<<Name>>さん、こんばんは。こんにちは。おはようございます。
awaiの佐藤草(さとうそう)です
5月もちょうど折り返し。いかがお過ごしでしょうか?
現在滞在しているトルコは今日いっぱいでラマダンとロックダウンが終わります。
4月末から静かだった街はすでに少しずつ賑やかになってきています。
*そんな中私は相変わらずおうちでのんびり。テラスでもりもりサラダを食べています。
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先日、夜に映画を見た後にパートナーが突然「あなたは僕の話をもっと聞いてくれてもいいんじゃないか」と言い出しました。
ガーン!!!
確かに彼が何の話をしているか(英語も話の文脈も)よく分からなくて、半分聞いていないこともあるけれど…
時間がないときもまずは聞いているつもりなんだけどなあ…
「興味がない話でも、もう少し聞いてほしい」
「正直何の話をしているのか分からないこともあるけど、それでも30秒は黙って聞いてから質問をしたり、口を開いていると思う」
「それはそれで(待つ時間が)長すぎる」
と水掛け論が続きます。
「あなたの中に僕の話を聞くスペースがないんだ」
「それは私が他に何かしようとしていることがあるときで、時間がないだけだよ」
結局その日は話が平行線に終わってしまいました。
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私たちの脳の持つバイアスの一つに「根本的な帰属の誤り(Foundamental Attribution Error)」というものがあります。
脳は、他人の行動や言動を、その人の性格に由来すると捉える傾向があります。(中略)
たとえば、誰かが不可抗力で花瓶を落として割ってしまった場合でも、「不注意な人だな脳は」と考える傾向があります。
ところが不思議なことに、自分は花瓶を割ってしまった場合は「私は不注意だ」とは考えず「机の端にあったから」と責任を転嫁します。
つまり、他人の発言や行動は当人の内的要因に帰属させる一方で、自分については外的要因に帰属させる傾向があるのです。
池谷 裕二著『自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80』より
インテグラル理論では、内と外、個と集合という軸を使って四象限で世界を捉える視点を提案していますが、この四象限の視点を使うと、一つの出来事に対して私たちが違う視点で話をしているということがよく分かります。
「あなたの中に話を聞くスペースがない」(特性:内的要因)
「時間がなかった」(状況:外的要因)
違う視点で話しているのでは、話はいつまでも噛み合わないまま。
根本的な帰属のエラーは私たちの日常の中で本当によく起こっています。
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それでは先程の場面では、どうしたら良かったのでしょうか?
私たちが違う視点で話をしていることに気づいて、お互いの視点に歩み寄ることができたかもしれません。
「わたし」と「あなた」ではなく「わたしたち」を主語に、できることを考えられたかもしれません。
でもきっと、何より大切なのは、相手が感じていたことをもっと聞くこと。
どんなときに、どんなことを感じていたのか。
今この瞬間にどんなことを感じているのか。
解決策を考えるのはその後でも間に合うでしょう。
どんなに同じ場所にいて同じ景色を見て、同じ時間を過ごしていても、お互いの心で見ている景色や心が体験していることは異なるものかもしれません。
言葉で表現していることと、本当に伝えたいことは違うことかもしれません。
「この人はどんな世界を見ているのだろう。この人の心の中では何が起こっているのだろう」
そう思ってともにいることで、これまでとは違ったことが聴こえてくるかもしれません。
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