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大変恐縮なのですが、ご相談者様からいただいた「何かいいアイディア出しの方法を知りたい」に対する答えは「分かりません」です。
これだと、分からないから聞いてるのに元も子もないない!という声が聞こえてきそうですが、そもそも、アイディアを出すのに必要な刺激というのは個々人で異なるもの。例えば、今回の事例の場合だと、ひたすら日本茶を飲む人にインタビューをすることでアイディアが湧く人もいれば、登山とかスポーツといったお茶に全く関係ないことを通じてインスピレーションを受ける人もいますよね。
つまり、いいアイディアを出すための方法は本人にしか分からないのです。
ですので、いいアイディアを出すためにも、まずは自分自身がどのような時に刺激を受けやすいのか、そのパターンを把握するようにしましょう。
さて、つい先ほど、いいアイディアを出すための方法は本人にしか分からないという話をしたばかりなのですが、実は、いいアイディアを出すための原則と方法について分かりやすく解説し、マーケティングや広告の関係者から長年愛読されている著書があります。ジェームスw.ヤング著の「A Technique for Producing Ideas」を訳した「アイディアの出し方」によると、良いアイディア出すための原則とは、既に存在する要素・事柄の関連性を見つけ出しそれらを組み合わせることだとゆうのです。
確かに、いちご大福はショートケーキなど洋菓子のイメージが強いいちごをあえて小豆と組み合わせることで、今や和菓子の中でも不動の地位を築いているし、昨今だと位置ゲームと街歩きを組み合わせたポケモンGOもこの種の成功例としてよく挙げられていますね。
では、次にこのような組み合わせによるアイディア出しをするための方法についてみてみると、①情報を集める②集めた情報を吟味してく組み合わせる③考えていることを1度忘れ刺激を受ける④アイディアが思いつく⑤アイディアを具体化する過程で色んな人からの批判をもらうの5つのステップを経ることで良いアイディアが生まれるそうです。
なんだかこのままだと、ちゃんとアイディア出しの良い方法があるではないかと思われそうですね。
しかし、繰り返しますが良いアイディア出しの方法は本人にしかわからないのです。
では詳しく解説していきましょう。ステップの①②については文面そのままに解釈してもらって大丈夫なのですが、③のところで、なぜせっかく考えたことを忘れるのかというと、人間というのは、いいアイディアを出さなければとアイディアを探すほどに何も思い浮かばなくなってしまうからです。つまり、いいアイディアというのは無理にひねり出すものではなく、「アイディアを出さなければ」という邪念を一旦排除した状態で、なんらかの刺激を受けたところに
ふと舞い降りてくるといういうのです。ここがステップ④ですね。
そして、ここでいうなんらかの刺激というのは、もちろん前半で説明した本人にしかわからないアイディア出しに必要な刺激なので、結局、ご相談者様にとっていいアイディア出しの方法は本人にしかわからないということになるわけです。
最後に、アイディアがひねり出すものではなく降りてくるものだとするならいいアイディアが出せるか否かは運次第だと思う人がいるかもしれません。しかし、決してそんなことはありません。皆さんは、ヤングさんが示した過程のうちどのステップが1番重要だと思いますか?正解は①と②です。もちろん刺激がきっかけになるので、③のステップも大切ではありますが、結びつく土台があってこそのひらめきであり、この土台を作るのがまさにステップ①②の思考する過程なのです。
つまり、偶々いいことを思いついたとしても、それと結びつけるものがなければ、それは単なる思いつきにすぎず、逆につまらない思いつきでもそれを日頃の思考とうまく関連性を持たせることができればそれは立派なアイディアなのです。いいアイディアを出すというのは、確かに容易なことではないですし、アイディア出しの刺激も個々人によりバラバラです。しかし言い換えれば、日頃の自分たちの商品について十分に思考をめぐらせていれば、きっかけさえあればいいアイディアにつながるはず。いいアイディというのは偶然生まれるのではなく、生まれるべくして生まれているということを心得ましょう
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