Understanding Subscriptions
『週刊文春』のサブスク快進撃、その舞台裏に迫る
早いもので2022年も2月に突入しました。今回は明日2月9日(水)に開催するウェビナー「XIMERA’s talk session〜『週刊文春 電子版』の現場に学ぶサブスクリプション戦略〜」の直前号として、『週刊文春 電子版』のこれまでを振り返ります。
『週刊文春 電子版』は2021年3月のサービス開始から間もなく1年を迎え、雑誌『週刊文春』の記事をWebで閲覧できるサブスクリプションサービスとして、同社のデジタルビジネスを牽引する存在へと成長を遂げつつあります。
過去のプレスリリースやインタビューからは、快進撃を支えるビジネス設計と運用体制の強さが垣間見えます。
月額2,200円の価格設定
『週刊文春 電子版』の購読料は月額2,200円と、サービス開始当初から紙面を毎週購入するのとほぼ変わらない価格水準。安売りしない値付けにマネタイズへの気概がうかがえます。
購読者獲得を支えるマーケティング
同誌の加藤編集長は日経クロステックのインタビュー記事で「電車の中吊り広告を2021年8月で止め、その原資を電子版のマーケティングに投下する」と明かしました。その翌月から開始した7日間無料キャンペーンをはじめ、マーケティングを通じた読者獲得を加速しています。
ニーズをふまえた柔軟なプラン投入
当初は月額プランのみを提供していた『週刊文春 電子版』ですが、2021年6月には「年間プラン」、「電子版+雑誌プラン」「法人プラン」を相次いでスタートしました。購読者のニーズをふまえたうえで、柔軟なプラン提供に踏み切っていることがわかります。
彼らのすごさは「文春砲」だけではない:開催前記
「文春さんがうまくいっているのは、スクープがあるからですよね?」
当社のサブスクリプション基盤「Ximera Ae」を導入いただいているご縁もあり、『週刊文春 電子版』がパブリッシャーの方々との話題にのぼることもしばしば。そこで、時たまお聞きするのが先の言葉です。
私はいつも「それだけじゃないんです!」とお伝えしています。
もちろん、「文春砲」と固有名詞になるほどのスクープは、多くの読者の心を動かしていることでしょう。しかし、いかに素晴らしいコンテンツを生み出しても、それだけで有料購読者が集まってくれるわけではありません。この好調はコンテンツを「つくる人」と「届ける人」の両輪あってこそ実現していると思うのです。