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2013.09.19 Vol.9 Full Moon / for 126 greenz people
今夜は中秋の名月。季節の変わり目、みなさんいかがおすごしですか?
今回も greenz people のみなさまに、「グリーンズのつくり方」をお届けします。
 

<みなさまへ大切なお知らせ>
メールマガジン遅延のお詫びと月刊化のご案内

こんばんは。
greenz.jp編集長/NPO法人グリーンズ理事の兼松です。
いつもグリーンズを支えていただき、ありがとうございます。

まず、会員のみなさまには、9月5日に発行予定のメールマガジンが
二週遅れとなってしまったこと、お詫びいたします。

私ごとではありますが、8月末から9月上旬にかけて、
急性虫垂炎で入院することとなり、メールマガジンも含め
集中して作業に取り組むことができない状況にありました。

グリーンズの仲間も僕の穴を埋めるべく奮闘してくれましたが、
どうしても僕が担当しなければならない部分があり、
発行を見送らせていただいた次第です。
ご期待いただいたみなさまには、ご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。

幸いにして、今回の入院をきっかけに、
自分自身を振り返る時間を持つことができました。
と同時に、新しいチャレンジも続くなかで、各メンバーが無理のない働き方を、
真剣に考えていく必要がありそうだと考えるようになりました。

そこで、ひとつみなさまにご報告したいことがあります。
それは、こちらの都合で大変恐縮ではありますが、
今まで隔週で発行していたこちらのメールマガジンを、
今後は月刊として再出発させていただきたいということです。

もちろんこの決断にご不満がある方もいると思います。
これを機に退会を希望される場合は、返金の手続きをさせていただきますので、
大変お手数ではありますが、people@greenz.jp までご連絡くださいませ。
※10月末までの受付とさせていただきますので、ご了承下さい。

いままでのグリーンズの7年間も試行錯誤の連続でしたが、
これからのグリーンズも、嬉しいことも悲しいこともわかちあいながら、
みなさまと一緒に、ともに歩んで行けたらと思っています。

本件についてご不明点などございましたら、どうぞお問い合わせください。
今後ともご支援のほど、何卒よろしくおねがいします。

greenz.jp編集長 兼松佳宏


<vol.9>の目次

FEATURE / 山元圭太さんに聞く「支援の輪の広げ方」
LIST / 後藤寿和さんが選ぶ「コミュニティのあり方を考えるヒント」
COMMUNITY / 丸原孝紀さんに聞く「グリーンズに足りないもの」
Q&A / フクヘンおのっちに質問です「いま一番好きな場所は?」

 

FEATURE

個人会員3,000人!
かものはしプロジェクト山元圭太さんに聞く「支援の輪の広げ方」

with Keita Yamamoto / interview by Ono


greenz.jpの日々の記事配信を支えていただくために、
今年の春に募集を開始した「greenz people」。
現在は126名の方に入会いただき、確実にその環が広がっています(感謝!)

最近ではリトルトーキョーやgreenz BIZ、greenz Globalなど
新プロジェクトがどんどん立ち上がる中で、NPO法人の経営を安定させるために、
greenz people の数を伸ばしていくことも重要なテーマとなっています。

そこで今回は約3,000人の個人会員を誇るNPO法人「かものはしプロジェクト」の
日本事業統括ディレクターの山元圭太さんに、支援の輪を広げる秘訣について伺いました。(小野)



かものはしプロジェクトの山元さん


小野 今日は、よろしくお願いします。
 
山元さん こちらこそお願いします。
 
小野 今年の2月に、僕たちは、greenz peopleという会員を始めました。
主に、グリーンズ自体をサポートしたい方や、
アイデアを参考にプロジェクトを始めようとしている方、
ムーブメントに参加したい方が会員になってくれていて、
月間20〜30人が新規会員になってくれています。
 
山元さん 月間20人は、すごいですね。
 
小野 そうなんですね。ありがとうございます。
ただ、もう少しペースを増やしたいという思いはあるんです。

「かものはしプロジェクト」とグリーンズでは
会員の属性がぴったり重なるわけではないと思いますが、
かものはしにとっての「フレンドレイジング」の考え方を、
今日は伺えたらと思っています。
 
山元さん 「かものはしプロジェクト」で会員制度を始めたのは2004年です。
現在は活動資金の40%ほどが会費で、個人会員の方々に、
月々1,000円から継続して寄付をいただいています。

特に2007年から2008年にかけて、
社会起業家に注目が集まったことと、
『闇の子供たち』という映画の影響で、
一気に支援の輪が広がりました。
 
小野 (資料を見て)すごい伸びですね!
 
山元さん このタイミングで、リスティング広告やSEOや
キャンペーンサイトのランディングページなど
ウェブマーケティングに注力するようになりました。

また、クレジット決済を導入したこともあり、
1年で1,500人の方に会員になっていただきました。
 


印象に残るランディングページ

小野 その後はどうなったんですか?
 
山元さん 2009年以降から新たに始めたのが、"対面系"と呼んでいる、
講演会や内部イベントです。
いまはそれを中心とした方法に、切り替えているところです。
 
小野 ウェブから対面に移行したんですね。
 
山元さん 今までも、外からご依頼いただいた講演会も多かったですし、
「活動説明会」のような内部イベントを開催してきましたが、
それを支援の輪を広げることにつなげられていなかったんです。
 
小野 確かに単純にはいかないですよね。
 
山元さん でも、ウェブだけでは
我々の活動の意図や想いが届かなくなってきたので、
"対面系"の改善を図ることにしたんです。

今では講演会一回につき2〜3名の方が、
内部イベントでは10名ぐらいの方が、
会員になってくださるようになりました。
 
小野 どんな取り組みをしたんですか?
 
山元さん すごく単純で、「明確にお願いする」ということです。
活動の紹介をして共感してもらいながらも、
以前は最後に寄付のお願いを言い切れなかった。
そこを改善してしっかり伝えるようにしたら、
会員になってくださる人が増えたんです。

その背景には、話を聞いてくださった方から
「自分も何かできることで支援をしたいけど、
何ができるか分からない」というご意見を
いただいたことがありました。

そこで、「ご支援をお願いします」と明確にお伝えしたところ、
「支援する方法を知りたかった」と仰っていただいたことで、
次回から明確にお願いすることができました。
 
小野 心に響いているからこそ、
臆することなく堂々と伝えることが大事なんですね。
 
山元さん そうですね。
今は内部イベントの回数も増えていますが、
そのときに体験が深まるようなワークショップを開催すると、
より支援の輪を広げることにつながっている手応えがあります。

はっきりしたのはイベントに来てくださる方が増えれば、
支援の輪も広がるということです。

そこで最近では「いかにPV数を増やし、
イベントに来てくださる方が増えるか」という切り口で、
もう一度ウェブ系の取り組みを復活させることにしました。
 
小野 逆にウェブの使い道がはっきりしてきたと。
 
山元さん ただウェブを訪問した方に、
いきなりご支援いただくことはハードルが高いので、
ひとつ手前の単発の寄付やカンボジアのい草商品の購入など、
関わっていただきやすい取り組みもはじめています。
 
小野 会員さん担当のスタッフは何人くらいいるんですか?
 
山元さん 実質3人ですね。
ほかにインターンもがんばってくれています。
 


事務所で開催されている「かもトーク」の様子(Facebookより)

小野 今日伺ったような話は、
NPOでは先進的な取り組みですよね。
 
山元さん ソーシャルセクターとビジネスセクター、
良いところを上手く活かしていきたいと思っています。
 
小野 そういう仕事は、どんな人たちが向いていると思いますか?
 
山元さん まず、大前提として社会問題に対して、
想いがあることが大事だと思います。
あとはベンチャースピリットを持っている人でしょうか。

組織や会社への依存が少なくて、
「なんとか生きていけるっしょ!」という自信やしぶとさは、
とても大事だと思います。
 
小野 何系ビジネスパーソンというんでしょうね?
そこに新しいプレイヤーが出てきそうな気がするんですが。
 
山元さん 社会起業家やNPOを設立する人は増えていますが、
想いを事業として回していけるようにする人が、
必要なんだと思います。

右腕なのかCOOなのか事務局長なのか、
最近は"プロ番頭"という言葉もあるようですが、
そういった人々を増やしていきたいですね。
 
小野 支援の輪を広げていくためにも、
素敵な絵を書くだけでなく、
具体的なオペレーションに
落とし込むことが大切ですものね。
 
山元さん せっかくソーシャルセクターが盛り上がってきているからこそ、
いろんな人に取り組んでほしいですね。
層が厚く多様にならないと、先は厳しいので。

重要なのは、一人がすべてをできるようになることではなく、
スキルのある人を巻き込みやすくする環境づくりだと思います。
 
小野 なるほど。
グリーンズがまさにそのつなぎ役になれると面白そうですね。

今活躍している"プロ番頭"のインタビューシリーズなんかも
やる意味があるかもしれません。
今日はいろいろなお話をありがとうございました!
 




LIST

後藤寿和さん(gift_ /ヤマイエヒト)が選ぶ
コミュニティのあり方が変容していくための「場」の考え方

with Toshikazu Goto



gift_ の後藤寿和さん

gift_ 」の後藤寿和です。gift_は空間のデザインや企画を行っているチームなのですが、いつも独自にそこからはみ出すような動きを伴った活動をしています。

オフィスをオープンにして、ギャラリーショップにしたり、音楽のイベントを行なったりとジャンルを超えたプラットホームとしてのgift_labの方でご存知の方も多いかもしれません。DesignTideやCETなど街そのものやパブリックなスペースをギャラリー化して界隈が変わって行く興味深いプロジェクトにもディープに関わって来ました。

最近作は「山ノ家」。大地の芸術祭が開催される越後妻有の真ん中に、東京移民たちによるシェアスペースをつくりました。現在首都圏と里山の二拠点を、フラットな価値観でシームレスに行き来する「ダブル・ローカル」を実践中。

すべてに共通して言えることは、場や状況をつくるプロセスを重ねていく中で、(気づいたら)予想以上にそれらが変容して行く(もちろん、良い方向に)という状況が生まれているということが起こっているということ。(とはいえ、しっかりとヴィジョンをもつことも必要です。) そんな、原因と結果の逆説的な考え、みたいなことをを大切にしたいと思っています。

ということですぐに使えるアイデア、というよりは、幅広く、より長いスパンでの「場」の変容の考察として気になった記事を3つピックアップしました。


廃線になった高架線路を”空中公園”にするビッグプロジェクト
「The High Line」の完成予想図はコレだ!

解放することで価値をつくる
ご存知の方も多いと思われるNYの廃線高架を転用したThe High Lineプロジェクト。これは本当に完成までの期待感が募る素晴らしいアイデア。ダイナミックな規模であることはもとより、まだプロセスでありながらも、パブリックに解放する場を作ることがきっかけとなり周囲の町も自然と変容していっているという点がとても理想的。

産業利用でつくられ廃れた場所を、同様に商業を目的化したカタチではなく、解放する場をつくることが結果的に商業的価値を生んでいく。そのうえ、パブリックスペースは土地の歴史を持ちながら残っていく。それはきっと市民の意識をも変えることでしょう。多様な未来にリーチできる為のヒントがここにある。


世界各地に広がる市民運動「トランジション・タウン」って?
地域の暮らしを考え、変えていく「藤野トランジションの学校」開校!

日常的な活動が社会実験になる
まとめで、筆者が感じた「取り組みの一つ一つはけっして大きくないはずなのに、なぜだか地域が変わっていっているという実感があります。」という一節にリアリティがあって、前述の僕らの山ノ家での活動にも強い共感と勇気をもらった。

仕組みありきでなく、一人一人の主体的で多層的な活動を日常的に行う場が社会(ひいては世界)のありかたそのものを変えて行く壮大な社会実験になっているというのは、とても21世紀的だし、そこにこそ持続的な未来があるのかなと。今、僕らも里山の限界集落の耕作放棄地に実がなる木をこつこつ植樹して、山に緑と実りを取り戻すための「山ノ実プロジェクト」をスタートさせたばかり。これも近未来に大きな“トランジション”の一つに育ってほしいと思う。


「メディアによって生活空間・都市空間を変容させる」
メディアアーティスト/研究者 江渡浩一郎さんインタビュー

関係性をつなぎなおすメディア
最後は、「メディア」によるコミュニティの変容(と、その先の未来)についての考察。日の当たる部分だけでない側面も含め、メディアアート、都市そのものを舞台装置として使用する演劇、宗教、スラム、パーソナルコンピュータ、インターネットやソーシャルネットワークなど、「メディア」が果たす「場」としての役割と、その「変容力」を語り起こす非常に興味深い記事。

“THINK LOCAL ACT LOCAL.”が世界へつながるのもこの「メディア」があってこそ。「昨今のインターネットをはじめとするメディアの隆盛は、かつて切り離された生活やプロセスを、もう一度メディアでつなげようとしている。」という部分が特に印象深い。これら「メディア」があるおかげで、逆説的に僕らは机上では見えてこない新たな創造的価値を発見する旅に出かけることができるのだ。

▼ そのほか、後藤寿和さんおすすめの記事はこちら!
(1) 日本の建築思想が、南米でスラムへの処方箋に?!住民自ら増築していく「未完のプラットフォーム」 [カラフルな社会構築]
(2) フローリング、壁材から木琴まで!保有林の間伐材利用に取り組む三井不動産が考える「CSRより重要なこと」とは?
(3) 家を建てるだけで終わりじゃない!”ご近所づきあい”までもデザインする建築プロジェクト「いえつく」
(4) いつものストリートがみんなの食卓に!公共空間を彩る移動式キッチン「mobile hospitality」
(5) 路上の駐車スペースが公園に変身!世界中で開催されている「Park(ing) Day」をご紹介




COMMUNITY

ライター丸原孝紀さんに敢えて聞く
「グリーンズに足りないもの」とは?

with Takanori Maruhara / interview by Yuto MIyamoto


本職のコピーライターでありソーシャル広告の記事を連載中の丸原孝紀さんは、
黎明期からグリーンズを支えてきてくれたベテランのライターさんです。
モットーは「書き続ける。この世に言葉と問題がある限り」という丸原さんに、
言葉を仕事にするということ、そしてグリーンズのこれからについて伺いました!
(編集インターン・宮本)



ライターの丸原孝紀さん

宮本 最初に、グリーンズにかかわったきっかけを教えてください。
 
丸原さん 5年くらい前に、フェアトレードとかオーガニックのチョコを日本に
広める「チョコレボ」っていうキャンペーンがあって、
そのミーティングのときにYOSHと出会ったの。

そのとき僕はブログで世界の環境広告を紹介していたんだけど、
「それをグリーンズでもやりませんか」って
YOSHが声をかけてくれたのが最初ですね。

そのあとブログはあんまり更新しなくなったんだけど、
グリーンズの方では環境に関わらず、社会貢献とか、
ソーシャルグッドな広告を紹介するってことを続けています。
 
宮本 “ソーシャル"なテーマに
興味を持ちはじめたきっかけは?
 
丸原さん 転換点は9.11ですね。
家に帰ってきたときにテレビでビルが真っ二つに割れてるのを見て、
「何が起こってるんだろう」と思っていろいろ調べていくと、
資源をめぐる争いとか、政治的ないさかいがあるのがわかって。

でも、当時はそういうテーマが今ほど身近なものではなかったので、
難しいものをみんなが楽しめるコンテンツとして伝えるために、
ブログをはじめましたんです。
 
宮本 そのあたりから、広告が社会的なテーマと
近づいていったんですね。
 
丸原さん 関係のない人に対して、ある特定の商品とか
サービスとかの情報を伝えていくのが広告の役割ですよね。
例えばテレビの番組とか映画だったら、これ見ようと思って見るけど、
広告はそういう態度ではない人たちに
メッセージを届けなくちゃいけない。
しかも短い時間で。

それとまだみんなが問題意識として持っていない
社会的なイシューを関心事にしていくっていうのは
同じスキルだと思うんです。

特定の人だけが持っている情報をみんなに興味を持ってもらうことが
広告の役割なのかなぁ。
 
宮本 どういうときにコピーの言葉が思いつくんですか?
 
丸原さん まずはひたすら資料を漁ったり、人の話を聞いたりして、
悩んでいるうちに、ふといろんなものが
頭のなかで発酵するんです。

そんななかですっと降りてくるか、
もう締め切り間近にぐーっと地面から湧いてくるか、
その2パターンですね。

いずれにせよ、頭で考えるプロセスと
思いつくっていうところの間には
だいぶ時間があります。
>
> だから考えるだけでもダメで、
空にあるものを掴むというか、
受信するみたいなところがあるんですよ。
 
宮本 宇宙からのテレパシーみたいですね!(笑)

グリーンズではこれまでたくさんの記事を書いていますが、
その中で印象に残っている記事はありますか?
 
丸原さん 病気で苦しんでいる子どもを助ける
NPOのダイレクトメールの記事
ですね。

それまでグリーンズの記事を書く基準は
いかにインパクトがあるか、ということで選んでたの。

でもこの記事は、送り手のやさしい気持ちが
受け手をやさしい気持ちにさせて
行動につなげるっていう広告なんです。

これがけっこうウケたから、
「あぁグリーンズの読者っていうのは
やさしい人が多いんだな」って思って、
記事の方向性を意識して変えるようにしました。
 
宮本 そうだったんですね。
今はカンヌ国際広告フェスティバルの受賞作品を
紹介する連載をしていますが、
こちらも同じような基準で選んでいるのですか?
 
丸原さん カンヌでは予算をかけて作られたドカンって派手な広告が多くて
そりゃ当然おもしろいしインパクトはあるんだけど、
グリーンズでやるからには読んだ人が
こういう考えがあるんだったら自分もこうしてみようとか、
自分で応用できるような事例を紹介していこうと思っています。
 
宮本 次の行動につなげる、ということですね。

僕は個人的に、丸原さんはグリーンズの
お父さん的存在だなぁと勝手に思っているのですが(笑)、
長くグリーンズに関わっている丸原さんから見て、
グリーンズに足りないところはどこだと思いますか?
 
丸原さん お父さんというよりはいとこみたいな感じかな。
長いこと付き合っているし、
いろんなものが見えるんだけど、
中身まではきっと理解してないから。

そういう目で見ていると、
「未来をつくろう」っていうベクトルは
とても素晴らしいと思う。

でも、未来に向かう前提となる今が
とても危機的な状況になってるから、
「未来をつくる」っていう視点は持ちつつ、
いま起きている気候変動とか政治の問題に対して、
しっかりとした主張・オピニオンを持って
それを発信していけるような感じに
なればいいなぁと思っています。
 
宮本 未来だけじゃなくて、
いま目の前の問題にもしっかり焦点を当てると。
 
丸原さん うん。とくに主義主張がなくやるっていうのは
グリーンズの今までのスタンスだったかもしれない。

とはいえ今目の前で起きている問題もたくさんあるから、
「それをなんとかしようと思ってる」っていうメッセージを
出していくっていうのも大事なんじゃないかな。

ちょっとね、ソーシャルっていうことで、
楽しくハッピーにっていうのは、
震災前だったらおもしろいな、
共感できるなっていうことで
無条件にOKだったんだけど、
やっぱり3.11が起こってからそれだけでやってると
「ちょっと大丈夫?」という感じにも見えなくもない。
あのときから世界が変わってしまったから。
 
宮本 丸原さん個人にとっても
3.11は大きな衝撃だったんですね。
 
丸原さん 世界は終わるんだっていうことがはっきりわかった。
もう破滅というものがあり得るんだっていうことを考えて、
今どう行動するかを考えなくちゃいけない。
生き抜く力というか、そういうものが
大事になっていくんだなと思います。
 
宮本 最後に、丸原さんにとってグリーンズとは何ですか?
 
丸原さん 今は「いいね!」っていうのが軽くなってるけど、
その「いいね」に向けて、自分で考えて自分で行動しようとする。
グリーンズはそういう価値観を持ったコミュニティだと思います。

グリーンズ界隈の人は言いっぱなしじゃなくて、
何かやりたいっていう気持ちを持った人たちばっかりだから。

こういう人が今は本当に一部だけなんだけど、
これがもっと大きくなっていけばいいなって。
そう信じてずっと記事を書いているんだけどね。

グリーンズに僕がコピーをつけるとしたら、
「行動するYes!」かな。
 
宮本 これからも丸原さんの記事を楽しみにしています!
ありがとうございました!
 




Q&A

フクヘン小野裕之に質問です。
「いま一番、好きな場所はどこですか?」

with Kazuyoshi Kurosawa


メルマガの〆は、greenz people と一緒につくるフリートークの質問コーナーです。
ご質問・ご意見などは people@greenz.jp までお気軽にお寄せ下さい!



今回は、会員第100号の黒澤一欽さんが質問します

Q. いま一番、好きな場所ってどこですか?

最近良く「住」について考えるのですが、その中で一番重要なポイントって、その土地の風や雰囲気とかなのかなぁと感じています。その場所というか土地を教えてください。(黒澤)

▼ ▼ ▼


フクヘン小野人が答えます

A. 「札幌」のことを考えるとヨダレが出ます。

「今一番、何か好きな場所ってどこですか?」という質問に素直にお答えするとすればいくらでも好きなことが言えるのですが、「住む」ということを考えると少し慎重になりますね。

来年で30歳を迎える僕は、年齢的に、結婚することになったり、第1子を授かることになったりなどが周囲に増える時期です。

自分ひとりのことを考えていれば決断できることがほとんどだった年齢から、パートナーや家族のことも同時に考えながら決断しなくてはいけないシーンが増える、要はそろそろ「自分の好き勝手にはできない」年齢になってきたなと感じています。(その分、幸せも2倍、3倍なんですけどね。)

最近、「住処」を考えることは、「仕事」を考えることに近いなと思うことがしばしばあります。仕事の場合、「天職」は、受け手として、作り手としても、どちらの自分にとっても、好きな仕事、続けられる仕事のことを言いますよね。

いくら映画を観るのが好きでも、(実際には分業されているわけですが)シナリオを考え、スタッフィングをして、ロケハンをして、撮影をして、編集をして、という延々続く地味な作業を楽しめないと恐らく「天職」とは言えないはずです。

ですので、「理想の住処」もきっと、住み手としても、作り手としても好きだと言える、心地良い地域を選ぶのが良いのではないでしょうか。そのために、1年に3回ぐらいは行ってみる。友だちを作って、あるいは長期滞在して、「観光」ではなく「生活」をしてみる。その地域で開催されているお祭りなど、様々な活動を手伝ってみる。そんなことをしてみるのはいかがでしょう。

そうしているうちに、その地域で暮らしている自分、その地域のまちづくりを担っている自分がだんだんと具体的になってくるような気がしています。そうなると、慎重な僕にとっては5年がかり、10年がかりの仕事だなあと思う訳です。

一方で、そんなに時間をかけなくても、勘や運命だけで「えい!」と決めて、その地域を終の住処にしていくひともいる。そんなところも仕事に似ているなと思う所以です。

ただ、住処を決めても、その地域に対する「こだわり」が「固執」にならないようにしなくてはいけないなと思いますし、地域の環境や歴史や住人といった「周囲への期待」は「自分のまちに対する関わり」と常に"鶏と卵”の関係にあることを忘れてはいけないと思っています。

ということで僕は、首都圏へのアクセスが良く、土地もドカンと開けていて、それに由来しているのかオープンマインドな人柄が印象的で、何より食べ物が美味し過ぎる「札幌」がいまのお気に入りです。

「札幌」のことを考えるとヨダレが出ます。




最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
次回の発行日は<10月5日(土)>の予定です。
次号から月一回の発行とさせていただきます。



メールマガジン編集長:YOSH(グリーンズ編集長)
編集:木村絵里(グリーンズ編集部)、宮本裕人(編集インターン)
発行:NPO法人グリーンズ
メールアドレスの変更はCANPANからどうぞ
配信停止については people@greenz.jp まで