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NPO法人パノラマ

眺望通信 vol.11(2022年8月29日号)

目次

   

1. 朝BORDER、始まりました!
2. てんご de たまりば– 青葉区寄り添い型生活支援事業.5 (てんご)

3. 北プラ日和@よこはま北部ユースプラザ- 居場所の深化

4. 編集後記

1. 「朝BORDER」始まりました!

初めまして、パノラマに新たに入職した鈴木理恵と申します。今月で退職する原田朋子さんの後任で、無料職業紹介バイターン事業の担当です。どうぞよろしくお願いします。

さて、大和東高校で行っている放課後校内カフェ「BORDER CAFE」で、7/15(金)より朝カフェが始まりました。9時始業、しかもこの日は大雨だったにも関わらず、スタート直後の7:30から生徒がチラホラ。カフェ終了の8:50までに約40名が立ち寄ってくれました。朝カフェをきっかけに朝食を取ることができるだけでなく、遅刻防止や登校につながることも効果のひとつなのだと実感しました。


(お皿に残されたメッセージにスタッフ一同感動しちゃいました)

初日のメニューはホットドッグ、食パン、ソーセージ、ゆで卵、カップスープ、麦茶等の飲み物など。パン用にジャムも数種類用意しました。翌週はゆで卵の代わりにヨーグルトを用意し、各自がバイキングのように食べたいものを選びながら取っていくスタイルに「ホテルの朝ごはんみたい!」とテンションの上がる生徒や、パンを焼く香りに「家では焼いてもらえないから嬉しい。」という声も聞こえてきました。



中には放課後BORDERを知らない生徒も。「午後もやっているからおいで。」とスタッフが伝えると、放課後も顔を見せてくれました。朝から生徒たちの笑顔を見られて、こちらが元気をもらえる朝カフェ。生徒たちの1日のスタートが温かいものになるよう2学期以降も工夫していきたいです。(鈴木理恵)
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2. てんご de たまりば – 青葉区寄り添い型生活支援事業.5 (てんご)

北プラスタッフの角です。まさかの連続担当です。今回の眺望通信ですが、夏休み企画の一環で川崎市にあるフリースペースたまりばに小学生4名とスタッフ・ボランティアさんとで遊びに行ってきた話をしたいと思います。パノラマは小学生を対象とした放課後の居場所事業【.5(てんご)】も運営しているのですが、そこの夏休みお出かけプログラムに、「お兄さん」スタッフとして私にも白羽の矢が立ったわけです。実際には「お兄さん」というほど若くない気もするのですが、そういう役回りで同行させていただいたので、その1日を振り返りながら、思ったこと・考えたことをお伝えできたらと思います。
 
個人的な衝撃は、まず集合が9時で9時半からお迎えが始まることです。世間一般では全く普通の時間なのでしょうが、北プラに若者が集まり始めるのは13:00くらいです。朝早くに起きられない若者が多いからです。そんな時間感覚に慣れている身からすると9時から始まるプログラムはそれだけで新鮮です。そして個々のお家にお迎えに行くことも、居場所で来所を待ち受けることに慣れている私としては不思議な感覚です。北プラでは「(ちょっと)公的な場」としてメンバーもスタッフも通っていると私はイメージしているのですが、実際に生活を送っている家の近くまで迎えにいくということは、もっと「私的」なことに近いというか、暮らしの中に関わっていくような実感があり、対象年齢が違うだけではないんだなと思いました。
 
そんなことを考えていると続々と小学生たちが車に乗り込んできます。彼ら彼女らはとても賑やかで、大人の理解を許さない話題転換にアタフタしている間に「たまりば」に着いてしまいました。「たまりば」は子どもが自由に遊ぶことのできる広大な原っぱ(と沼)を有したフリースペースで、手作りの木製ウォータースライダーもありびしょびしょ、泥だらけになって遊ぶことのできるような場所です。スタッフから解き放たれるや否やもう本領発揮というか、子どもは遊ぶことが自然なんだなと思わされるような爆発具合。水をばら撒き、泥はぶちまけ、バケツは振り回し、私のみぞおちを殴り、遊びまわります。北プラではメンバーと一緒に精神世界に旅をしていることが多いので、こういった身体優位な関わりもまた新鮮で、一瞬で距離が近くなって仲良くなっていくことも独特だなと思いました。そんなこんなで「えんくる」というコミュニティスペースで一服してから、同じく車で帰路につきました。帰りの車内で印象的だったのは、非常にどうでもいいことでそこそこな言い合いが勃発していたことです。疲れ切って眠いというのもあると思うのですが、不機嫌さや気に入らないということを恐れず表現する姿は、幼さでありながらも潔さすら感じます。
 
日中の遊んでいる部分も含めてすごく直線的にコミュニケーションを取っている姿が、北プラはもちろん日常でも小学生と関わることのない自分からすると、改めて新鮮でありシンプルに「すごいな」と思うのです。彼ら彼女らのように感情を素直に表現することは私たちには中々出来ないですし、むしろそうすることに怖さすらあります。(それはいい意味では“大人”であるということなのかもしれませんが。)そして北プラの若者たちはより強くその恐れを抱いているように感じています。自尊感情を傷つけられそれが持つことが出来ない環境で生きてきたがゆえに、自分の感情を表に出すことやそもそも自分の思っていることや感じていることを尊重するということ自体が出来ないことが多く見受けられます。てんごのように小学生の時に肯定的に関わる大人に囲まれるような環境は、状況がより厳しくなる前に、何より経験する必要のないしんどさや辛さに晒されず育っていくことの一助になるのではないでしょうか。
 
一方で難しいなと感じたのは、“パノラマが関わるような”子どもたちであるという側面です。つまりなんらかの支援が必要であるとされている家庭及び子どもであるということです。何が難しいのかといえば、ここまで読んでいただいてわかるように、一見すると普通の元気な子どもたちであり、その背後にあるものが何なのかが一目見ただけではわからないのです。もちろん北プラの若者たちの抱えているものも明快ではないですし、“理解している”と簡単に言うことは出来ません。しかし、断片的であっても「どういったことが辛かったのか、今辛いのか」「どのように状況を改善したいのか」ということを持って来所してきたり、その後に言葉にしたり、考えることを促し協力していくことが出来ます。対して小学生の子どもたちは、適当な言葉や思考の枠組み、経験に対する認知・認識を構築している最中であり、何が支援のニーズなのかが本人から滔々と語られるということは中々想像し難いでしょう。そういった中で関係を取り結んでいくこと、必要である支援を適切に提供していくことは、私が日頃いる北プラとは異なる実践の知恵や技術が大事になっていくのだろうと思いました。
 
---このように日頃の活動との様々な違いを感じることのできるプログラムでした。1日のみの同行なので浅くしか関わることが出来ませんでしたが、少しでもみなさまにパノラマの活動の内容が伝わったらと思います。お読みいただきありがとうございました。(角 亮典)

                               
 
3. 北プラ日和@よこはま北部ユースプラザ- 居場所の深化

こんにちは。事務局長見習い谷口です。業務柄、居場所にいることは他のスタッフより相当少ないのですが、この間、私でもわかるくらい重要な変化が居場所に現れました。
若者による2回の「居場所会議」が開催されたことです。

そもそも居場所とは何で、なぜそれが重要なことなのでしょう?北プラの居場所とは、月〜土の開館時に、登録している若者ならばいつ来て、いつ帰って、何をしてもいい“居場所”です。対人関係に躓き、社会にうまく繋がることができない若者たちが、相談員との面談で支援を受けるだけでなく、他の若者と安心・安全を感じられる居場所で出会い、影響されあうことで、彼らの中で小さな変化が積み上がっていく「集団支援」が居場所支援です。居場所にいるスタッフは、そこでの小さなサポートをさりげなくサポートする、いわば触媒のようなものかもしれません。とはいえ、色んなダイナミズムが起こりうるには、場としての成熟度も必要で、それはパノラマが運営を引き継いだ4年前から少しずつ積み上げていったものと言えます。

昨年度の報告書には、2022年度の目標として、こう書かれています。

安心の場所からさらに一歩踏み出して、向き合い甲斐のある関係性として“対話”のできる関係性を作り出していきたい。それは普段、あまり話し合わないような進路や自身の過去、あるいは北プラという場についてなど、利用するもの同士が、ありのままのお互いと出会い、認め合うような関係性を日常の中にコンスタントに作り出すこと。より一歩成熟した関係性に基づく集団活動を作り出していくことだ。

北プラ4年目を迎えた5月のスタッフ会議で、若者たちは受け身の「お客様」ではなく、「若者たちの自治性のある居場所を考えたい」という話が出て、若者たちと居場所会議をやってみよう!となりました。この4年間、北プラを皆で作り上げてきて、若者による居場所会議が成り立つくらい、場としての成熟度が上がってきたのではないかという判断がスタッフにあったからです。
とはいえ、きっかけくらいは、スタッフが作らないといけません。居場所会議をやるよ!と周知して、“箱”だけを作ったものの、来所して話すのは若者たち本人です。さてどうなることやら・・・とスタッフ側は不安でしたが、蓋を開けると、自分達の場として自分達なりに居場所を考え、さらには他の仲間とも話し合って場を作っていきたい、という若者の姿が浮き上がりました。「利用しやすい居場所とは何か」「やってみたいプログラム」「居場所の責任」などのトピックスを話した中でのいくつかの意見です。
  • 身だしなみを考える会をやってみたい。自己肯定感が低かった時期があった。それが収まったのは髪形など、身だしなみをきちんとしだした時期から。見た目のコンプレックスが解消したのと同時に、楽になった。身だしなみについての話や、雑誌を読んでみたりなどして、自信が持てると活動的になるのでは。
  • ディスカッションのようなものは好き。みんなでよくしていく、というようなものが定着してきている。決まった日程で続けられるとよいのでは。こういう場で初めて、スタッフの想いが聞けた。
  • 自分も前回参加していなくて、今回初参加。緊張してあまり話せなかったりもしたが、こういう居場所会議はすごく大切だと思った。「無理だなあ」と思うことも無意識にやってしまうので、居場所会議が今後もあればいい。堅いイメージがあったが、雑談の中でどうしていくかをみんなで考えていて、この場所をよくしていこうという思いが感じられたので、今日は参加してよかった。
若者の中には、勇気を出して発言できたり、できなかったり、もやもやしたりなども個々にあったようです。若者たちの居場所が、北プラ4年目どう変わっていくのか、楽しみです。(谷口真梨子)

                             
(↑モノづくり倶楽部で作った棚。来月には、間の抜けている所に追加の棚板が入り、ボードゲームを収め、外見も整えていく予定です。メンバーさんが図面を引き、みんなでホームセンターに木材を買いに行くことから始め、木材も切って、ネジを取り付けて・・と文字通り一から作り上げた棚です。これも、自治性のある居場所の表象と言えるかもしれません。)
4. 編集後記

パノラマフェスティバル2022、無事に終了しました。そろそろパノラマも認定を取りたいなと考え、認定取得を応援・ご寄付くださった方への「活動報告会」として、初めての大規模ハイブリッドイベントを開催したわけですが、色々至らぬところもあったなと反省もしております。いろんな反省点を踏まえ、今後に活かしてパノラマをバージョンアップさせていきたいです。ご寄付いただいた方には、この大規模活動報告会の動画(コンテンツもりもり!)を公開(9月末まで)しておりますので、よろしければぜひパノラマの認定取得を応援してください!

ちなみに、こちらからご寄付いただけます。8月末でこの寄付ページは一旦終了し、新しい寄付ページを作りますので、ご寄付くださるという方がいらしたら、パノラマまでご連絡ください!(谷口真梨子)

                    
                    
 
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