米国では旅行需要の急回復に対してスタッフの確保が追いつかず、航空会社が大量の欠航を出すなど問題になっていますが、あるホテル運営企業のCEOが給料を上げるのではなく、客にもっとたくさんのチップを払ってもらうことでスタッフを確保したいと発言して物議を醸したようです。

給与を上げたところで他社も対抗してくるから人員不足は解消しない、という謎理論で正当性は感じられませんが、既存スタッフとの格差など色々難しさもあることは想像できます。そうした中で各社は、ギフトを一時的なインセンティブにして雇用しようとしたり、実際にハウスキーパー用のチップを黙って徴収しようとしたりとまさにあの手この手ですが、客商売で顧客目線が大切なように、従業員目線が成否を分けるのではないかと思うところです。

日本の旅行業界でも、こんな条件では応募は集まらないだろうと思うような求人がコロナ前から少なくなかったわけですが、コロナで多くの労働者が業界を離れた今、人手を集められなくてリカバリーの波に乗れず淘汰される、というような事態も起き得るかもしれません。