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2014.03.03 Vol.15 New Moon / for 202 greenz people
いよいよ3月、春間近ですね!新月明けの月曜日、
今回も greenz people のみなさまに、「グリーンズのつくり方」をお届けします。
 
<vol.15>の目次

FEATURE / 高坂勝さんに聞く「新しい時代の生き方を広めるためのヒント」
SCENES / 京都出張、フローリング工事、DIY姉妹...近ごろのグリーンズ
COMMUNITY / 坪根育美さんに聞く「グリーンズにいた頃と、卒業後のこと」
Q&A / 編集長YOSHに質問です「伝えるときの心がけはありますか?」
 
 

FEATURE

『減速して生きる―ダウンシフターズ』著者で
「たまにはTSUKIでも眺めましょ」を運営する高坂勝さんに聞く、
「新しい時代の生き方を実践して広めていくためのヒント」

with Masaru Kosaka / interview by Nao


こんにちは、NPOグリーンズ代表の鈴木菜央です。

最近「暮らし」「生き方」の記事を増やしつつあるgreenz.jpですが、
札幌市内でエネルギーを手づくりしながら、楽しく暮らしているはらみづほさんの記事や、
発酵を突き詰めて、岡山の田舎でパン屋を営むタルマーリーさんの記事など、
どの記事も、大きな反響をいただいています。

彼/彼女らの共通点は、暮らしをシンプルにして、自律して生きていること。
僕個人もより深く実践していきたいし、グリーンズとしても、
こういう生き方を広げていきたいな、と思っています。

そこで今回は、そんな新しい時代の生き方を実践して広めていくためのヒントを、
1月に文庫版が出版された『減速して自由に生きる ダウンシフターズ』の著者であり、
ORGANIC BAR たまにはTSUKIでも眺めましょ」(略して「たまTSUKI」)を運営している
高坂勝さんに伺いました。(菜央)


 

『ダウンシフターズ』著者の高坂勝さん
 
菜央 今日は、よろしくお願いします!
 
高坂さん こんにちは!
 
菜央 高坂さんが書籍『ダウンシフターズ』で描いていたのは、
いつのまにか踊らされていたシステムから降りて、
自由になって、ハッピーになろうよ、ということだったと思うんです。
一番驚いたのは、理にかなっているというか、
ものすごく合理主義的だということでした。

お店の大きさ、商いのスタイルから日々の動きまで、無駄がない。
全部が幸せを基準にした合理主義で徹底されていて、
それが面白いなと思ったんですよね。

まず、どのようにお店を運営しているのか、
教えていただけますか?
 
高坂さん このお店は、会社を辞めた3年後にオープンしたんですが、
競争社会に生きている間に得たものもあったけれど、
失ったものが大きかったんです。
だから、失ったものを取り戻そうと思ったことがきっかけですね。

そして、店をオープンするまでの間に、
自分が辛い思いをした原因は、
経済システムに問題があることだと気づいたんです。
 
菜央 なるほど。
 
高坂さん それを伝えたいなと思ったときに、
言葉じゃなく実践で示したかったんですね。
俺のお店は、当時の反省が基盤になっているので、
「必要以上の売り上げは取らない」をモットーにしています。

俺の場合は「ミニマム主義」という考え方です。
ライフスタイルとしてオーガニックのものを食べたいし、
「大量消費のものは地球破壊に加担しているから買いたくない」
とも思うのですが、そういうことを実践していたら、
自然とお金がかからなくなるんですよ。

自分は1か月にいくらの収入が必要なのかが分かると、
自分の商売でいくらの売り上げが必要なのかも、
計算できますから。

まずみんな、「ライフスタイル基準金額」を
考えるべきだと思います。
僕の場合、それがだいたい20万円。
もっと少なくてもよかったんだけど、大雑把にみてそれくらい。
そして、その金額を基準にした店舗運営をしたんです。

特に宣伝もせず、口コミだけに頼ってきたんですけれど、
だんだん店が繁盛して売り上げが大きくなってきてしまったんで、
収入を減らすために週休を増やしていきました。
 
菜央 すごい話だなぁ(笑)
 
高坂さん そして、その時間をつかって、
千葉で米の自給を始めたんです。
米の自給を実現すると、さらに暮らしの基盤が安定するので、
「じゃあ、もっと収入を減らせるよね」と。

その頃に縁があって、本を出版したんですけど、
そしたら更に繁盛しちゃって(笑)
それで、「じゃあ更に収入を減らすために、休もう!」と思い、
いまや週休3日にしています。

でも、俺が徹底しているのは収入の話だけでもないんです。
開店当時と比べると、どんどんお酒も料理も
メニューを絞り込んでいるんです。
仕入れの時間も省けるし、
お酒をストックするスペースも減らせる。

単品の付加価値をあげると、
商売としての付加価値もあがると思うんですね。
要するに種類を減らせば、残ったメニューの付加価値が上がる。
そのように絞り込んでいくことで、
「もっと売りたいお酒」「もっと出したい料理」に
集中できるから、お客さんもそこに満足してくれます。

このように小さい生業というのは、
付加価値を高めていくことが大事だと思いますね。

いわゆる大企業のスケール視点の合理主義とは違って、
スモールメリットによる合理主義。
 
菜央 どんどんシンプルに。
 
高坂さん それは常に考えていますね。
例えば、オープン当時に2,000円で中古で買った、
10合炊きの炊飯器を、最近まで使い続けていたんですが、
それが壊れちゃって、10合も炊く必要がなくなったんで、
最近リサイクルショップで4,000円の5合炊きを買いました。

もし、「もっと炊かなきゃ」ということがあっても、
自宅の炊飯器を持っていったり、土鍋で炊けばおいしいし。

しかも、炊飯器を変えたことで、
俺の夢が一つ叶ったんですよ!
炊飯器が小さくなった分、
そこにアナログレコードのプレイヤーを
店に置けるようになって。

手があいているときは、アナログのパチパチした音で
ジャズやブルースをかけています。
 
菜央 いいですね!
 
高坂さん このような「小さいことのメリット」を生かしきって、
好きなことを取り入れていく。
それはお金にはならないけど、
お客さんも「アナログレコードいいね!」って喜んでくれるので、
それもまた、店の付加価値を上げていますよね。
 
 

ORGANIC BAR たまにはTSUKIでも眺めましょ
 
菜央 いやぁ、めちゃくちゃ楽しそうじゃないですか。
うらやましいな。

ぼくらは、自然と「上に登っていかないと楽しいことはない」と
無意識に思い込まされていますね。
でも、炊飯器を小さくすることで得られる自由は、
とても大きい。そして、自分の商売と趣味と暮らしが、
一つの場所でできているのがすごい。
やることと伝えることが一つになってる。
 
高坂さん 「伝えたい」というモチベーションもあったし、
俺は押し付けがましい人間だから(笑)
環境とか社会を変えていくことを伝えるには、
和める場って、やっぱり必要じゃないですか。

いま、コミュニティカフェは増え始めているけど、
バーはお酒を飲むから、さらに気楽になれる場所ですよね。
だから、ハチャメチャなこともでてくれば、
人間の弱さも強さも見えてくるんです。

そういう場で議論して行動していくきっかけをつくることが、
俺のやりたいことだったんです。
 
菜央 フランス革命の時は、カフェが議論の場だったらしいけど、
今の日本のカフェは、それぞれが静かに
小説読んでる事が多いですよね。
人と人が孤立してる。

それにくらべたら、酒場は対話的で面白いかも。
 
高坂さん カフェよりバーのほうが、人をだましやすいですよ(笑)
実際にそういうイメージを持ってたんですよ。

このお店を開く5年前に、
1999年に「シアトルの反乱」というのがあったんです。
WTO(世界貿易機関)の閣僚会議が開催されたシアトルで、
大企業にとても有利な貿易協定の締結を目指していることに、
世界中のNPOや市民が気づいて、シアトルに集結して、
閣僚会議を止めてしまった。

その原動力になったのも、
やはりカフェやバーとかだったんですよ。

これだけ混迷した世界で、
「時代を変えるには、強い言葉は必要だ。
ヒーローが必要だ」と思ってしまいがちじゃないですか。
でも、「これからの未来は、一人ひとりが世界のルールを決める、
みんなが小さな主役なんだよ」ということを伝えたかったし、
その拠点にしたかったですね。
 
菜央 実際に、バーつながりで実行した人はいるんですか?
 
高坂さん 俺の店の影響で、飲食店だけでも、
100以上はできたんじゃないかな。
脱サラして小さな生業を起した人や
地方に移住して農的クリエイティブな暮らしを始めた人は
1000人を超えるでしょう。

さらに『ダウンシフターズ』の読者の方々が、
俺の知らないところで生き方を変えているようです。
毎日のように、そういう事後報告が届きますから。

先週だけでも、「会社辞めた」「○○に移住する」
「田んぼ始めたんです」「○○の生業を始めます」と
10人以上が来店くださいました。
 
菜央 すごいですねぇ。
確実に社会が変わりつつありますね。
 
高坂さん ですね。ただ、俺がなにか「施した」ふうに
聞こえるかもしれないけど、そんなことはなくて。
逆に毎日、みなさんから感動をいただいています。
 
 

減速して自由に生きる ダウンシフターズ
 
菜央 ぼく自身も、高坂さんの影響で(笑)
暮らしをダウンシフトしている最中です。
そして、そろそろ古民家を改修するか、
セルフビルドで小さな家を建てたいと思ってて。
 
高坂さん おお!!大きな目標ですね。
 
菜央 家って、人生で一番多くの時間を過ごすし、
一番大きな買い物じゃないですか。

でも、ぼくは、何千万という金額をローンで払い続けたり、
高い家賃を払い続けることに違和感がある。
だから、みんなで助け合いながらセルフビルドで、
土地代込み600万円ぐらいで小さな家を建てたいんです。
断熱をばっちりして、手づくりパッシブソーラーを
入れてみたりして、電気も野菜も1/3自給する家にしたくて。

みんなで建てるというのが、ポイントなんです。
だから、情報はすべてオープンソースにして、
みんなで学び合いながら共有していく。
それで、10人ぐらい作りたい人がいたら、
実際に手伝いあって建てる。建て終わったら、
つぎに準備ができた人の家を建て始めていく。

家を建てるという出費を、みんなで協力し合って、
オープンなものとしていくことで、
違った世界が見えてくると思うんです。
コミュニティビルドですね。

軽トラや耕うん機、チェーンソーなんかも、
みんなで1台でよかったりするしね。
それに、田舎には1000坪もある農家の物件が
いっぱいあるんです。

それを、行政の協力も得ながら、
共同で所有していくのはどうかな、とか。
母屋も手を入れて、地域に開放するコミュニティスペースにして、
土地に小さな家を3〜4軒建てる。
それは、田舎の失われたコミュニティを取り戻すことにも
つながるんじゃないかなと思います。
 
高坂さん その母屋の役割は、家をつくって
田舎へ移住する人たちのステップアップの場所にすると、
さらに素晴らしいと思いますね。

なぜなら、「東京を引き払いたいけど、
過渡期に過ごす家がない」という人も多いですから。
 
菜央 なるほど。それはいい!
 
高坂さん 彼らに母屋を開放してあげれば、
本格的な移住をするまえに、
気楽に田舎暮らしへシフトできると思いますよ。
そして、母屋の維持費を彼らに払ってもらえば、
運営側にもメリットありますよね。

実際に、俺も千葉の海沿いに家を持っていて、
そのような田舎へ移住する人たちの
ステップダウンの場として開放してるんです。

でもね、いま経済的に「勝ち残っている」ひとたちも、
今後どれだけ生活の基盤が安定しているか
わからない時代ですよね。
彼らに、行き詰まりのない世界を提示して
知っててもらうだけでも、心のゆとりが
出来るんじゃないかなと思うんです。
選択肢を増やすことの価値って、絶対に大事ですよ。

あと、さっきの「ミニマムライフコスト」という
暮らしをしていると、必ずシェアになっていくんですよ。
週休を増やしたら、近所のお店の人から、
「あんたの店が休みだから、うちに流れてきてくれたよ」って。
 
菜央 お客さんも、お店同士で共有するんですね。
そういう意識がある人が増えるほど、
世の中も暮らしやすくなりそうですね。

最後に、今後のグリーンズに
高坂さんが期待することを教えてください!
 
高坂さん これからは年寄りが増えて、
若い人が少なくなっていきますよね。
つまり、若い人たちの相対価値が高まっていく。
だから、彼らに大企業寄りになるのでなく、
新しい時代のあり方をおしゃれにクールに伝える役割を
していってほしいなと思います。

ただね、菜央くんもぼくも、
どんどん年をとっていくから。
その「若さ」をどのように維持していくか、
バトンタッチをしていくかは課題になるかもしれません。

俺は、グリーンズが、日本中に旋風を起こす必要はなくて。
グリーンズみたいに、ちょっと一味違う活動が
日本中に増えていけばいいなと思います。

だから、情報だけでなく、仕組みやノウハウを
どんどんアウトプットしていくことにも期待しています。
 
菜央 世代交代と、行動する個人を増やし、
カタチにすること、ですね。
まさに、僕らが考えている
グリーンズの課題そのものです(笑)

また、お店にも飲みにいかせてください。
今日はありがとうございました!
 
 


SCENES

京都出張、リトルトーキョーでフローリング工事、DIY姉妹...
近ごろのグリーンズの風景

selected by Nao, Yosh and Ono

 

2014年2月4日(火) HUBKYOTO出張
HUBKYOTOでのトーク前に、たぶん大学のときぶりに恵文社一乗寺店へ。
大好きなお店に『ソーシャルデザイン』も置いていただいて、とても嬉しいのでした。(YOSH)
 

2014年2月21日(金) リトルトーキョーでフローリング工事
リトルトーキョーの"シティ"がフローリングになってくー!(小野)
 

2014年2月22日(土) DIY姉妹
DIY姉妹。今日はままごとテーブルのペンキ塗り。
汚れてもいい服に着替えてきなさいと言ったら、ビニール袋をかぶってるw(菜央)


 


COMMUNITY

初代グリーンズ副編集長の坪根育美さんに聞く、
「グリーンズにいた頃と、卒業後のこと」

with Ikumi Tsubone / interview by Eri


今のグリーンズでは、のべ100人のライターさんに関わっていただいていますが、
2008年の前半までは、ライターさんがひとりも居ない(!)という時期もありました。
今回はそんな大変な時期を支えていた初代副編集長の坪根育美さんに、
当時のことと今の仕事について、お話を聞きました。(えり)


 

初代副編集長の坪根育美さん
 
えり 今日はありがとうございます。
さっそくですがグリーンズに参加したきっかけから
教えていただけますか?
 
いくさん 仕事で毎年4月に開催されている「アースデー」の取材をしたとき、
地球の日の歩き方」というフリーペーパーをもらって
内容が素晴らしくて、カルチャーショックを受けたんです。

制作しているのがグリーンズだと知って
サイトをチェックしていたんだけど、
いつ見てもページが更新されないことに不安を感じて(笑)

環境のことや未来のことを
今までにない切り口で伝えてくれたメディアだったので
「なくなってほしくない!」と思ったんです。
 
えり 当時はまだ菜央さんと広美さんしかいないときですよね。
 
いくさん そう、人手が足りていなかったんだよね。
その後、タイミングよく編集スタッフ募集を見つけて、
今の自分のスキルで力になれると感じたので
応募することにしました。

実際に菜央さんに会って、
これからのグリーンズにワクワクしたし、
思いに共感したので、転職を決めました。
 
えり 務めてみて、最初はどんな印象でしたか?
 
いくさん 前職の編集部はビルのワンフロアだったのに
当時のグリーンズはマンションの一室をお借りしていて、
正直「ここで?!」みたいな。(笑)
でも、人との距離が近くていいなと思いました。

あと入社して翌日くらいに、
「取材に行くからよろしくね」って部屋に一人で残されて、
私一人にいきなり任せて大丈夫?ってびっくりしました(笑)
 
えり 驚きの連続ですね…。
 
いくさん でも菜央さんの考え方とか、広美さんが見ている未来とか、
話を聞いてそういう未来になったらいいな、という思いは
日に日に大きくなっていきましたね。
 
えり 当時はいくさん一人で記事を書いていたと聞きました。
 
いくさん はい。なんとかグリーンズを回転させたいと思って
毎日記事を書いていたけど、やっぱり大変で。
しばらく経ってライターさんを
採用することになったんです。

ただ原稿料を払う余裕がなかったから
当時ライターは初心者だった方たちにお願いして、
私が校正をして...
最初は文章講座みたいな感じでしたね。
 
えり それはそれで大変そうですね。
 
いくさん 大変でしたよ〜!
でも自分が書くよりも、
私は編集の方が向いているなって気づきました。

私は自分からゼロから何かを生み出すというよりは、
1を2にするようなタイプで。

菜央さんは0を1にする人。
私はグリーンズを育てる人。
それぞれ役割分担できればいいと思ってやっていました。
 
えり もともと編集者になりたいという思いはあったんですか?
 
いくさん ううん、ただウェブに携わりたかったんです。
編集の仕事の前はマクロビのカフェで
料理をつくる仕事をしていました。

ちょうどその頃にブログとかmixiが流行り始めて
直感で「これからはウェブをやろう!」と、
ゲーム会社からドメイン会社まで片っ端から受けて、
環境系のサイトの編集部に入ることになりました。
 
えり エコロジーに興味があったんですね。
 
いくさん それもたまたまです。
料理が好きで、いろいろと調べていたときに
「マクロビ」という言葉と出会いました。

おばあちゃん子だったから、昔からひじきとか梅干しとか
そういうのが好きだったんですね。
だから主義ではなくて、自分が好きなものだったんです。
 
えり 主義にはしない、と。
 
いくさん 意識はするけど、枠を決めない。
グリーンズにいた時は「こうした方がいい」と
思い込んでいた部分もたくさんあったけど、
最近は基本的に答えはAかBかっていう二択じゃない、
全て一旦受け入れよう、という考え方になりました。
 
えり グリーンズには3年くらい勤めていたんですよね。
 
いくさん はい。だんだんスタッフが増えていったんですが、
菜央さんとYOSHは外に出ることが多くなって。
メールベースでのやりとりだと足りなくて、
直接コミュニケーションすることの大切さを感じました。

私、「無駄」が好きなんだよね。
無駄な部分も、いい部分があると思うんです。
 
えり 一見無駄のようなことでも、実は大事ってこと、
ありますよね。
 
いくさん お互い信頼し合える関係になるには
一緒にごはん食べるとか、顔を合わせて話すことが必要で、
結局いい仕事をすることも、いい職場にすることも
「人」が大切だと思うんだよね。

今の職場は友人に紹介してもらったのですが、
最初に「どういうところで働きたいの?」って
聞かれたとき何も考えてなくて。

導き出した答えが
「自分が一緒に働きたいと思える人がいるところ」ということ。
仕事の内容よりもそれが一番大事にしたかったことなんです。
その上で、そのとき必要だと思ったことをやろう、と。

今もグリーンズにいた時と同じで、
「これやりたいんだよね」って言われたアイデアを
形にする手伝いをしています。
 
えり いくさん自身は、やりたいことはないんですか?
 
いくさん 誰かの夢はすごい応援するしアイデアも出すけど、
私自身はそういうのが今はなくて。
だから夢がある人は羨ましいし、
その気持ちを尊重したいし、応援したい。

もったいないって言われることもあるけど、
何もなくてもいいのかなって。
穏やかに暮らしていきたいです。

人に誇れる才能があるとしたら、
私は人と出会う才能には恵まれていて。
いい人にしか出会わないから、
そこを信じて行けばなんとかなるかなって思ってます(笑)
 
えり 確かにご縁に導かれているのが伝わります。
最後に、いくさんにとってグリーンズとは、何でしょう?
 
いくさん 星かな。
時には道しるべになってくれるし、
夜空を見上げて輝いていてくれたら安心する。
グリーンズにはいつまでもそんな存在で
あってほしいと思っています。
 
えり 素敵なメッセージをいただけて嬉しいです。
今日はありがとうございました!
 
 


Q&A

編集長YOSHに質問です。
「人に何かを伝えるとき、心がけていることは?」

with Ayuko Kurata


メルマガの〆は、greenz people と一緒につくるフリートークの質問コーナーです。
ご質問・ご意見などは people@greenz.jp までお気軽にお寄せ下さい!

 

今回は、会員の倉田あゆ子さんが質問します

Q. 人に何かを伝えるとき、心がけていることはありますか?

環境のことや社会のことって、失敗すると重たくなりがちなこともあるのに、グリーンズでは人の心の敷居(?)みたいなものを、ゆるやかに飛び越えて上手に伝えてくれるなぁ、という印象があります。それはすごく相手のことを考えて試行錯誤しているからなのかな、と思いました。伝えるって、難しくてでも楽しいことだなと思う最近なので、この質問にしてみました。(倉田)

▼ ▼ ▼


編集長のYOSHが答えます

A.「"相手"とは誰か?」をいつも考えています。

ご質問ありがとうございます!「心の敷居をゆるやかに飛び越える」という印象をお持ちと聞いて、とても嬉しいですし、どこかほっとしました。

グリーンズがスタートして8年目ですが、おっしゃるとおり本当に試行錯誤の連続です。その中でも特に大切なことは、「相手のことを考える」といったときの「"相手"とは誰か?」ということかもしれません。

ここ数年は"ソーシャルデザイン"をキーワードに、「自分のプロジェクトをはじめてみよう!」という心のスイッチをONにすることを軸としてきました。だからこそ環境のことや社会のことなど、重たいけれど知らなくてはいけないことに触れつつも、それを解決するアプローチを学べるような構成にしたり、記事の最後に「あなたが主役です」という気持ちを込めてネクストアクションを提示したり、様々な編集上の工夫をしています。

それはただ単にセクシーに見せかけることであったり、過度に誇張するようなことではなく、そのアイデアが持つ本質的な価値に注目して、ありのままの魅力を飾らない言葉で綴るということ。結局のところ、やはり記事としてご登場する方々がみな、心の敷居をゆるやかに飛び越える、素敵な方々だと思うのです。編集長としての僕の仕事は、それを一番に堪能できる最初の読者なんだ、最近そんな気もしています。

とはいっても、金融危機や東日本大震災など大きな出来事とともに、社会の様子も変わっていきますし、グリーンズで取材させていただいたみなさまの活躍の場も、どんどん広がっているのを感じています。いろんな影響を受けながら、グリーンズを続けている僕たち自身にもたくさんの内面の変化が訪れています。

そんなさまざまに絡まった"時代の気分"の1.5歩先に合わせて、"自分たちの気持ち"をどう記事としてチューニングしていくのか。もう毎日がトライ&エラーですし、絶えず自分自身を磨いていく必要がありますが、小さな成功体験と大きな糧に恵まれているこの貴重な日々を楽しみながら、今後は200名を超えるpeopleのみなさんと、一緒に成長していけたらと思っています。

というわけで今後ともどうぞ、よろしくおねがいします◎

 



最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
次回の発行日は<3月31日(月)>の予定です。

メールマガジン編集長:YOSH(グリーンズ編集長)
編集:木村絵里(グリーンズ編集部)、鈴木康太(グリーンズ編集部)
発行:NPO法人グリーンズ
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