【編集後記】
用があり、先日1週間ほどニューヨークに滞在していました。(飛行機出発72時間以内のコロナ陰性結果を持参し、3日間 quarantine をして4日目にコロナ検査をし、陰性であれば自由に行動ができました。4月1日からはアメリカ国内からのニューヨーク州への移動は自由になるようです。)
マンハッタンに30 年以上住んでいてアメリカ社会に溶け込み活躍している友人が「今のニューヨークは本当に危ないから気をつけて。コロナで生活が苦しくなってみんな怒っている。アジア人がその怒りのはけ口にされている」と悲しい顔でいいました。彼女は、地下鉄に乗らないようにしていました。久しぶりのマンハッタン滞在で感じたことは、「メンタルヘルスに問題のある人々が街に増えている」ということでした。正しい判断のできない人々がアウトオブコントロールな行動に出ている。そのうちのひとつがアジア人に対する攻撃になっていると思いました。
わたしの娘はハーレムでソーシャルワーカーとして働いています。サポートを必要としているさまざまな問題を抱えている貧困層のクライアントが「アジア人が憎い」と発言するのを頻繁に耳にするそうです。そのたびに「わたしもアジア人ですよ。母は日本人です。わたしたちは何も悪いことをしていません。憎まないでください」と笑顔でさらりと対応していると言ってくれました。「新しいソーシャルワーカーは親切でよくやってくれる」と娘は人気があるらしく、そんな彼女が自分たちが憎いと思っていたアジア人!というのは衝撃的で、みなとってもびっくりするそうです。しかし一瞬のびっくりのあとは、相手も何もなかったかのようにふるまうとのこと。彼らの心の中ではどんな思いがあるのでしょう。「アジア人も英語をしゃべるのか?」「アジア人もでかいのか?」・・
メンタルヘルスはアメリカが抱える大きな’問題であり、医療・福祉などの制度の改革が必要だと思います。わたしたちのできることは、正しい知識をもって、お互いを分かり合える関係を草の根で築く努力をすることだなと感じています。(文責:いじりめぐみ)
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