コウタ |
池田さんは、2008年からライターとして
活動されているので、かなりのベテランですよね。
当時のグリーンズは、現在と比べると
規模も小さかったかと思いますが、
参加される前からご存知だったんですか?
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池田さん |
わたしは気象予報士の資格を持っていて、
もともと気象会社に勤めて
天気予報番組のプロデュースなどをしていたんです。
天気予報を人々に伝えていると
環境問題も自然と結びついてくるのですが、
そのときに環境問題の情報を収集しているなかで
グリーンズを知ったんです。
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コウタ |
なるほど。初期のグリーンズは、
環境関連のニュースが多かったですもんね。
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池田さん |
そんなある日、いつものように
グリーンズを読んでいたら、
ap bank fesの特派員ライターを募集していて。
ミスチルも大好きだし、
「この仕事には自分の好きなことが集約されている!」と
思って応募し、一緒にお仕事したんです。
その特派員としての仕事の直後に、
グリーンズライターとしても
参加することになりました。
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コウタ |
そうだったんですね。
今まで多くの記事を書いていただきましたが、
ターニングポイントになった記事ってありますか?
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池田さん |
初めて「Coffret Project」の
向田麻衣さんをインタビューしたときに、
いろいろな気付きをもらったんです。
それは取材先の取り組みの背景には人がいて、
それを伝えていかないと
プロジェクトの本質を読者に伝えることが
できないということだったんです。
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コウタ |
それは今のグリーンズの
根幹にもつながる話ですね。
ちなみに池田さんのインタビュー術は
グリーンズに関わるライターさんの
経典のようなものになっていますが、
記事を書くときに大事にされている
ポイントはありますか?
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池田さん |
わたしがなにか情報発信をすることで、
「この世は生きるに値する(©宮﨑駿)」と思う人を
増やしていけるといいなと思うんです。
自己肯定感といいますか、
自分の人生を肯定できる人を増やしたいですね。
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コウタ |
なるほど。実は僕も最近、
同じようなことを考えているんです。
いろいろな社会的課題や悩みに直面しつつも、
「生きているって素晴らしい」と思える人たちが
増えていくことこそ、グリーンズの
一番大事な使命だと、個人的に思っています。
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池田さん |
それともつながるんですが、 わたしがインタビューをすることで、
取材先の方が気づいていなかった発見や、
自分の取り組みにおける新しい価値に
気づいてもらいたいですね。
取材相手の中にある大切な何かを
対話から見つけていくことで
記事に普遍的価値が生まれ、
すべての読者にも価値がある響きのある
記事になると思います。
それは、読者のみなさんが「わたしにもできる!」と
歩み始めるきっかけにもなるはず。
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コウタ |
ちなみに書いてみたいテーマは、
いろいろ変わってきましたか?
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池田さん |
もちろん、私のライフステージに合わせて
発信したいことも変わってきていますし、
それぞれのライターさんの生き様が
そのままメディアとして発信する
価値観につながっているようにも感じます。
「生きるように、暮らすように働く」のが
グリーンズのライターさんだと思います。
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コウタ |
池田さんのライフステージという点では、
今年の夏から始まった「シニアライター」という
関わり方も象徴的ですよね。
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池田さん |
まだ娘も幼いので、
なかなか自分で取材に出かけて
記事を書くための時間を
確保するのが難しいんですね。
そんななかで自分の名前が出る記事じゃなくても、
新しい関わり方で参加することができ、
みなさんと一緒に、今後のグリーンズを考え
つくっていけるのはうれしいことです。
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コウタ |
そう言っていただけると、ぼくもうれしいです。
さらに年明けからは「マイプロものがたり(仮)」という
新企画も担当していただきますね。
こちらは、最初に紹介してから2〜3年経った
取材先を再度取り上げて、”取材先のその後”を
掘り下げていく予定です。
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池田さん |
わたしはこれまで、
グリーンズの取材でお会いしてきた方に、
「これは一回きりのお付き合いではなく、
グリーンズコミュニティーへの入口、
出会いの場です。企画をご一緒したり、
その後の歩みもご紹介する機会があればいいですね」
といつも話してきたんです。
実際に先ほどお話しした向田さんなど、
何名かの方はこれまでに複数回インタビュー
させていただきましたが、
今回は昔からやりたかったことが
連載企画として実現するので、
ワクワクしています。
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コウタ |
僕も待ちきれないです。
この企画はグリーンズのこれまでを
振り返ることにもなるので、
ちょっと甘酸っぱい気持ちにもなります(笑)
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池田さん |
今回わたしが取材に行くことは難しく、
編集ディレクターとして、取材先の選定や校正に
集中することになりますが、
とても信頼しているライターさんたちと
進めていく企画なので、
きっと読者の方々にとって
価値のあるものになると思います。
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コウタ |
ますます楽しみです!
今日は改めてありがとうございました!
最後に池田さんにとってグリーンズとは?
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池田さん |
最初に読み始めた頃もいまも、
グリーンズは一番自分の価値観と
ぴったり合うメディアで、
届けたい読者に届くメディアで
ありつづけてきたんです。
その一方で、わたしの中では
メディアというよりもコミュニティとしての
グリーンズの顔が大きくなっていて、
言葉にすると、”未来へ向かうふるさと”
という感じなんです。
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コウタ |
帰りたくなる場所、
いつでも帰れる場所といった感じですか?
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池田さん |
”ふるさと”といっても”古き良き”ではなく、
常に進化しているふるさとですね。
ホッとして懐かしさを感じさせてくれるけど、
常に進化して未来へ向かっている。
これからも自分の手で未来をつくる人たちの
ふるさとであり続けてほしいと思います。
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