Copy

中国都市総合発展指標

ニュースレター #06
March 25, 2021

 このたび、ニュースレターの配信をはじめました。東京経済大学の周牧之教授とお付き合いのある皆様、また関連のシンポジウムやセミナーなどイベントにご参加いただいた皆様を中心に、〈中国都市総合発展指標〉に関連する最新の研究成果や議論をお届けいたします。随時の配信となります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【レポート】黄砂襲来に草地を論ず


周 牧之 東京経済大学教授

 2021年3月14日から15日にかけて、中国北部はここ10年来最大級となる砂嵐の襲撃を受けた。

 15日、北京は砂嵐で街全体が黄色く染まった。PM10が2,153 µg/m³にまで上昇した深刻な大気汚染に、世論は沸騰した。

 今回の激しい砂嵐の影響は、新疆、内モンゴル、甘粛、寧夏、陝西、山西、河北、天津、遼寧、吉林、黒竜江の13省・直轄市・自治区におよび、1億2,000万人に被害が及んだ。

 なぜこのような大規模な砂嵐が発生したのか?気象当局は、モンゴル及び中国西北地域の気温が際立って高まり、降水量が減少し、且つ6〜8級の強風が吹き荒れる気候条件が重なって砂嵐が巨大なエネルギーを得たことに因ると見ている。もっとも、この度の強烈な砂嵐発生のもう一つ深刻な環境要因は、草地の劣化すなわち砂漠化にあることも無視できない…

続きを読む 〉


【トップ都市分析】重慶:最も若い直轄市


 中国西南部、四川盆地の南東部にある重慶市は、この地域における中心都市であり、中国の最も若い「直轄市」である。世界に重慶の名を馳せたのは第二次大戦時に「戦時首都」であったことによる。1949年の新中国成立後、西南地域要衝として中央直轄市だった。1954年に四川省に編入。1997年に、再び四川省から分離し、直轄市に昇格した。「直轄市」とは、中国の行政区分における第一級行政区画(省級行政区)に属し、市単体で省と同格の機能を有する。現在、中国には重慶市の他に、北京市、上海市、天津市が直轄市として認定され、他の都市よりも強い行政権限をもつ。重慶には日本の総領事館も置かれている…

続きを読む 〉

【刊行によせて】都市のハイクオリティ発展を促す指標システム

楊偉民 中国共産党中央財経領導小組弁公室元副主任


 中国国家発展改革委員会発展戦略和計画司と雲河都市研究院の研究成果である〈中国都市総合発展指標〉は、これまで私が目にした中国都市発展状況を測るものの中で、最も時代性、国際性、実用性に富んだ総合評価である。同指標は、中国都市の健康状況を見極める総合的な「健診報告」と言ってもいいだろう。そこから各都市は自分のどの指標が健全で、どこが劣っているかあるいは不健全であるかが見て取れる。各都市はこれによって健康を保持し、都市病を予防し、病症をいち早く治すことができる…

続きを読む 〉