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2013.06.09 Vol.3 New Moon / for 69 greenz people
13日の gdTokyo は「政治のつかいかた」がテーマ。ふらっと遊びに来てください!
今回も greenz people のみなさまに、「グリーンズのつくり方」をお届けします。


発行人・鈴木菜央が手がける会員向け「greenBooks」は7月中旬にお届け予定!


<vol.3号(新月号)>の目次

FEATURE / ブラストビート松浦貴昌さんに聞く「恩送りコミュニティ」
LIST / 宇田川裕喜さんが選ぶ「"場"を軸にしたグッドアイデア」
COMMUNITY / 甲斐かおりさんに聞く「ライターという仕事の手ごたえ」
Q&A / 編集長YOSHに「グリーンズ全国化計画」について質問です

 

FEATURE

「卒業ウェルカム」のその先へ。
ブラストビート松浦貴昌さんに聞く「恩送りコミュニティ」

with Takamasa Matsuura / interview by YOSH


7月16日で、グリーンズはまる7年。
ライターのみなさん、greenz people のみなさんなど、
これまでコミュニティに関わっていただいた方々は数百名に上ります。

今までグリーンズが大切にしてきたのが、「卒業ウェルカム」という考え方。
あるひとが自分の夢を実現するために、グリーンズを離れる決意をしたのであれば、
次のステージを心から祝福すること。ずっと固定メンバーでいるよりも、
お互いの成長のタイミングがちょうどよく重なるときに、モノゴトが動き出す。
それが今のグリーンズの原動力となっています。

一方、そんな才能あふれる"卒業生"たちが関われる次のステップを、
グリーンズとして用意できていないのでは?とモヤモヤすることも。
そこで今回は熱いコミュニティを抱えるブラストビートの松浦貴昌さんに、
そのあたりについて相談してみることにしました。(YOSH)



ブラストビートの松浦貴昌さん

YOSH 今日はお時間いただきありがとうございます。
普段は"まっつん"と呼んでいるし、敬語だとヘンな感じだけど、
読みやすさを考えて「松浦さん」でいきます(笑)
 
松浦さん こちらこそありがとう。まあ、まかせます(笑)
 
YOSH 松浦さんは「ブラストビート」代表以外にも、
サンタのよめ」や「カルマキッチン」など、
さまざまなプロジェクトに関わっていますよね。
ぶっちゃけ忙しくないんですか?
 
松浦さん ブラストビートも、僕がそこまで時間をかけなくても
回るようになってきたし、それほどでもないですよ。
僕が関わるプロジェクトには、
「ギフト」や「恩送り」という考え方がコンセプトにあるんですが、
いつもたくさんのことを学ばせてもらっていて楽しいです。
 
YOSH 松浦さんから「恩送り」という言葉を初めて聞いたとき、
「これからの社会のコンセプトはまさにこれだ!」って
すごくドキドキしたのを覚えています。
 
松浦さん ひとことで言えば、
誰かからいただいた恩をその人に返す「恩返し」ではなく、
別の人に渡すことで「恩」が世の中でぐるぐる回ってゆく、ということです。
それぞれが幸せに、自分らしく生きられるような社会になるには、
恩送りによって生まれるつながりが必要だと思っていて。
 
YOSH まさに今回のインタビューでは、
「恩送り」の考え方をコミュニティづくりにどういかせるのか、
そんな話を伺えたらと思っています。
 


音楽イベントの様子

松浦さん 僕たちも試行錯誤だし、どれくらい参考になるかわからないけど、
ブラストビートでは、短期的なゴールを一緒に目指す
プログラムになっているがのが大きいと思います。

4ヶ月のあいだにライブイベントを企画して集客するのですが、
週に一度は必ず会うし、Facebookでも相当なやりとりがあります。
ライブ一週間前はもう正念場で、「このままでは赤字だ!」
「集客しなきゃ」とか切羽詰まって、本気スイッチが入る。
そうなるとそれぞれ本気でリスクを背負ってるので、
本音が出るわケンカするわ。

でも、そうやってイベントが終了すると、
一緒に困難に立ち向かった仲間への感謝がこみあげてくるんです。
その思いがプログラムが終わった後も、
「何かブラストビートに貢献したい」という恩送りの気持ちに
つながっていくのかなあと。
 
YOSH まさに同じ釜の飯を食った仲ですね。
「本音をぶつけあう」というのは、今のグリーンズでは
あまりできていないことかもしれません...
ちなみにプログラムは毎回うまくいくものなんですか?
 
松浦さん それは結局メンターさんが、「どれほど愛情をもって
学生と接しているかどうか」に尽きるんです。
人として深いつながりができるから、
メンターさんを好きになる=ブラストビートを愛する、
って構造が起こる。

仕事が忙しくなって、人間関係が薄くなると、
やっぱりプログラムもうまくいかなくなる。
 
YOSH やっぱりそういうものなんですね。
 
松浦さん プログラムがはじまる前に研修があるのですが、
メンターさんたちには「深いつながり」を
大切にしてくださいと伝えています。
苦労して悩めば悩むほど愛着も残りますしね。

プログラムが終わっても、高校生の参加者が
メンター参加NGの同窓会を開いているみたいだし、
社会人になって初任給から寄付をしてくれる人もいます。

何より「ブラストビートってこういう団体なんだよ」って、
自分が代表のように話してくれるメンバーもたくさんいて、
そういうのを見てると嬉しくなりますね。
 
YOSH まさに理想です(笑)
松浦さんの役割ってひとことでいうと何なのでしょうか。
 
松浦さん 文化をつくることだと思います。
ブラストビートの究極のゴールは、
ライブイベントを成功させることでも、
多くの寄付を集めることでもなくて、
「チャレンジできるつながりをつくること」なんです。
それを言葉先行じゃなくて、
自分自身が背中を見せてきた感じですね。

ブラストビートの主役は、高校生だけじゃないんです。
大学生メンターも社会人メンターもみんな主役。
プログラムに参加すると、大学生や社会人なりの課題と
向き合う必要が出てきたりするんですね。
それをお互い協力しながら乗り越えていく。
 
YOSH なるほど。文化をつくる。
 
松浦さん 今は「ブラストビートあるある」とかもあるみたいで(笑)
メンターさんだと、「今までの議論をいきなりひっくり返す」とか
「『それって楽しい?』が口癖」とか。
 
YOSH 面白いですね(笑)
「グリーンズあるある」ってなんだろうなあ。
 


参加者とメンターがすごす濃密な時間

YOSH 2009年からはじまって4年目ということですが、
今まで大変だったことってありましたか?
 
松浦さん 2012年は特に危機的でしたね。
普段は7チームくらいなのですが、
13チームが同時にスタートしたんです。
今までやったことのない数だったので、
事務局からのフォローが行き届かず、かなり荒れました。
ライブまでいかないチームも複数あったし、
苦情やクレームもたくさん来た。
 
YOSH そうだったんですね。
ちなみにどうして倍でやることになったんですか?
 
松浦さん 単純にやりたい高校生の数が倍になったからです。
NOを言いたくなかったんですね。
でも社会人メンターさんにとっては、
ムチャぶりされたと感じた人もいたみたいで。

そのときは、めちゃめちゃ向き合いましたね。
こうなったのはすべて自分の責任だと。
もう、できることはいろんな人の話をひたすら聞くこと。
大事なメンバーもいったん離れてしまったので、
ひとりひとりに会いに行きました。
 
YOSH その後、どうなったんですか?
 
松浦さん 話を聞いてみると、コミュニケーション不足から
誤解がたくさん生まれていたようでした。
その誤解を解いていったことで、逆にさらに
コミットメントを高めて戻ってきてくれた人もいました。
 
YOSH それは嬉しいですね。
 
松浦さん その危機をきっかけに、コミュニティも進化しました。
例えばさっき言った事前研修。
ブラストビートが大切にしていることや文化を
しっかり伝える時間をとるようにしました。

また、「スナフキン」という役割もうまれました。
各プロジェクトをさすらいながら、
全体をみて必要なアラートを出す人です。
そうやって絶えず考えて、改善している感じです。
 
YOSH ひとつの仕組みが生まれるまでに、
紆余曲折あるわけですね。
 
松浦さん そう。仕組みはもちろん大事なのだけど、
いきなり仕組み化したってうまくいかない。
土台となるマインドが何より大切です。

ブラストビートで言えば、優しさがあふれる状態を
どうつくり続けられるか。「恩送り」という言葉も
普段の会話でも使うようにしていて、少しずつですが
みんなのボキャブラリーになってきている気がします。
 


「サンタのよめ」のコアメンバーも務めています

YOSH 最後に、グリーンズの話なんですけど、
率直にどう思いましたか?
 
松浦さん 「将来的には 100% greenz people からの支援で運営したい」という
ビジョンは素晴らしいと思ったよ。
「グリーンズのおかげで暮らしが豊かになった」という
まさに"恩送り"の気持ちだけで本当に回せるモデルを提示できると、
すごい希望になると思う。
あとはその気持ちをライターさんのような
コアメンバーとどう共有するかだろうね。
 
YOSH まさにそれが課題なんです…
 
中村さん 文化はそれぞれ多様であっていいはずなので、
「卒業を歓迎する」というのがひとつの文化なら、
それはそれでいいとは思う。
意欲のある人の気持ちで循環している、というのも、
グリーンズらしいし。

ただ卒業生でもライターさんでも、
コミュニティに関わるメンバー同士が、
勝手に集まるような機会が少ないのかなとは感じました。

本当にうまくいっているなら、
居場所を無理につくろうとしなくたっていいはず。
 
YOSH そうですね。僕たちでその場を用意しなきゃ!みたいに、
気を使いすぎている部分もあるので、耳が痛いです…
 
松浦さん 大事なのは、頼む人/頼まれる人の関係ではなく、
ひとりひとりが主役になって、
主役同士がつながっている状況をいかにつくるか、
ということかなと。
 
YOSH 「主役同士がつながる」ってなんかピンときました。
 
松浦さん ただYOSHの場合、
鹿児島にいるというのも大きいよね。
 
YOSH そうなんです。ハングアウトで話ができても、
要件をこなすって感じで、直接会ったときみたいな
雑談にはならない。五感じゃなくて二感にすぎない感じ。
 
松浦さん ブラストビートのコミュニティも、
理由はなくてもご飯行こうとか、
めちゃめちゃ会うことで成り立っているのは事実だからね。
 
YOSH ただそれだとどうしても東京中心になっちゃうので、
全世界に散らばるライターさんと温度差ができてしまうし、
そのバランスをとるのがなかなか大変なんです。
 
松浦さん なるほど。ブラストビートも東京以外に広がっているので、
遠隔でどこまでコミュニティを温められるのか、
うまくいったらノウハウを教えてほしいな。

ちょっと思ったのは、グリーンズの中だけで
つながりをつくろうとしなくてもいいのかな?と。
今度HUBTokyoとランチ会をするんだけど、
お互いのコミュニティ同士を混ぜあわせたいと思っていて。

コミュニティを閉じずに、オープンにつながっていくのが
いいのかもしれない。
 
YOSH 確かに!グリーンズが主催しなくても、
いろんなコミュニティで共催していけば、
面白いことが起こりそうですね。
そういう場に参加を呼びかけることなら、
もっと気軽にできるはずなので。

と、気づけば、あっというまにこんな時間…
今日は「グリーンズあるある」「コミュニティ同士をつなげる」など、
たくさんのヒントをいただきました。

じっくり咀嚼して、次の一手を考えたいと思います。
本当にありがとうございました!
 




LIST

宇田川裕喜さん(BAUM)が選ぶ
「"場"を軸にして社会課題を解決するアイデア」

with Yuki Udagawa


丸の内朝大学のソーシャルクリエイティブクラスでタッグを組むウッディこと宇田川さんは、
新しい時代のPRプランナーとして高い注目を集めています。
大丸有エリアのブランディングでグリーンズと仕事をともにしたり、
co-lab千駄ヶ谷時代には同じオフィスで過ごしたり、
いつも近いところで切磋琢磨してきた宇田川さんに、
改めてお気に入りの記事を選んでもらいました。(YOSH)



BAUMの宇田川裕喜さん

場生む会社「バウム」の宇田川裕喜です。

バウムは場を生むことで社会の課題や企業・団体の課題を解決していこうという会社です。
僕らはPRやクリエイティブ制作の仕事をしてきたメンバーで構成されているので、
建築以外のアプローチ、つまりコンセプトづくりやソフト側からの取組が増えていますが、
最近は様々な分野から「場」をキーワードにした事例が世界中からでてきています。

ただ、漠然とした「場」という概念はうまく生み出そうとしても難しいもの。
そこで「場」軸にして社会課題を解決していこうとすると、
どんなプロジェクトが生まれていくのか、そんな視点で3つの例を選びました。



DIYで、ご近所さんと毎日フリーマーケット!
いらなくなったものを軒先でシェアできる「Free Things Box」

1平米からはじめられるまちづくり
良質な「場」に共通するのはよいコミュケーションがうまれること。広いところが必要とか、たくさん人が集まることが必要という先入観がありがちですが、こんな小さなスペースも「場」です。このプロジェクトが素晴らしいのはシンプルなアイデアでありつつ、ご近所感覚を心理的にも物理的にも体験できること。こういうコミュニケーションの連続は、きっとよいコミュニティをつくります。(宇田川)


お金がなくてもOK !?
お店が欲しいモノとメニューを物々交換できるロンドンのパブ

引き算ではじまる場
新しい場は足し算とか掛け算ばかりではなく、引き算からもはじまります。僕らの暮らしからお金を引いてみると、とっても不便だと思います。でも生まれるのはきっと人のつながり。お願いしたり、されたりしないと生きていけなくなります。それをお店の機能としたのがこの事例。きっとこのお店、地域の人とたくさんよい関係を気づいてますし、みんなが「俺の店!」と言えるお店になってるはずです。(宇田川)


ポップアップ・ストア×インフォグラフィック!
おいしい食事をしながら水資源について学べるカフェがロンドンに登場!

未来ビジョンの共有って難しいですが
人と人をつなげる場が注目を集めていますが、「知ってほしいこと」と「知っていてほしい人」をつなぐ場も大切です。イベントだったり、特別なスペースだったりすることが多いですが日々の暮らしで立ち寄るお店で自然に、無理なく大切なことを伝える、しかもそれが未来をグッドシフトするようなことだったら素敵ですよね。(宇田川)

▼ そのほか、宇田川さんのおすすめ記事はこちら!
(1) フィンランド版「Kickstarter」!市民の”自分ごと”を応援するクラウドファンディング「Brickstarter」がもうすぐ登場!
(2) みんなで自分の望む生き方・働き方を実現する生態系をつくる、場づくり専門集団「場とつながりラボ home’s vi」
(3) これからのおもてなし”は街なかで!地元好きによる観光ガイド付きのおしゃれホテル「Plus One」
(4) ニューヨークの街角に突如出現!使われなくなった電話ボックスを再利用したミニ図書館
(5) カフェにガーデニング、子どもの遊び場にも変身!路上の駐車スペースを自由にデザインした「parklet」が登場




COMMUNITY

greenzライター 甲斐かおりさんに聞く
「ライターとしての手ごたえとこれからのこと」

with Kaori Kai / interview by Eri Kimura


グリーンズにとって、もっとも大切な存在のひとつが
実際に記事を書いていただく約40名のライターのみなさんです。
今回は2009年からグリーンズに関わり、『日本をソーシャルデザインする』でも
多くの原稿をご担当いただいた甲斐かおりさんにお話を伺いました。(えり)



ライターの甲斐かおりさん

えり グリーンズに参加したのは2009年ですね。
 
甲斐さん そうですね。前職でグリーンズと仕事をしたときに
こういう仕事をしてみたいなと思って、
当時の編集長だった鈴木菜央さんに
「記事を書かせてください」と言ったんです。
 
えり もともと環境や社会問題に関心があったんですか?
 
甲斐さん 洞爺湖サミットが行われた2008年に、
環境問題にかかわる仕事に携わって個人的にも色々勉強するうちに、
将来に漠然と不安を感じたんです。
自分が食べる物さえ自分で作れないことに
危機感を持つようになりました。
 
えり グリーンズに興味を持ったのはどうしてですか?
 
甲斐さん 例えば温暖化で北極の氷が溶けて…という話は頭では理解ができても、
自分の日常からは少し遠いじゃないですか。
でもグリーンズではちょっとした気づきから始まることや
身近な生活でおこなわれていることが伝えられていて、
とても新しいと感じました。
 
えり 同感です。
実際に退職を決めたのはどんなきっかけがあったんですか?
 
甲斐さん 若い頃は会社に価値観を合わせて働いていても楽しかったのですが、
だんだんと自分の中に、それとは違う軸ができはじめたんです。
明確に見えていたわけではないですが、
それを探しはじめないとどこへも行けない気がして。
 
えり 軸ですか。
 
甲斐さん はい。何を大事にして生きていくか、というか、
残りの人生これをやっていく!というものを見つけたいと思いました。
形が変わっても長く続けられるテーマのようなものです。
 
えり グリーンズでは”地域”に関する記事を
たくさん書いていただいていますよね。
 
甲斐さん 私は自分の中に専門性があるわけではなかったので、
自分が語れることはないけれど、何かやっている人の言葉を
代わりに伝えることならできるかなと感じていました。

ウェブで長い記事は読まれないと言われていたし、
ひとりよがりの記事になって失敗したことも多々ありますが、
2010年の「地元学」のインタビューで
この方向でもっと書いてみたい、と思うようになりましたね。

当時のグリーンズは海外のネタが中心で
土着な記事は少なかったので、
自分がそういうものを読んでみたかった、ということもあります。
 
えり どんな記事が印象に残っていますか?
 
甲斐さん どれも刺激的で面白かったですね。
お話を伺っているとすごいなぁと思ったり
共感することがほとんどですが、
西粟倉の牧さんのお話にはすごく引き込まれました。
木工房ようび」の人たちの仕事に対するまっすぐな姿勢も
強烈に心に残っています。

ザ・漁師’s」ではグリーンズの記事で周囲に活動内容を
理解してもらえたと言ってもらったり、
青森ゴボウ茶」は記事がきっかけで百貨店の取り扱いが
決まったと連絡が入ったりして、とても嬉しかったです。
 
えり これからやってみたいことはありますか?
 
甲斐さん 今は各地方の人たちが自らどんどん発信するようになってきているので、
そういう地域メディアや、地域からの発信といったテーマを
追いかけてみたいなとは思っています。
なかなか時間が取れないのですが…。

また、自分自身もこの4月から「世田谷くみん手帖」の編集に関わっていて、
「地方VS東京」っていう単純なものではないと思うようになりました。

いま多くの人が地域に目がいっているのは、
本当の意味で心が休まる場所や、
地に足がついたものを求めているからだと思うのですが、
東京にもそういう所は沢山あると気づきました。

長く愛されてきたお店もあれば、
商店街にはお惣菜屋や魚屋があって人と人の庶民的な交流が盛んです。
都会か地方かという二極化ではなく、
いかにその町を自分の町にできるか、が大事で。
もっと東京という町もミクロな目で見ていきたいですね。
 
えり 今日はありがとうございました!
最後に、甲斐さんにとってグリーンズとは?
 
甲斐さん たくさんの人たちと会えるきっかけをくれている場。
取材した人とつながり、またそこで新たな出会いがあり、
取材先の人もグリーンズで紹介したことで新しいつながりが生まれて
どんどん広がっていく。
そんな起点をつくってくれる場所だと思っています。
 




Q&A

編集長のYOSHに質問です。
「グリーンズ全国化計画がはじまった理由は?」

with Kenichi Noda


メルマガの〆は、greenz people と一緒につくるフリートークの質問コーナーです。
ご質問・ご意見などは people@greenz.jp までお気軽にお寄せ下さい!



今回は、スクール卒業生ののだけんさんが質問します

Q. グリーンズ全国化計画は、どのような想いから始まったのでしょうか?

メルマガ第一号に、2013年のグリーンズの大事なキーワードのひとつとして「スケールアウト」=グリーンズ全国化計画がありましたが、今後どのように展開されるのか楽しみにしています。また、全国化の足がかりとして、「マイプロCAMP関西編」や「“1DAY” 編集学校 in仙台」などが行なわれたようですが、実際に現地で行動を起こしたからこそ得られた体験があれば教えてください!(のだけん)

▼ ▼ ▼


編集長のYOSHが答えます

A. 「グリーンズは東京向けのメディアじゃないってば!」

ご質問ありがとうございます!

背景には「グリーンズは東京向けのメディアなの?僕は結局何をしたいの?」という自問がありました。きっかけは数年前のある講演で、山崎亮さんが「いろんなものが揃っている都市発のアイデアは、地方ではほとんどうまくいかないが、いろんなものが足りない地方で育まれたアイデアは都市でも応用できる」と仰っていたことでした。「うわあ」ってガツンときましたね。

たとえばグリーンズの月間ユニークユーザーは15万人なのですが、2012年一年間のアクセス解析をみると、渋谷区、新宿区、港区、千代田区、横浜市からのアクセスで約半数(45%)を占めます。あくまでIPアドレスなので参考データではありますが、実感としてもほとんどが東京圏の読者になってしまっている。

その要因は、「green drinks Tokyo」を毎月欠かさず続けてきた成果ともいえますが、東京のコミュニティが温まった分、東京在住のライターさんが増え、記事も東京中心に展開しているプロジェクトばかりになってしまっていたからだと思います。もちろんそれは素晴らしいことで、今の東京メンバーと一緒にそれを維持していきたい。面白いことがどんどん立ち上がるスピード感はやっぱり東京が圧倒的だし、グリーンズの大切なベースの部分ですから。

とはいえ編集長としては、もっともっと可能性を広げていきたい。それがスケールアウト計画でした。これから目に見える変化としては、地方発のアイデアをもっと増えていけるといいですね。

そこで大事にしたいのは、記事の地産地消です。例えば鹿児島のプロジェクトを東京のライターさんが出張して取材するのではなく、鹿児島という同じ場所に住みからこそ寄り添えるような取材にしたい。一番には鹿児島のひとに読んでいただきたいし、きっと同じような課題を持つ地域はもちろん、東京など都市部に住むひとにもヒントになるように編集していきたいと思います。当面のゴールは全国47都道府県でライターさんを集めること。長野、沖縄、富山、秋田、福島など各地で開催してきた1日だけの編集学校は、そのスカウティングという位置づけです。

全国展開の第一歩は関西からですが、実際に手ごたえも感じています。大阪ガスさんとはじめることができた「マイプロSHOWCASE関西編」のおかげで、この数ヶ月で関西からのアクセスが倍に増えました。割合にして10人にひとり!それくらい読者がいてくれるおかげで、マイプロCAMPのようなイベントの意義も出てくるのでしょうね。

実際に現地に行って感じるのは、グリーンズと同じような思いを持って活動している人は、全国にまだまだたくさんいるということ。その人たちを意識的につなげていけるように、一気にではなく縁のあるところで一歩一歩、進めて行きたいと思います。



次回の発行日は<6月23日(日)>の予定です。お楽しみに!



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