えり |
green drinks松戸は今年でもう3年目ですね。
始めるきっかけは何だったんですか?
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殿塚さん |
震災前は自給自足に憧れて、房総に住んでいたんですが、
地元(=松戸)で「MAD City」というプロジェクトが始まったのを知って、
「どんな感じなんだろう?」と行ってみたんです。
そのとき代表の寺井さんと「何か一緒にやろう」と盛り上がって、
ふと「green drinks をやりたい」と思いついたのがきっかけです。
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えり |
どうして green drinks を提案したんですか?
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殿塚さん |
それまで企業のCSR活動として
環境教育やイベント企画の仕事をしていました。
それはそれで楽しかったんですが、
"温暖化"とか"生物多様性"とか大きな話しになることが多くて、
なんだか手応えというか実感がなかったんです。
一方でその仕事で出会った農家のおっちゃんとかを見てたら、
小さくても地道によい野菜とかつくっていて、
なんか僕にとってはこっちの方が本質だなって思ったんですね。
今までの仕事の経験をいかしながら、
地域でできるイベントとして、
green drinksはまさにピッタリだったんです。
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えり |
企画は一人で行っているのですか?
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殿塚さん |
松戸にある「SlowCofee」の小澤さんと、
オーガニックレストラン「CAMOO」の伊藤さん、
「晴れる家café」の齋藤晃さんにも協力してもらっています。
一人だと大変なので、一緒にアイデアを出し合える
仲間がいるのは大切だと思います。
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えり |
そうは言っても、毎月一回、
定期的に開催するのは大変そう。
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殿塚さん |
最初は大変でしたね。
準備から片付けまで段取りもわからなくて、
「あ、俺オペレーションとかひとりでやったことないんだ」と、
gdをやってみて初めて気づきました。
会を重ねるごとにだんだん型ができてきた感じですね。
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えり |
企画の方はどうですか?
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殿塚さん |
gd松戸は「自給自足できる街」をテーマにしているので、
そういう軸があると考えやすいです。
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えり |
1回目のゲストはYOSHさんだったんですよね。
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殿塚さん |
はい。震災直後だったので
「エネルギー」をテーマにしようと思い、
R水素について話してもらいました。
でも実はその前にvol.0も開催していて。
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えり |
vol.0?
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殿塚さん |
今でもすごく覚えているのですが、
開催日が迫っていたときに
「どうやら松戸はホットスポットになったらしい」という噂が出て…
避難したほうがいいのでは?という話も出ましたが、
とりあえず開催しよう!と
企画者同士のトークイベントを行ったんです。
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えり |
殿塚さんも松戸がホットスポットになったことがわかってから
地元へ戻ってきたんですよね。
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殿塚さん |
3.11の後、何を優先するべきか
自分なりに考えた人って結構多いと思うんですが、
僕の場合はその時は「大切な人のそばにいること」でした。
地元には家族や友達、今の嫁さんもいたので、
その人たちのそばにいようと
房総から戻ることにしたんです。
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えり |
そういう経験もあって、
全体のテーマを「自給自足できる街」にしたんですね。
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殿塚さん |
そうですね。
自給自足って言うと仙人みたいなイメージもあるかもしれませんが、
僕らはあくまで街なので、ひとりでやるのではなく、
「自分たちの暮らしを自分たちでつくろう」という感じです。
例えばお店で買ったものより友達がつくったものって、
大事に使おうと思うじゃないですか。
その積み重ねって大事だと思うんです。
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えり |
街にクラブをつくったり、
たまに「自給自足」を拡大解釈している
回もありますよね(笑)
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殿塚さん |
一番バカな green drinks をやりたいと狙っているんです(笑)
アホだけど意外とちゃんとやってるな、という。
最近は田んぼを借りて、5月に田植えをしました。
9月には稲刈りもやります。
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えり |
いいですね!
green drinks を開催していて、
手応えは感じるのはどんなときですか?
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殿塚さん |
ある学生が、田植えワークショップに
参加したことがきっかけで、高知に移住したんです。
そこで地域おこし協力隊になると聞いたときは嬉しかったですね。
そういう風に、来てくれた人が自分も何かやってみようと
興味を持ってくれたらいいなと思っています。
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えり |
参加者から運営側になる人もいるそうですね。
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殿塚さん |
とてもありがたいことだと思っています。
僕はお客さん/スタッフという垣根をつくりたくないので、
“飲み会の幹事”気分でやっているんです。
結局その方が新しいことをやりやすいんですよね。
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えり |
ビジネスにするのも大事なことですが、
敢えてそうしないのも大切なんでしょうね。
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殿塚さん |
そうですね。
だからなるべく少ない人数でも
イベントが成立するようにしています。
例えば5月に行なった「オーガニックエリア八柱ツアー」の
参加者は5、6人くらいでしたが、街を歩くにはちょうどいいし、
歩くだけなので場所代もかからないし、
お店も通常営業の時にお客さんを
連れてきてくれるだけだから成立しちゃうんです。
その代わりに多くの人に届けるために、
レポートだけはきっちり書くように心がけています。
町歩きツアーの記事もグリーンズに掲載してもらったら
120シェアを超えて嬉しかったですね。
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えり |
最後に殿塚さんにとってグリーンズとは何でしょう?
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殿塚さん |
ええと、「ちがう部活の仲いいやつ」って感じですかね(笑)
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えり |
しっくり来る表現ですね(笑)
これからも松戸部として、よろしくお願いします!
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