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ユーモア・スキル養成オンライン講座 (Vol.05)

Issue 20

10月25日(木)8:15 ~【NHK・あさイチ】特集「笑いのチカラ!コラボ大喜利SP」で、日本即興コメディ協会のワークショップの様子が放映される予定です。ぜひご覧ください!
こんにちは。日本即興コメディ協会代表の矢島ノブ雄です。

 「ユーモア・スキル養成オンライン講座」として、無料でご登録会員様に「職場で使える笑いの技術」をテーマに、ユーモア・スキルをご紹介しています。文章でのユーモア・スキル養成講座をぜひお楽しみください。

   

「司会術」(基礎編)司会の役割から学ぶコミュニケーション術


今回は、司会術(基礎編)についてです。まずは、コミュニケーションにおける司会の役割を理解しましょう。
お笑いの舞台またはテレビのバラエティ番組において、司会が果たす役割は、大まかですが9つあります。それらを細かく見ていくと、ビジネスシーンでも活用できそうなコミュニケーション術が隠れています。


【1】集団のコミュニケーションを中継する

  お笑いライブやバラエティ番組では、話が上手な人とそうでない人、インテリキャラ、おバカキャラ、金持ちキャラ、貧乏キャラ、異色の経歴を持った人など、実に多様で個性的な出演者が集まります。そのような中、司会は会話のイニシアチブを握って、司会に集団のコミュニケーションを中継させるよう、出演者に意識づけさせることが大切です。ただし、司会は場をコントロール(支配)するのではなく、ファシリテート(合意形成と相互理解に基づいて協働を促進する)する役割があることを理解してください。

【2】トピックを探して全体に広げる


  司会は常にトピック(主要となる話題)を用意しなくてはいけません。冒頭出てきてすぐ、「何の話をしましょうか?」というワケにはいきませんからね。世間で騒がれているニュースでも、自分に降りかかった事件でも何でもいいので、「これは話そう」というものを用意しておきましょう。また、集団でトークをしながら、ある人が話した内容が盛り上がった時は、それをトピックとし、全体に広げることが必要になります。例えば、誰かが街で見かけた変な人の話をして爆笑が起きたら、それ以外の出演者に「みんなも最近変な人と出くわしたことある?」とパスを出してもいいでしょう。

【3】集団にトークの参加機会を振り分ける

  話したいことが多すぎて暴走気味になっている人には、司会がそれを止めるよう介入する権限があります。逆に集団の会話に消極的な人には、「○○さんはどう思いますか?」など、会話のチャンスを与えることも必要になります。

【4】脱線した会話を本線に修正する
 
 お笑いの場合、集団での会話は「団体芸」のような一面があり、トピックとは別の会話が展開して盛り上がりやすいものの、脱線したきり戻れなくなることもしばしばです。その際は司会が介入し、本線(脱線する前のトピック)に修正します。ただし、脱線した会話が本線に代わる(または本線を上回る)ほど面白くなると感じた場合は、あえて脱線を許すことも必要です。

【5】タイムキープする

 司会は進行台本に基づくタイムテーブルを理解し、個々のプログラムの状況によっては、時間を長めにとったり、早めに切り上げたりする必要があります。また当初用意された進行台本に捉われることなく、そのつど現場にいるディレクターと打ち合わせをし、最終的な時間やペース配分などを決めます。これはビジネスシーンにおいても重要なスキルで、用意した資料に捉われず、状況に応じてプレゼンする内容を変える柔軟性に繋がっています。

【6】場の空気を切り替える(転換する)

 司会が仕切りの合間に言う「はい、ということで…」「えー、それでは…」というセリフには、場の空気を切り替えるという重要な意味があります。そのセリフを口にしたとき、集団には別のトピックに切り替わる、あるいは、次のプログラムに進む、ということが周知されます。このように全体を締め、進行を促すような役割を持つ短い言葉は、覚えておいて損はないと思います。ぜひ社内ミーティング等でご活用ください。

【7】全体の空気を掴んでフィードバックする

 司会は出演者の言葉に対し、自分はどう理解したかを説明する必要があります。これは明石家さんまさんがよく用いる手法ですが、例えば、「最近○○ってゲームを買ったんです」と出演者の1人が言ったとき、「そうですか」と返すよりも、「あー、ゲームが好きなんだ!」や「流行ってるから買ったの?」など、会話が繋がるパスを出します。単純なフィードバックのようで、聴き手からすれば「なぜそのゲームを買ったのかを知りたい」という要望に応えるような形になっているのが分かります。このように、観客(聞き手)の視点に立って、相手の発言に対して素早いフィードバックをすることが重要なのです。

【8】意見が分かれた際は双方の肩を持つ

 出演者の間で議論が巻き起こった際、必ずしも中立である必要はありませんが、司会として自分が「(どちらかというと)どれを支持するか」という立場を明らかにした上で、双方の言い分を受け入れることが大切です。また、話を聞く中で疑問に思ったことは、素直に意見や質問を行い、観客を議論に引きつけるように努力します。

【9】司会が自分のエピソードを話すときは手短に

 司会は役割上、どうしても話す内容が多くなりがちになり、意識しないと、他の出演者を抑えて自分ばかりが話してしまいます。名司会と呼ばれるお笑いタレントは、自分の面白いエピソードをコンパクトに話すのが上手です。もしあなたが会議のファシリテーターで、相手の話を聞いて、「自分もこんなエピソード(アイデア)が話せそうだな」と思ったときは、30秒程度で簡単に話すように心がけてみてください。

 

次回は、司会術(応用編)をお送りします。

当オンライン講座に関する疑問、質問、ご要望など、気軽にこちらからお問い合わせください。出来る限り丁寧にご回答します。

矢島 伸男
日本即興コメディ協会 代表
お笑いコンビ「オシエルズ」

11月22日(木)【参加企業募集中】実力派学生芸人さんが大集合!お笑い就活イベント「Spott」を開催!
     

日本即興コメディ協会について

企業・学校・一般向け講演・ワークショップの提供、アプライド・インプロ・ファシリテーター育成、お笑い芸人に対する即興コメディの普及啓蒙などを実施しています。「アプライド・インプロ(即興の応用教育手法)」を使ったワークショップを提供することで、変化を受け入れ、発展し続ける人や組織づくりに貢献します。

     

近日開催されるイベント


とっさのひと言と行動に強くなるための【即興コメディワークショップ】 ~ 機転と切り返すチカラをゲームから学ぶ 〜

2018年10月24日(水)20:00-22:00
@ 六本木 妙善寺
初回: 3,000円, リピ割: 2,000円
ユーモア・スキル養成講座~参加者を最高のオーディエンスへ変える司会・ファシリテーション術~(第5回/全8回)

2018年11月1日(木)19:30-21:30
@錦糸町 シルクロードカフェ
初回: 4,000円, リピ割:3,500円
ユーモア・スキル養成講座(39)【すべらない話】「話し始めてからドツボにハマらないためのタイムキープ術

2018年11月14日(水)20:00-21:30
@六本木 妙善寺
初回: 3,000円, リピ割:2,000円

おまけ: 【即興コメディって何に使えるの?】


一般の人がインプロを続ける意味とは

※ インプロ(Improv, Improvisation):即興コメディ、即興演劇、それを使った教育手法
 
 初めてインプロのワークショップを受講したときに何に驚いたかと言えば、受講後に苦手だった初対面の人との交流が難なくできたことです。これは今思えば心理的安全性が高度に確保された状態を1時間ほどで作ったということなのだと理解しています。当時はまだ心理的安全性という言葉すら知らない状態でしたが、今であればこの言葉がしっくりきます。

 それから7年、100回近いワークショップをサポートしてきたおかげで、様々な学びや気付きがありました。インプロのショーにでも出ない限り、一般の人でこれだけワークショップを受けることは難しいと思います。しかし、続けることの意味もあり、どのような変化があったかをお伝えすることは意味があると思います。

 【 一般人(ビジネスパーソン)がインプロを続けたら 】
  • 新生児から小学校低学年までの子育てが楽になった(乗っかって、一緒に会話や遊びを楽しむ)
  • 妻との会話を傾聴できるようになった(聞いてるつもりだが伝わっていないがなくなった)
  • コミュニケーションがどうあるべきかの柱(指針)ができた
  • 商談時のヒアリング能力が向上した
  • プレゼン時にお客様と関われるようになった
  • 創造的思考ができる状態か否かを理解し、ある程度コントロールできるようになった
  • 未来や過去ではなく、今に集中できるようになった
  • 苦手だったビジネス交流会がそれほど苦でもなくなった、などなど

細かいものを入れれば、もっとありますがここでは割愛します。インプロや笑いについて継続的に学ぶことは、全てのビジネスパーソン、そして子育て世代にとって多くの示唆や学び、そしてより良い人生に大いに寄与するものだと言えます。
 
ぜひ、当協会のワークショップで多くの学びを体験していただければと思います。
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このニュースレターは、日本即興コメディ協会の会員、イベント/ワークショップ等に参加申し込みいただいた方、役員と名刺交換いただいた方に月1回程度のお便りとしてお役立ち情報をご送付しております。
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