会があって。
そこで学んだことが大きかったなと思います。
求人広告は条件面だけでなく、
人の生き方や想いを掘り下げる取材も多くて、
楽しかったですね。
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コウタ |
いまの仕事の基礎が、
そのときに培われたんですね。
独立後にグリーンズに参加したのは
どんなきっかけだったんですか?
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東さん |
ぼくは奈良の東部山間部の出身で、
高校からは大阪で過ごしてきたんですが、
30歳を超えたあたりで、地元を見直す
機会があったんですよね。
そして311が起きたことで、さらに
「自分が世の中に果たせる役割ってなんだろう?」と
考えるようになって。
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コウタ |
ぼくももうすぐ30歳なので、
その気持ちわかる気がします。
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東さん |
そんなときに『Re:s』という雑誌で、
ぼくの実家のすぐそばでお茶の栽培をしている
伊川くんという農家さんを取り上げていて、
地元への意識がさらに高まりました。
そこで自分にできることは、
彼や彼の周りで起きている取り組みを
広めることかもしれないと思って、
グリーンズのライター募集に応募したんです。
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コウタ |
グリーンズに関わりはじめて、
何か変化がありましたか?
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東さん |
「地元をどうしていくか?」という思いが
さらに強くなってきましたね。
また、greenzライターという肩書きを得たことで、
取材先にアプローチしやすくなった
という利点もあります。
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コウタ |
そう言っていただけると嬉しいです。
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東さん |
でも、ライターとして一番大事にしているのは、
なんでもかんでも紹介するのではなく、
紹介すべき価値があるかどうか、
紹介したいという気持ちをきちんと持てるか、
見極めることなんですよね。
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コウタ |
なるほど。
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東さん |
取材先は、グリーンズで記事を発信することで、
次のアクションを起こせるじゃないですか。
記事が公開されたあとの取材先の反応や喜びを知ることは、
次の取材に良い刺激を与えてくれます。
そういう意味では、取材の前から、
掲載した後にどういうつながり方をしたら
一緒にアクションを起こせるのか、
ぼんやりと考えるようにしています。
たとえば、取材先同士を紹介したら
面白いことが起きないかなあとか。
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コウタ |
確かに東さんは取材先とどんどん
仲良くなっている印象があります。
最近では以前に記事にしたCOLORさんと組んで、
「ママごと・しごと・じぶんごと」という
連載も始まっていますし。
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東さん |
さらに、10月にはCOLORさんと、
僕が取材した「チャイルド・ケモ・ハウス」さんの
チャリティイベントを、一緒に開催します。
チャイルド・ケモ・ハウスさんは、
日本初の小児がん専門施設なのですが、
COLORさんが開催する絵本料理教室や
BOOKマーケットとかけあわせて、
小児がんの現状を楽しく伝える
イベントにしたいと思っています。
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コウタ |
楽しみですね。
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東さん |
他にもNPO法人み・らいずさんが
運営を委託されている「堺市ユースサポートセンター」の
ホームページとリーフレットの制作を担当したり、
取材先からの紹介で奈良県山間部を紹介する
観光ガイドブックの仕事や、大阪芸術大学の学生たちと
奥大和の魅力を伝えるフリーペーパーを立ち上げたり…
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コウタ |
つながりまくってますね。
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東さん |
グリーンズでの活動は、今後ぼくが地元に帰って、
いまのスキルで仕事をつくるときの
基盤になるかもしれないなと思っているんです。
いままでも、いまの仕事を地元に帰ったときに
どのように展開するかを考えてきましたが、
グリーンズのおかげでそのヒントを手にしたり、
自分のやりたい方向へのシフトが
できるようになったんじゃないかな。
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コウタ |
そんなグリーンズって、
東さんにとってどんな存在ですか?
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東さん |
大阪には、「アメちゃん文化」というのがあるんですが、
あのアメのようなものじゃないかなと。
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コウタ |
といいますと?
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東さん |
大阪のおばちゃんの鞄には、必ずアメがはいっていて、
ことあるごとにくれるんですよ。
ぼくが”グリーンズ”というアメを持っていて、
「このアメどう?」って渡していく。
そのアメを「ありがとう」って食べてくれて、
それがきっかけで人間関係が始まっていくイメージ。
とはいえ一番大事なのは、一緒にアメを食べたあとのこと。
アメが口の中からなくなったあとに、
なにをはじめるか、なんだと思います。
もちろん取り上げた記事すべてで、
それができているわけではないですが、
ぼくの場合は自然な形でつながっていけているのが
ラッキーだなと思っています。
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コウタ |
今後も、東さんらしい記事を楽しみにしています。
今日は、ありがとうございました!
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