2014.10.28
こんにちは。ニューズレターの発行、随分長い事ご無沙汰してしまいました。読者の方の「楽しみにしています!」のお声に勇気づけられて、また書き始めました。読んでいただけたら嬉しいです。
短いエッセイ、日記などは、ブログにも載せています。よかったらブログもご覧下さいね。
シュタイナー学校の
グリーンウッドワーク
シュタイナー学校 小学校で作る
木のスプーンや木のボウル。
ちょっとぎこちない形です。
子どもが作ったから、
ぎこちない形になっているという訳ではありません。
Experience Waldorf in England 2014 より
普通に販売されている木のスプーンと大きく違う点のひとつは、
それぞれに違う形であること・・・でしょうか。
別の言い方をすると、
作ることの「目的」が違うのです。
店で販売されている木のスプーンは、
当然、
「使うこと」が目的で作られています。
いかに、使いやすいか、
いかに手に馴染むか、
美しい形になるか・・・などということを「計算」されて、
デザインされ、制作されています。
そして、素材の「木」を見る前から、
デザインが決められていることも大きな違いですね。
(だから、無機質な直方体に製材された「木材」を使います。)
人間がつくった「デザイン」を、
木に適用し、
人間がこうしたいと思った「デザイン」に近づけるべく制作する。
自然の素材を使っていても、
そこにあるのは、自然を支配しようとする作業・・・。
シュタイナー学校のグリーンウッドワークのスプーンも、
「使いやすさ」も考えますが、
それは一番の目的ではありません。
このスプーン作りは、
もともとある素材の木の形を感じ取り、
それを活かすところから始まります。
最初にデザインはなく、
木をみて、
木の質感、素材、形からデザインが生まれて来ます。
デザインは、自然から生まれてくる。
私達人間は、
自然を尊重し、
自然のもつ力をうけとりながら、
畏敬の念をもち、
自然からインスピレーションを受け取って、
そこに私達人間の手で作業をする。
ひとくくりに「木工」といっても、
そこにある、根本的な考え方が違うのです。
木を手で感じ、
嗅覚で匂いをかぎ、
心が感じ取る。
目と手の連携をうまくつけて、
手の感覚をつかって、
木を削り、形を作る。
木と対話をしながらの作業です。
それは、力まかせの仕事だけではないし、
繊細な形を読み取る感性も必要。
忍耐力ももちろん必要。
その作業でする「体験」は、
電動の機械などを使ったときの作業とは大きく違います。
はじめにデザインありき・・・で作ったときとも、
まるで違う体験になります。
授業の木工は、
その体験の「過程」を通して、
学ぶのが一番の目的です。
小学校ですることは、
モノを作り出すのが目的ではなく、
子どもがその作業を通して成長すること。
作業が成長させるものであること。
モノは学びとともに生まれる
「素敵な副産物」なのです。
高学年になると、目的が変わってきます。
理想があって、
それを実現するためにはどうしたらいいかを考え、
その為の行動をする。
年齢に応じた、
小学生のときとはまた別の学習の目的があります。
また、小学校でも、目的によって、やることも違ってきます。
またそのことについては、
またの機会に文章にまとめたいと思います。