宮本 |
まず最初に、2人が「greenz global」に
加わったきっかけを教えてください。
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コウタくん |
僕は今まで音楽関係の仕事ばかりしてきたんですが、
それで生計を立てるのはやめることにしたんです。
じゃあ音楽の次に本気になれるものってなんだろうって
考えたときに浮かんだのが、ソーシャルデザインの分野でした。
それでどこかで採用の募集をしていないか調べたときに、
ちょうどグリーンズがライターインターンと
グローバルインターンを募集していたんです。
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宮本 |
それで両方に応募したんですね。
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コウタくん |
そのとき「greenz global」のことは知らなかったけど、
サンフランシスコに留学していたし、
前から英語圏向けの活動もしていたので、
両方応募してどちらか受かればいいなと思っていたら、
両方できることになったというわけです。
それが今年の3月のことですね。
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宮本 |
アンディくんは、
今年の2月までシアトルに留学していたんですよね。
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アンディくん |
はい。シアトルでは、ある授業で、
本物の投資家の前でプレゼンをする機会があったんです。
そのとき出てきた案のひとつに、
日本を紹介するメディアをつくろうっていうのがあったんですよ。
最終的に違うアイデアを取り上げたんですけど、
自分の頭のどこかに「日本を紹介するメディア」が
そのときからずっと残っていたんです。
留学してから逆に日本がすごく好きになって、
日本のことを発信する仕組みに関わりたいと思っていて。
そうしたら帰国したタイミングでgreenz globalの
インターン募集を知って、時期も合ったので応募しました。
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宮本 |
本当はもう一人メンバーがいたんですよね。
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コウタくん |
ミキちゃんっていう女の子がいたんですけど、
今はニューヨークに留学をしています。
この3人はすごくいいチームだったんですよ。
今年の4月から7月までは、
3人で火事場の馬鹿力ですごく働いていました。
そのころ僕はライターインターンもしていたから、
毎週YOSHさんと編集会議で話す機会があって、
たまにYOSHさんに「会議が始まる前の
10分だけ時間ください」って頼んでいました。
そこで僕がミキちゃんやアンディくんからもらった
アイデアを伝えて、YOSHさんがどう思うかを
ヒアリングしていたんです。
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宮本 |
greenz.jpとgreenz globalの
橋渡しをしていたんですね。
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コウタくん |
globalについては、記事のガイドラインもなかったから、
greenz.jpで学んだことを、いかにgreenz globalに
持って帰るかということばっかり考えていました。
YOSHさんがぽろっと言ったことも全部メモに書いて
二人に伝えたり、ミーティングの進め方も学んだり。
僕らは誰が「長」というのはまったく気にしていないんだけど、
やっぱり「編集長」という人がいないとカッコがつかないし、
他の人と対等に話してもらえないんですよね。
だからそういう役割もあって自然にというか、
とりあえず僕が編集長を名乗るから、まったく同権限で
アンディくんはコミュニティリーダーになってよって。
編集長とコミュニティリーダーで
どっちが偉いかってことは全くないんです。
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アンディくん |
コウタくんはメディアとして
どういったコンテンツを発信していくかという、
僕にはない引き出しがめちゃめちゃ多いんです。
あとは僕の個人的な興味として、
NPOっていう組織がどう回っているのかに関心もあって、
オペレーション寄りなところに
自分が関わってみたいと思っています。
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宮本 |
お互いのやりたいことや、
向き不向きもあって自然と決まったんですね。
メディアを立ち上げるうえでの難しさや楽しさは、
どんなところにありましたか?
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アンディくん |
最初はないことだらけで、
そこにしくみをつくっていくのは
すごく楽しいし、挑戦しがいがありますね。
逆に今、軌道に乗ってきたときで、
そろそろもう1個大きな山を超えないと
スケールしないかなと考えています。
常に新しいことに挑戦しないといけない。
そこが1番難しくて大変なところだけど、
同時に楽しいところですね。
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コウタくん |
大変だったかって聞かれたら、
「大変じゃなかった」とは言えないけど(笑)、
あの頃は毎週欠かさず、直接集まって
ミーティングしてましたね。
母親の病気の手術前夜も
会議に行ったのは今でも覚えてる。
それだけグリーンズを優先したくなるくらい
楽しかったんだよね。
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宮本 |
greenz globalでは
日本の事例を英語で発信していますが、
どういう基準でネタを選んでいるんですか?
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コウタくん |
選ぶ基準は、まず日本か東アジアの
事例であるということ。
あとはシェアの数の多い・少ないではなくて、
普遍的に伝えられるもの、
視覚的に伝わりやすいフォトジェニックなものを
選ぶようにしています。
逆に、「これは日本人は理解できるけど、
海外の文化のバックグラウンドだとちょっと難しいな」と
思うものは選ばないようにしています。
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アンディくん |
日本語と英語では文化がちがうし、
一言で伝わるイメージも全くちがうんです。
たとえば日本人に「ものづくり」って言うと、
職人さんとか技術とかっていうイメージを
みんな持っているけど、
外国人に「manufacturing」って説明しても、
その裏にある深い意味までは
説明できないものがあって。
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宮本 |
そうなると、ネイティブの方の視点も
必要そうですね。
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アンディくん |
はい、どうしても日本人が書く英語の文章は
学校英語的になりがちなので、
読んでいてもワクワクしないというか、
平坦な表現になっちゃうんです。
でもグリーンズでは読んだあとに
ワクワクすることが大事だと思っているから、
ネイティブの編集者さんがいたら
もっと楽しいメディアになるのかなと。
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コウタくん |
日本語だと日本1カ国だけど、
英語だと何十カ国もあるから、
文化の多様性はいつもぶち当たる問題です。
どこまで想定するかはもちろん大事だけど、
最近は押し付けるわけでなく、
「日本はこうなんですよ」って
言っちゃっていいのかなって。
正直実は、僕は「global」って言葉が
大っ嫌いなんですよ(笑)
僕にとっての「グローバル」は
小さいローカルが無数に集まってできた集合体で、
日本のローカルでこういう面白さあるんだよ
ってことを世界に発信していきたいです。
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宮本 |
具体的にこれからやってみたいことはありますか?
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アンディくん |
身近な例でいくと、
外国人の友達がglobalの記事をシェアしたら、
めっちゃバズる、みたいなこと。
現地の人にウケたんだっていう実感を
得てみたいですね。
僕はけっこうFacebookで外国人の友達も多いんですけど、
そういう人たちに自分の考えというか、
自分の信じている価値観を伝えていけることは
いいなと思います。
日本語だったら日本人にしか伝わらないけど、
英語だったら日本人と外国人の両方に
伝えられるっていうのは
globalをはじめて実感したことですね。
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コウタくん |
僕はさっき言った英語の問題をどうやって
打破していこうかって考えたときに、
インターンさんとのミーティングをどんどん
ワークショップのようにしたいなと思っています。
例えば、記事を書いている途中でも
途中のものを見せ合いながら
「ここはこう書いたらどうかな」
「こういう書き方してみなよ」という感じで
みんなで輪になって話す。
そういうミーティングを繰り返すことで、
globalの次の段階が見えてくるのかなと。
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宮本 |
最後に、2人にとってグリーンズとはなんですか?
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コウタくん |
「大人の真剣な、命かけた部活」。
帰宅部より、何か部活をやってるほうが
学校って楽しいと思うんです。
グリーンズもその感覚で、
部活で学んで自分の身になるものを吸収できるし、
自分もコミットしてグリーンズのコミュニティが
よくなっているのも実感できています。
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アンディくん |
僕は「人生のなかで新しい選択肢を提供してくれる場」。
これまで僕は一般企業でインターンしたり、
就活したり起業家の人と会ったり…と、
ビジネスを身近に感じてきたけど、
グリーンズではまた違った人たちと出会うことができました。
お金を稼いでビジネス一本で生きていくことだけが
人生じゃないんだなっていうのは
すごい学ばせてもらっています。
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宮本 |
これからもgreenz globalの活躍を
楽しみにしています!
コウタくん、アンディくん、
ありがとうございました!
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