今回は、マーケティング活動に一貫性を持たせるターゲット設定についてお話しします。
マーケティングやブランディングの戦略において、ターゲットを絞ることは非常に重要です。例えば、 「万人に受けるシャンプー」として商品を売ろうとしても、それは誰にとっても「まあ、いい」商品となり、結局消費者から一番に選び取ってもらえるものではなくなってしまいます。ターゲットをきちんと選定して施策を取り、そのセグメントで圧倒的な支持を得られれば、結果的により多くの消費者に選ばれる商品になるのです。
では、そのターゲットはどのようにして決めていくべきでしょうか。 ブランドの哲学や、競合の存在などがキーとなりますが、まず初めに決めるべきは 戦略ターゲット(ST)です。これはブランドのターゲットであり、基本的に不変です。また、性年代を入れる必要はなく、広めに取って多くのシェアを獲得することを目指すと良いでしょう。
STをメインターゲットにしたときに、 一連のキャンペーンのコアになるターゲットのことをプライムプロスペクト(PP)といいます。PPにウケる商品やコンセプト、チラシや広告を作ることによって、効率的で一貫性を帯びたマーケティング活動が可能となります。
さらにPPの中でも、特に「この人に向けて商品やコミュニケーションを考えるんだ!」というペルソナが、 デザインターゲット(DT)です。CM作成など、クリエイターにとっては具体的で重要なターゲット像となります。そのほかにも、 PoME(Point of Marketing Entryの略。最初に使ったブランドには愛着が出やすい)や、 インフルエンサーの存在も無視できません。
そして、 マーケティングの一貫性を保つために最も注意しなければならないのが、非傾聴ターゲットの存在です。典型的な例としては、ヘアケア商品において髪質・香りにこだわりがない男性ユーザーが挙げられます。彼らはブランドのユーザー(ヘビーユーザーであることも多い)ですが、戦略ターゲットからは大きく異なるセグメントに属するため、この層の人たちの話を聞いてブランドを左右するべきではありません。
これらの様々なターゲットを全て考慮すること、そして調査や広告の目的に応じて適切なターゲットを選定することが、一貫性のあるマーケティング活動を維持するためには不可欠です。
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