コウタ |
今日はよろしくおねがいします!
二人ともgreenz.jpに関わりはじめたのが2013年ですね。
宮本くんは僕とライターインターンで同期でした。
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宮本さん |
そうですね。 最近はあまりクイック記事は書けていないのですが、
何か役に立つヒントを話せれば。
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松本さん |
同じく僕もここ数ヶ月は
クイック記事を書いていませんが、
今まで学んできたことをシェアできればと思います。
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コウタ |
そもそも、クイック記事について補足をすると、
海外メディアの記事を情報ソースにした短い記事のことです。
今のgreenz.jpには日本の事例の紹介や
長めのインタビューが増えていますが、
海外の事例も発想のもととなるので、
同じくらい重要だと思っています。
ただ、直接取材するのはハードルも高い。
そこで"クイック"に、1500字程度で、
まずは紹介してしまおうとというのがクイック記事です。
参考までに、基本的な構造はこんな感じ。
起:導入。あるある話などで、読者とアイデアをつなげる。
承:プロジェクトの詳細を伝える。
転:立ち上げた人の思いや本質的な価値を伝える。
結:締め。読者の具体的なネクストアクションを促す。
さて、長くなりましたが、今日ふたりには、
このクイック記事を書くときに心がけていることを、
それぞれキーワードにして持ってきてもらいました。
まず、宮本くんは…?
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宮本さん |
はい。僕は「Quote and Photo」です。
最初は英文の記事を読むことから始まりますが、
そのときに基本的な情報を抑えるのはもちろん、
「人の言葉」と「写真」をぼくは探すようにしています。
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コウタ |
それは、なぜでしょう?
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宮本さん |
まず、引用については、
「なぜ始めようと思ったのか?」
「どういう社会をつくろうとしているのか?」といった想いは、
彼ら自身の言葉で紹介するほうが
より伝わると思うからです。
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コウタ |
ライターが書く本文ではなく、本人の言葉で。
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宮本さん |
はい、一番大事なポイントは、
彼ら自身の言葉で伝えたい。
もちろんすべての発言を使えばいいというわけではなく、
ポイントが伝わるように長い発言の一部を使ったり、
複数の発言を整えたりすることもあります。
それは、インタビュー記事と同じ「編集」だと思いますね。
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松本さん |
同じく僕もプロジェクトの精神の大事な部分は、
その創始者自身の言葉に集約させる形で紹介しています。
結局、最終的に読者の心に残るのは、
彼ら自身の言葉だと思うんです。
例えば、以前カリフォルニアのファーマーズ・マーケット
「SHED」の記事を書いたときには、
印象的なフレーズ言葉を記事の最後において、
発言の引用の直後に締める構成でまとめました。
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コウタ |
本人の言葉には、力があるということですね。
宮本くんのキーワードには、もうひとつ、
Photoとありますが、こちらは?
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宮本さん |
写真は、現場の様子を伝えるためにも、
なるべくたくさん探すようにしています。
プロジェクトが動画を発信しているときは、
そのスクリーンショットを使うこともありますね。
QuoteとPhotoの2つが抑えられていると、
記事がよりイキイキしたものになると思っています。
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コウタ |
そうですね。さらに写真をどこにいれるのか、
適切な位置を探すのも大事ですね。
松本くんのキーワードは?
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松本さん |
「Starting with Why」としてみました。
記事の一番の焦点をWhatやHowでなく
Whyに置くということです。
クイック記事で紹介するものって、
一見目につきやすいものが多いと思うんです。
でも、背景にどのような社会の事情や思いがあるのかを
掘り下げないと、読み物として薄いなと感じます。
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コウタ |
そうですね。
そこがいわゆるバイラルメディアとの違いでもありますし。
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松本さん |
僕は記事を書く前に、いつも要素整理をするんです。
特に、グリーンズでも大事にしている
「驚きや発見」「強い思い」「インパクト」の3つを、
原文の記事を読みながら探していきます。
同時に、自分がその記事を読んで抱いた素直な直感を、
具体と抽象の両面で突きつめて整理して、
驚き・共感・解決を結びつけていくんです。
例えば、「僕が感じた驚きは、どのような仕組みによって
引き出されたのか」など。
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コウタ |
では、ここから参加してくれているライターさんから
質問をいただきたいと思います。
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(参加者A) |
クイック記事の読者層について、
みなさんはどのように考えていますか?
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宮本さん |
他のウェブマガジンにはないような、
想いの詰まった長めのインタビュー記事が
グリーンズの魅力だと思います。
それと同時に、もう少しサクッと読めて
世界中のグッドアイデアを知ることのできる記事を
求めている読者もいるのかなと。
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松本さん |
SNSなどを通じたソーシャルメディアでの
浸透の仕方によっては、自分が想定していたのとは
違った読者に届くことも十分あり得ます。
例えば、乳がんで乳房を失った
女性のための水着をデザインする「monokini 2.0」という
フィンランド発のプロジェクトを紹介した記事は、
フィンランド大使館のTwitterアカウントを通じて
大きくシェア数が伸びました。
女性のアイデンティティというテーマに
関心を持つ人はもちろん、シンプルに北欧のデザインに
興味を持っている人にも多く読まれたようです。
どんな読者にも「自分ごと」化してもらえるよう、
間口の広い導入を記事のはじめに
きちんと用意しておくことの大切さを改めて感じました。
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コウタ |
いい意味で軽く読めることは大事ですね。
ちなみに僕が考えているのは、
海外からいろいろと学びたい方々にとって、
「グリーンズで検索すれば見つかるね!」
と言ってもらうことだったりします。
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(参加者B) |
みなさんはどのようにネタ探しをしていますか?
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松本さん |
ぼくは気になるウェブサイトのメルマガを登録していて、
そこから更新記事を追っています。
それぞれ編集部が厳選した記事を送ってくれるので、
打率も高いかもしれません。
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宮本さん |
ぼくは「Feedly」という
RSSリーダーに気になるウェブマガジンを登録して、
毎日チェックするようにしています。
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コウタ |
同じく。「Feedly」をみて、
タイトルと一枚目の画像でワクワクしたら、
一次選考クリア。
その後に本文を読んで、共感するものがあったら
記事にするようにしていますね。
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宮本さん |
以前、編集長のYOSHさんが
「ネタ探しは筋トレだ」と話していて、
僕もその通りだなと思うんです。
ネタ探しを習慣づけていくことで、
おもしろいネタをたくさん見つけることが
できると思います。
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コウタ |
宮本くん、松本くん、
今日はありがとうございました。
ぜひふたりの経験を参考にしながら、
さらにクイック記事を強化していきたいと思います!
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