依然としてGoogleのシェアは大きいものの、2024年はChatGPTやPerplexityなどAI経由の検索トラフィックが大きく伸びました。特にChatGPTの成長は目覚ましく、2024年10月時点でのChatGPTの市場シェアは4.33%に達しているとの報告もあります。これはYoutubeに次いで3番目に大きな検索トラフィックとなっており、検索経由でのユーザ獲得において、AIの回答やソースとして選ばれることの重要性が高まっています。The New York Times、Wired、Forbesなどが生成AIのスクレイピングに反対の姿勢を見せる一方で、Perplexity AIがパブリッシャーとの収益分配プログラムを発表、OpenAIはコンテンツパートナーシップを発表するなど、パブリッシャーとの関係にも変化が見られました(参考)。
ChatGPTは2024年10月にサーチモードの実装とChrome向けプラグインを発表しており、よりブラウザネイティブでChatGPTから検索をスタートさせるという動きを強化しています。
さらにGoogle反トラスト法違反訴訟で、連邦地方裁判所が違法判決を出したことで、Googleは事業の分割・売却などの規制につながりかねない状況となっています。日本でも公正取引委員会が排除措置命令を出す方針が報道されています。これらの行方によってはGoogleがコントロールできる検索トラフィックが今後大きく変わる可能性を秘めています。
またTikTokにおいてもここ数年でサイト内検索トラフィックの導線を強化している他、クリエイター向けに検索トレンドを理解して適切にTikTok内SEOを促進するためのCreator Search Insightの提供など、検索経由でのユーザ回遊を増やし、検索エンジンとしても強いポジションを築きつつあります。
このようにAI検索エンジンやソーシャルメディア内の検索トラフィックトレンドの勃興や、Googleへの規制強化などいくつかのピースが揃うことで、2024年はこれまでのGoogle一強時代から大きく変わる可能性がでてきた年になっています。