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Newsletter by Ximera, Inc. No.032

早いもので、今年ももう3週目。2024年も残すところあと50週となりました。もうそういう気分は置いてきているかもしれませんが、Magnet Newsletterはこれが今年最初のお届けとなります。


今年もキメラとそのプロダクトをどうぞよろしくお願いいたします。


Magnet Newsletter No. 032 Index

  1. 「80対20の法則」はページビューとエンゲージメントにどう影響するのか

  2. 2023年のメディア / コマーストレンドを振り返る

  3. 2023年Q4の世界のオーディエンス動向レポート

「80対20の法則」はページビューと
エンゲージメントにどう影響するのか

by JACK NEARY|Chartbeat Blog|Research

「80対20の法則」は20%の努力から80%の結果が生まれるという考え方です。パレートの法則としても知られています。実際には20%の作物から80%の野菜が収穫される農場や、20%の顧客が80%の売上を占めるビジネスのようなかたちでしょうか。業界を問わず、ある取り組みがほかの取り組みよりも多くの価値を生み出し、それらの価値の推進要因を特定することで効率性と生産性を向上させることができるということです。


出版で言えば、読者の大部分を占める記事を特定することには明らかなメリットがあります。これを使えば、パブリッシャーはROI(投資利益率)につながるようなコンテンツを再現できるだけでなく、最適化ツールを使ってそのセグメントの成功している特性を読者の少ないロングテールのコンテンツに適用することもできます。


Chartbeat社のデータサイエンスチームは出版の世界が80対20の法則をどの程度忠実に守っているか調べるため、70カ国以上にわたる数千のウェブサイトを分析し、ページビューの大半を占める記事の割合と、その割合がサイトの規模やテーマなどの要因によってどのように変わるのかをまとめました。

ページビューの80%は20%(またはそれ以下)のコンテンツから生まれる

私たちのすべての研究においてグローバル・パートナーの大規模なネットワークを持つことは非常に有益です。しかし生データへのアクセスよりも、それをどのようにコントロールし解析できるかを知ることのほうがさらに重要です。とくにこの分析ではサイトの規模をコントロールしないと調査結果が大規模なサイトの行動に偏り、中小規模のパブリッシャーの真の姿が見えなくなってしまいます。


たとえば、2022年1月から2022年9月までのネットワーク全体を見てみると、ページビューの80%がわずか6%の記事からもたらされていることがわかります。しかし、調査結果をホスト別にグループ化すると、ほとんどのサイトが20%以下の記事から80%のページビューを得ていることがわかります。全ホストの平均は21%です。この2つの数値の差は、サイトが大きくなればなるほどページビューがそのトップクラスの記事に集中することを示す最初の手がかりになります。

Chartbeatブログの読者はよくご存知のように、ページビューはコンテンツ最適化戦略に含めるべき指標の1つに過ぎません。さらに、ネットワーク全体のエンゲージメント時間の分布を調べると、エンゲージメントはページビューよりも少ない記事で多くのエンゲージメントを集めていることがわかりました。実際、19%の記事がエンゲージタイムの96%以上を占めています。

サイトの規模によるページビューカバー率の違い

先に示したとおり、サイトの規模が大きくなるにつれて、ページビューの大半を占める記事の割合は小さくなります。この傾向を複数のオーディエンスサイズでより詳細に調べるため、調査を4つのカテゴリーに分けました。

Tinyは1日あたり1,000ページビュー未満のサイト、Smallは1日あたり1,000~10,000ページビューのサイト、Mediumは1日あたり10,000~100,000ページビューのサイト、Largeは1日あたり100,000ページビュー以上のサイトです。

つづきを読む
  • テーマによるページビューカバー率の違い

  • 国別のページビューカバー率の違い

  • 80対20の法則を使って自分のコンテンツを評価する

2023年のメディア / コマーストレンドを振り返る

by Ikuo Morisugi|XImera Media Next Trends|Research

2023年はメディア/コマース業界はじめ社会的に大きなインパクトや転換点があった1年でした(2023年「も」といって良いかもしれません)。特にソーシャルメディアと検索エンジンの動向およびAIの進化は、メディア・コマース業界に大きな影響を与えています。本記事では、この一年の主要な変化を振り返り、それが業界にどのような影響を与えているかを挙げていきます。

Facebook / Googleからの流入リスクの高まり

Facebookにとって、パブリッシャーへのリファーラルトラフィックの重要度が年々低下しています。これは、Facebookがニュースフィードのアルゴリズムを変更し、個人間のコミュニケーションを優先するようになったことが要因の1つと考えられます。結果として、パブリッシャーのFacebookからのリファーラルトラフィックの割合およびトラフィック数は年々下がり続けており、トラフィック獲得元として伸ばしていくことは期待できない厳しい状況となっています。

Facebook以外のトラフィック流入元で大きいのはGoogle検索ですが、こちらも大きな変化が起こっています。検索UIにAI回答を組み込んだSGE(Search Generative Experience)が2023年8月に発表されました。内容としてはBing AIと同等のクエリに対する回答をトップ表示するものとなります。Search Engine Journalによると、SGEは当初2023年12月にトライアル終了予定となっていましたが、現在では終了予定日がサイトから削除されていると報じられていますこれはGoogleが今後もこの取り組みを続けることを示唆しています。

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2023年第4四半期:世界のオーディエンス動向

by JACK NEARY|Chartbeat Blog|Research

2023年第4四半期(10〜12月)、中東では平均エンゲージ時間(Average Engaged Time)が増加し、東南アジアでは検索トラフィックが増加、アフリカ、中・東欧(中東ヨーロッパ)、中央アジアではソーシャルからのページビューが回復しました。


第4四半期の調査から得られたグローバルなオーディエンスに関するインサイトについては、以下をご覧ください。

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これまでのインサイトと比較する

Q3 2023 / Q2 2023 / Q1 2023

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私たちは日々、読み、聞き、見る、と外からの情報を受け取っては処理するばかりの生活を送っています。朝がはじまる前、作業の合間、休憩時間、食事の前後や入浴後、眠る前でも、自分がいちばん落ち着くと感じる姿勢をとり、目を閉じて、静かに体の感覚を感じ取ってみましょう。外ばかりでなく、自分のことも感じ取ってあげるのです。


それでは元気で。穏やかに。

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