今回は、ブランドを社内に一貫して伝える2つのコツについてお話しします。
ブランド作りにおいて、ブランドの一貫性は非常に重要です。 ブランドのあるべき姿(約束)と消費者が実際に認識しているブランド像を近づけていくことが ブランディングの目的となるので、ブランドに一貫性がないと、消費者の認識を理想のブランド像からむしろ離れた方向へ向かわせてしまうような的外れな施策を実行してしまう可能性があります。そのため、電通のハニカムモデル、Brand Key、エクイティピラミッドなどを用いて、ブランドのあるべき姿を社内に正確に伝える努力が必要です。では、具体的にどのように伝えれば良いのでしょうか。
1つは、 とにかくブランドを言語化することです。よくテレビや漫画で、ある人の無神経な態度に対して「言わなくてもわかるでしょ!」と怒るシーンがありますが、人の想像力には限界がありますし、ましてや意図を正確に伝えようとするならきちんとした言語化が必要です。言葉にすることによって具体的なイメージが沸き、社内で伝達することもスムーズになります。
そして2つ目が、 言語化されたブランドの定義の解釈の余地を極力減らすということです。ブランドを言語化したとしても、「かわいい」「おもしろい」といった多義的な言葉では、皆が同じように解釈することは稀ですよね。さらに、個別具体的に言語化できたとしても、例えば「自然を感じられる空間のカフェチェーン」というような場合、ある人はオーガニックな食材を用い、花の香りや緑に囲まれBGMもリラックスできるような雰囲気を想像し、方やアフリカの大自然をイメージし、食材はジビエ、BGMはライオンキングを流そうとするなど、言葉の解釈の余地が大きいためにブランドの一貫性が保てないということも起こり得ます。 解釈の余地が全くないのも問題ですが、必要以上に柔軟性のある言語化は謹むべきでしょう。
ブランドが消費者の頭の中で作られるのであれば、まずは社員の頭の中で一貫したイメージを作り上げることに成功しなければ、先が見えてきません。そのためには上記のような言語化以外でも、ブランドを五感を使って理解できるようなコンテンツを作成して社内で共有するというのも有効かもしれませんね。
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