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2014.10.01 Vol.22 Half Moon / for 295 greenz people
本日10月1日、グリーンズに新しいフルタイムメンバーが加わりました!!!!
今回も greenz people のみなさまに、「グリーンズのつくり方」をお届けします。
 
<vol.22>の目次

FEATURE / 植原正太郎×小野裕之対談「これからのgreenz people」
SCENES / 西海岸、MAD City、R不動産...近ごろのグリーンズ
COMMUNITY / 東善仁さんに聞く「取材先との関係のつくり方」
Q&A / 編集長のYOSHに質問です「NPOの難しさや素晴らしさって?」
 
 

FEATURE

祝・グリーンズ新メンバー!
初代people事業部マネージャー植原正太郎×小野裕之
ウェルカム対談「これからの greenz people」

by Shorato & Ono


こんにちは!グリーンズ編集長の兼松です。
先週の新月は、メールマガジンの発行ができず、
みなさまにご迷惑をおかけしたこと、改めてお詫びします。

また、その理由として、「(10月1日に)グリーンズのビッグニュースとして、
会員のみなさまにお伝えしたいことがあるため」と意味深に書かせていただきましたが、
本日、晴れてみなさまに、NPO法人グリーンズの新メンバー、
植原正太郎くんをご紹介させていただきます!

1988年仙台市生まれの正太郎くんは現在、26歳。
2011年に0代目ライターインターンとしてグリーンズに関わり、
さらにライターに昇格して、学生ながら活躍してくれました。
その後企業に就職が決まり、いったんグリーンズを卒業することに。

そして今回、2年半の修行期間を経て、people事業部マネージャーとして、
グリーンズに戻ってきてくれました!嬉
ちなみにNPO法人グリーンズとしては初のフルタイムメンバーの採用となります。

いちど育まれたご縁がつながり、時を重ね、お互い成長して再会できること、
心の底から嬉しく、感動しています。というわけで、今回の巻頭特集では、
本日グリーンズ初日を迎えた正太郎くんにフォーカスしたいと思います!(YOSH)


 

新メンバーの植原正太郎
 
小野 いよいよ今週から、
greenz people担当スタッフとして
グリーンズへの仲間入りですね。
 
植原 はい、楽しみです!
 
小野 今回グリーンズに入ろうと
決断した決め手は何だったんですか?
 
植原 いや、実はもともと、
「いつかはグリーンズで働くんだろうな」
と思ってたんです。
 
小野 え、そうだったんだ(笑)
 
植原 大学の卒業旅行で、将来の自分に
「ビデオメッセージを送ろう!」ってことになって、
そのときにも「次はグリーンズに入ってるだろうけど」
みたいなことを言ってたぐらいで(笑)
 
小野 そっかあ。
何がそこまで言わせたんだろう?
 
植原 何か、感じてたんでしょうね(笑)

当時はNPOではなかったし、
寄付制度の仕組みもありませんでしたが、
「グリーンズみたいな
イケてるところで働きたい!」という
思いがあったんじゃないかと。

そういう中で、ちょうどいい時期に、
小野さんに声をかけていただいた、
という感じです。
 
小野 そもそも正太郎くんとグリーンズとの
出会いは何だったの?
 
植原 2010年くらい、大学4年の春に、
ライターインターンとして
関わったのがきっかけですね。

前フクヘンのモリジュンヤさんが
まだアシスタントをしていた頃で、
「試しに学生に記事を書いてもらおう」
という形で。
 
小野 それはジュンヤくんから
声がかかったんだよね?
 
植原 はい。
イケダハヤトさんに手ほどきを受けて、
大学三年のときからブログを書いていたんですが、
それを読んでくれていて。

グリーンズはめっちゃ見ていた
ウェブマガジンだったので、
指名されて本当に嬉しかったですね。
 
小野 ライターインターンとして、
どんな記事を書いていたの?
 
植原 テクノロジーで社会を変える
といったテーマが多かったんですね。

一番印象深いのは「SOCCKET」で、
『ソーシャルデザイン』の本にも掲載され、
名前がクレジットされたのも
嬉しい経験でした。

本に載っている文章は、実際はYOSHさんにかなり
手を入れていただいたんですが(笑)
 
小野 ライターインターンの仕組みは今もあるけど、
まさにゼロ期というか、実験台だったよね。

ちょうど正太郎くんくらいの世代から、
大学生でグリーンズを読んでいるという人が
増えてきた印象があります。
 
植原 ちょうどその頃、学生の間で、
ソーシャルビジネスが話題だったんですよね。
フローレンスとかカタリバとか。

僕も自分の将来を考える中でETICを知って、
そこから日本ブラインドサッカー協会
インターンをはじめたんです。
 
小野 そこではどんなことをやっていたの?
 
植原 ソーシャルメディアを含めて、
ウェブマーケティング全般ですね。
ウェブサイトのリニューアルにも、
関わっていました。

最初はTwitterアカウントを
つくることから始まって、
時にはイギリスで開催された世界大会を、
現地からひとりでUstしたこともありました(笑)
 
小野 楽しそうだね(笑)
 
植原 ブラインドサッカーって単純に
見ていて面白いし、一度見てもらえれば、
好きになってもらえるんです。

だから、無料でも広がりのある
メディアをきちんと使いこなせれば、
ちゃんと伝わっていくという
実感を持つことができました。
 
小野 そこからNPOの情報発信を支援する
テントセン」にもつながるんだね。
 
植原 そうですね。
ソーシャルメディアの活用は、
どのNPOも一定レベルに達したので、
一旦役割は終えましたが、
ファンドレイジングなどもっと上位のテーマで、
また再開できないかなあとは思っています。
 
   

2012年ころのライターさん会にて
 
小野 その後、トライバルメディアハウス
就職したんだよね。
 
植原 はい。きっかけになったのが
またしてもイケダハヤトさんで。
NPO関連のイベントで会って、
「このひと面白いな」と思ったら、
トライバルに勤めていると。

ソーシャルメディアの仕事が
したかったので、「ここだ!」と、
そこだけエントリーしたんです。
 
小野 決め打ちだったんだ。
 
植原 ただ、当時は中途採用しかなくて。
2ヶ月ぐらいインターンをさせてもらって、
それで内定をいただきました。
 
小野 そこではどんな仕事をしていたの?
 
植原 アナリストという仕事でした。
国内外の動向をチェックしたり、
クライアントに提案するときの
事例のリサーチなどが担当です。

そこから少しずつ、
新規サービスの立ち上げなどにも
携わるようになりました。
 
小野 本も出したんだよね?
 
植原 LINE@ 公式ガイド』ですね。
ちっちゃいレストランや床屋さんなど
小商いをしている人に向けて、
LINEの使い方を解説する本です。

他にもたくさんチャンスをいただけて、
前の会社には感謝しています。
 
小野 その後、どんな感じで、
次のステップを考えていったんですか?
 
植原 社会人2年目の終わり頃になって、
「寄付に関わることをやりたい」という
思いが強くなってきたんです。

自分で寄付ツールをつくりたいという
選択肢もあったのですが、
「まずは一旦NPOに入った方が
いいんじゃないか?」と迷い始めて。
 
小野 寄付に興味を持ったきっかけは?
 
植原 ソーシャルメディアは発信だけでじゃなく、
もっと実際の事業の力になれると
思っていたんです。

いろいろ調べているうちに、特に寄付の仕組みが
「まだまだこれからだな」と気づいて。
日本ではまだあまり例がないからこそ、
いろいろやれる余地があると思います。
 
小野 確かにテクノロジーもライフスタイルも、
これだけ変わってきているのに、
ファンドレイズの方法は、
まだアップデートできてない感じはするね。

個人的には寄付をお願いしていただくとか、
ただ応援してもらうことにも違和感があって。

社会的課題の解決をした上で、廻り回って
寄付した本人に還ってくるものじゃないと、
心にまでは響かないんじゃないかなと思ったり。
 
植原 そうですね。その方が、
新しいお金の流れという気はします。

株式の配当とかではなく、
生活の質が向上するとか、
何だかちょっと楽しくなるとか、
そういうことが実感できると、素敵ですよね。
 
   

グリーンズのスポーツ担当としてがんばります
 
小野 初代people事業部マネージャーということで、
greenz peopleをどんな寄付制度に
していきたいですか?
 
植原 さっきの話じゃないですけど、
いろんな形で「入ってよかった」と思ってもらえる
会員制度にしたいですね。

単純にgreen booksがもらえるといった
モノのリターンもいいですが、
greenz people同士が単純につながって、
喜んでもらえる仕組みをつくっていけたらと。

例えば「鳥取に旅行に行きたいんだけど、
greenz peopleさんのオススメは?」
というようなことを教え合ったり。

お金をもらう側/払う側という関係よりも、
コミュニティとして育まれていくといいなあと、
ぼんやりとですが思っています。
 
小野 それに向かって、具体的なアイデアはある?
 
植原 まずはgreenz people向けのイベントを
積極的にやっていきたいですね。
これまでのgreen drinks Tokyoだけでなく、
お茶会なども増やしていったり。

greenz peopleのFacebookもありますが、
オンラインだけだとコミュニケーションは
発生しないと思うので、対面で知り合って
輪が広がっていくようにしたいです。

greenz peopleさん企画の旅ツアーとかが
生まれてもいいと思うし。
 
小野 何か参考になりそうな事例とかあるのかなあ。
 
植原 そこまでの会員組織やってるNPOって、
あまりないんですよね。

寄付とコミュニティがひとつになってる
という意味では、新興宗教に
ヒントがあるかもしれません(笑)

あとは地域のお祭りとかも、
何か近いものがあるかもしれませんね。
 
小野 確かに大学とかも、
卒業生から寄付を募っているしね。

でも、greenz peopleはまだ、
こんなにぼんやりした状況なのに、
300人の方に会員になっていただけているのは、
本当にありがたいなと思っています。
 
植原 すごいと思いますよ。
それもグリーンズの吸引力なんでしょうね。

ただ、そこに甘んじずに、
「アイデアがあれば僕にください!」
というスタンスで、会員のみなさんと
一緒につくっていきたいですね。
 
小野 やりたいことはたくさんあるのだけど、
全部を受け止めるのは難しいと思うから、
どうみんなで納得感をつくりながら
形にしていくかが鍵かなと。
 
植原 いずれにせよ、会員数が増えれば増えるほど、
薄まっていくようなコミュニティには
したくないですね。

いかに量と濃度を大きくできるか、
そのバランスは大切にしたいです。
 
小野 本当に今日が仕事はじめという
ゼロからのスタートなので、
どうグリーンズが変わっていくのか
楽しみにしています。

では、最後にメッセージを。
 
植原 はい!

greenz peopleの仕組みも始まったばかりで、
期待に応えられていない部分も
あったとは思いますが、
僕が入ることで、皆さんと協力しながら
いいものにしてゆきたいと思っていますので、
アイデアやご意見、叱咤激励など
あれこれいただければと思います。

これから、よろしくお願いします!
 
小野 真面目!(笑)
 
植原 です!
 
小野 そんなところで、ありがとうございました!
 
 


SCENES

アーバンパーマカルチャー、MAD City、全国のR不動産...
近ごろのグリーンズの風景

selected by Nao, Yosh and Ono

 

2014年9月3日(水) シアトルにて
お疲れ姉妹、シアトルに到着しました。
家を出発してから18時間。さすがに疲れました。
Urban Permaculture Tourは明日から合流です。(菜央)
 

2014年9月18日(木) 松戸にて
スローコーヒーのマッドな焙煎所を訪ねてきました。
この焙煎所から、毎月600キロの豆が出荷されてます。
年明けぐらいから、コーヒー屋、カフェオーナーに
なりたいひとのためのスクールをはじめるので、お楽しみに◎(小野)
 

2014年9月30日(火) 鹿児島にて
秋分の日に発売されたばかりの『全国のR不動産』を献本いただきました、感謝!
後ろのほうで東京R不動産の吉里さんと対談させていただきましたので、
お時間のあるときにぜひ◎(YOSH)
 

 


COMMUNITY

greenzライター東善仁さんに聞く
「取材先との関係のつくり方」

with Yoshihito Higashi / interview by Kota


東さんは、2012年にライターとしてグリーンズに参加してくれました。
関西を拠点にフリーランスのクリエイティブディレクターとしてもご活躍中で、
グリーンズでは、奈良で起業したお母さんへのインタビューシリーズ
ママごと・しごと・じぶんごと」なども展開しています。
今回はそんな東さんとのお話をお届けします。(コウタ)


 

ライターの東善仁さん
 
コウタ 今日は、よろしくおねがいします。
 
東さん よろしくお願いします。
 
コウタ 東さんはクリエイティブディレクターの方が
本業なんですよね?
 
東さん そうですね。
さかのぼると、僕は26歳まで
劇団に所属していたんです。
その公演のフライヤーを担当したことが、
いまの仕事につながるきっかけで。

外部のデザイナーさんやカメラマンさんを
コーディネイトし、演出家と世界観をつくる
そんな役割を担ってました。
 
コウタ 素敵な仕事ですね。
 
東さん それで、26歳で就職をしようと
思い立ったときに、その経歴を活かして、
リクルート系の求人広告代理店の
制作部に入社しました。

ぼくが働いていた当時は、リクルート本社が
代理店に制作業務の委託をはじめていた時期で、
いろいろな研修プログラムに参加したり、
出向する機会があって。
そこで学んだことが大きかったなと思います。

求人広告は条件面だけでなく、
人の生き方や想いを掘り下げる取材も多くて、
楽しかったですね。
 
コウタ いまの仕事の基礎が、
そのときに培われたんですね。
独立後にグリーンズに参加したのは
どんなきっかけだったんですか?
 
東さん ぼくは奈良の東部山間部の出身で、
高校からは大阪で過ごしてきたんですが、
30歳を超えたあたりで、地元を見直す
機会があったんですよね。

そして311が起きたことで、さらに
「自分が世の中に果たせる役割ってなんだろう?」と
考えるようになって。
 
コウタ ぼくももうすぐ30歳なので、
その気持ちわかる気がします。
 
東さん そんなときに『Re:s』という雑誌で、
ぼくの実家のすぐそばでお茶の栽培をしている
伊川くんという農家さんを取り上げていて、
地元への意識がさらに高まりました。

そこで自分にできることは、
彼や彼の周りで起きている取り組みを
広めることかもしれないと思って、
グリーンズのライター募集に応募したんです。
 
コウタ グリーンズに関わりはじめて、
何か変化がありましたか?
 
東さん 「地元をどうしていくか?」という思いが
さらに強くなってきましたね。

また、greenzライターという肩書きを得たことで、
取材先にアプローチしやすくなった
という利点もあります。
 
コウタ そう言っていただけると嬉しいです。
 
東さん でも、ライターとして一番大事にしているのは、
なんでもかんでも紹介するのではなく、
紹介すべき価値があるかどうか、
紹介したいという気持ちをきちんと持てるか、
見極めることなんですよね。
 
コウタ なるほど。
 
東さん 取材先は、グリーンズで記事を発信することで、
次のアクションを起こせるじゃないですか。
記事が公開されたあとの取材先の反応や喜びを知ることは、
次の取材に良い刺激を与えてくれます。

そういう意味では、取材の前から、
掲載した後にどういうつながり方をしたら
一緒にアクションを起こせるのか、
ぼんやりと考えるようにしています。

たとえば、取材先同士を紹介したら
面白いことが起きないかなあとか。
 
コウタ 確かに東さんは取材先とどんどん
仲良くなっている印象があります。

最近では以前に記事にしたCOLORさんと組んで、
「ママごと・しごと・じぶんごと」という
連載も始まっていますし。
 
東さん さらに、10月にはCOLORさんと、
僕が取材した「チャイルド・ケモ・ハウス」さんの
チャリティイベントを、一緒に開催します。

チャイルド・ケモ・ハウスさんは、
日本初の小児がん専門施設なのですが、
COLORさんが開催する絵本料理教室や
BOOKマーケットとかけあわせて、
小児がんの現状を楽しく伝える
イベントにしたいと思っています。
 
コウタ 楽しみですね。
 
東さん 他にもNPO法人み・らいずさんが
運営を委託されている「堺市ユースサポートセンター」の
ホームページとリーフレットの制作を担当したり、
取材先からの紹介で奈良県山間部を紹介する
観光ガイドブックの仕事や、大阪芸術大学の学生たちと
奥大和の魅力を伝えるフリーペーパーを立ち上げたり…
 
コウタ つながりまくってますね。
 
東さん グリーンズでの活動は、今後ぼくが地元に帰って、
いまのスキルで仕事をつくるときの
基盤になるかもしれないなと思っているんです。

いままでも、いまの仕事を地元に帰ったときに
どのように展開するかを考えてきましたが、
グリーンズのおかげでそのヒントを手にしたり、
自分のやりたい方向へのシフトが
できるようになったんじゃないかな。
 
コウタ そんなグリーンズって、
東さんにとってどんな存在ですか?
 
東さん 大阪には、「アメちゃん文化」というのがあるんですが、
あのアメのようなものじゃないかなと。
 
コウタ といいますと?
 
東さん 大阪のおばちゃんの鞄には、必ずアメがはいっていて、
ことあるごとにくれるんですよ。

ぼくが”グリーンズ”というアメを持っていて、
「このアメどう?」って渡していく。
そのアメを「ありがとう」って食べてくれて、
それがきっかけで人間関係が始まっていくイメージ。

とはいえ一番大事なのは、一緒にアメを食べたあとのこと。
アメが口の中からなくなったあとに、
なにをはじめるか、なんだと思います。

もちろん取り上げた記事すべてで、
それができているわけではないですが、
ぼくの場合は自然な形でつながっていけているのが
ラッキーだなと思っています。
 
コウタ 今後も、東さんらしい記事を楽しみにしています。
今日は、ありがとうございました!
 
 


Q&A

編集長のYOSHに質問です。
「NPOとして組織を運営する難しさや素晴らしさって?」

with Masato Otsu


メルマガの〆は、greenz people と一緒につくるフリートークの質問コーナーです。
ご質問・ご意見などは people@greenz.jp までお気軽にお寄せ下さい!

 

今回は、会員の大津真人さんが質問します

Q. NPOとして組織を運営する難しさや素晴らしさとはどんなところでしょうか?

現在関わっているカフェが地域社会に貢献することを目的としていて、将来的にNPOにするかもしれないという話を聞き、NPOとはどんなものか気になったからです。(大津)

▼ ▼ ▼


編集長のYOSHが答えます

A. 難しいからこそ、素晴らしいのかも

ご質問ありがとうございます!地域社会に貢献するカフェっていいですね。

どんな組織でも経営の難しさは向き合わなくてはいけないテーマなので、今のところ「NPOだから難しい」ということは、あまり意識したことはないかもしれません。企業とNPOの違いをざっくりいえば、「株主や役員に分配することをしない」ということなので、儲かったら儲かった分、次の事業に回すことができます。

で、それが実は大きなあり方の違いで、「自分たちのお金を稼ぐことだけが目的ではなく、社会のために利益となることを達成することが目的の組織である」というスタンスを、企業に比べて打ち出しやすいのはありますね。

その分、透明性が問われ、いつもオープンかつフェアである必要があり、それはそれで本当に大変だったりするのですが、グリーンズの文化にはとても合っているなあと感じています。というよりもそういう制約条件のおかげで、グリーンズのコミュニティづくりの様々な仕組みを考えるきっかけになっているんです。つまり難しいけど、素晴らしい世界。

多くのNPOは最初に大きく投資して、時間をかけて回収というものでもないので、お金という資本がない代わりに、ソーシャルキャピタルに頼らざるをえません。それこそ言うは易く、行うは難しで、お金ありきではない、気持ちと志でつながる温かなコミュニティをどうやったらつくれるのか、編集長として失敗と工夫を繰り返してきました。今もその途中なので、他のNPOのケースなど、それぞれの気づきを共有できたら嬉しいですね。

今のグリーンズの課題は、いい意味で理事3人だけのものではなくなってきていることです。グリーンズという生態系の中で、しっかりとお金を稼ぐことを意識しはじめている人も出てきているし、その流れを加速して、コミュニティの中でお金をもっともっと循環させていきたい。

そういう新しいフェーズでは、ボランタリーに回していたときの「LOVE」のロジックだけでなく、信頼と責任を生み出す「POWER」のロジックも必要になってくるので、そのちょうどいいバランスを探していく2015年になりそうです。

まずはそんなところですが、大津さんのぜひ何かプロジェクトが進んだら、またアップデートを教えてください!


 



最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
次回の発行日は<10月24日(金)>の予定です。

メールマガジン編集長:YOSH(グリーンズ編集長)
編集:鈴木康太(グリーンズ編集部)
発行:NPO法人グリーンズ
メールアドレスの変更はCANPANからどうぞ
配信停止については people@greenz.jp まで