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Newsletter by Ximera, Inc. / No.034 / February 7, 2024

日本のChartbeatトラフィック
動向レポート 2023 発表

最大の外部トラフィック源はGoogle Discoverに

世界中のコンテンツチームから信頼されているコンテンツのエンゲージメント分析ツール「Chartbeat」は、日本においても大規模な報道機関からカテゴリーに特化したバーティカルメディアまで、70を超えるメディアで活用され、日々コンテンツを作り届けるパブリッシャーへエンゲージメント分析の土台を提供しています。


そこで得られたトラフィックデータから、日本のChartbeat導入メディアのネットワークにおける2023年通年のトラフィックとエンゲージメント、またトラフィックをロイヤルティ、デバイス、リファラー、主要ディストリビューションに分類した動向レポートを公開します。


昨年のグローバルレポートでも触れたように、ユーザがWebメディアに訪れる流入元として大きな存在感を示しているのがGoogle検索です。そして近年ではGoogle Discoverが台頭しています。日本のChartbeatトラフィックにおいて、サイト内回遊とならび全体トラフィックの3割を超えるのが検索によるトラフィックです。直近である2023年12月においては日本の全体トラフィックの29%がGoogle検索およびGoogle Discoverからもたらされています。


また情報の消費サイクルの早い現代のメディア環境において、Google Discoverによる瞬間的かつ大量のトラフィックはニュースメディアを運営する編集組織にとって読者の情報体験をリアルタイムによりよくするため動向を注視するものとなっています。読者の動きを翌朝に知ったとしても、読者はすでにそこにいません。


これまでGoogle Discoverのトラフィックを確認する最善の方法はGoogle Search Consoleでした。しかし上で述べた瞬間的なトラフィックに対応するために、Chartbeatは1つのダッシュボードですべてのトラフィックをリアルタイムに確認できることがパブリッシャーにとって価値のあることだと考え、2023年4月よりリアルタイムダッシュボードにGoogle Discoverのトラフィック表示を開始しました。それ以降、Google Discoverによるトラフィックは8月を除くすべての月で全体トラフィックに占める割合が増加をつづけ、日本のChartbeatネットワークにおける2023年最大の外部トラフィック源はGoogle Discoverとなりました。


メディアを訪れるユーザに価値を与える深いエンゲージメントはWebで運営されるメディアにとって不可欠なものとなっています。その機会をもたらすトラフィックの動向がパブリッシャーにとって有意義なものになることを願っています。詳しいレポートをぜひご覧ください。

レポートを読む

過去のMagnet NewsletterはキメラのWebサイトでご覧になれます。あなたと一緒にMagnetを楽しめそうな同僚がいたら転送して配信登録するようお伝えください。記事コンテンツのエンゲージメント分析ツール「Chartbeat」、デジタルメディアのサブスクとコンテンツ課金を簡単に導入・管理できる「AE」、そのほかキメラのへのお問い合わせはいつでもお気軽に。


Magnetを下までご覧いただいてありがとうございます。せっかくいらしていただけたのです。少し世間話をしましょう。


月が如月に変わる頃、The Messenger閉鎖のニュースをご覧になったでしょうか。Metaのメッセージングアプリではなく、2023年5月に5000万ドルを調達してはじまった新興ニュースサイトです。大手の報道機関で経験のあるジャーナリストを300名ほどを抱え、幅広い中道的なニュースに価値があるとして運営されていました。しかし、1年も経たずに閉鎖。The NewYork Timesは「オンラインニュース史に残る大失敗のひとつである」と残しています。


メッセンジャーの社員たちは競合他社の記事をもとに記事を量産する要求に疲弊していったとも伝えられています。この件についての興味深いコメントをいくつかご紹介させてください。The VergeのNilay Patelは「メッセンジャーは古いFacebookの戦略に基づいて構築された。誰もがうまくいくはずがないと思っていた」と語り、Sara FischerはAxiosで「その破綻は予測可能だった」と書いています。


今回のMagnetでとくに話したいのは、有名なニュースレターPlatformerで知られるCasey Newtonの「オーディエンスとトラフィックは違う」「メッセンジャーはトラフィックしか持っていなかった」というコメントです。アルゴリズムで作られたプラットフォームでオーディエンスを作ったり、作ったつもりになったとしても、そのほとんどが辿りついたWebサイトの名前を覚えていないでしょう。そしてプラットフォームが変われば、アルゴリズムが変われば、またやりなおしです。


メディアが広告だけのビジネスに見切りをつけて何年が経ったでしょうか。サブスクリプションに真剣に取り組むメディアが増えるなか、一見さんではない、深い関係を築くことのできる読者と出会うのは簡単なことではありません。トラフィックだけでなく、オーディエンスを、読者を、人を考えましょう。Magnet読者のみなさまには、今回のレポートをこの話とともにご覧いただけたらと思います。


長くなりました。東京の窓の外、雪はまだわずかに残っていますが、気持ちよく晴れています。暖かくしてお過ごしください。お元気で。


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