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19 October, 2022

「N Letter」は、サステナビリティや環境課題、グリーンビジネスに関する
世界のニュースをピックアップしてお伝えする週刊ニュースレターです。
vol.09 電気飛行機, バナナ病菌, グリーンウルグアイ
Eviation社の電気飛行機 Alice の実験飛行

Eviation Aircraft社の電気飛行機、Aliceが試験飛行デモンストレーションを行った。9人と荷物、合計約2,500ポンド(1134キロ)を運べる旅客機のプロトタイプ。MagniXエンジン(同社はNASAから7400万ドルを獲得し、さらなる開発を進めている)と、AVL社の巨大なバッテリーシステムによって駆動する、最大飛行速度が約260ノットの飛行機だ。

デモンストレーションでは、8分間の飛行を行った。これからテストを繰り返し、2025年には商用機のプロトタイプの機体でテストを行いたいそう。


電気飛行機が登場して変わることは、燃料やメンテナンスに加えて、音が静かになることだ。騒音の問題でこれまで飛行機が使用できなかった地域に離着陸できる可能性が開ける。空の旅の様相が変わるかもしれない。

まだ実験段階であるものの、すでにケープ航空が75機、グローバル・クロッシング航空が50機を発注している。両社とも地方航空会社だ。また、DHL Expressも12機の飛行機を発注している。

初飛行の様子を伝えるYouTube動画はこちら

Source: 
Eviation’s all-electric Alice aircraft makes its maiden flight | TechCrunch
アフリカで広がるバナナの病気と食料安全

新たなバナナ病菌が広がっていることをオランダ、ワーハニンゲン大学のレポートが伝えている。過去10年間で、病原菌がアジアから南米、アフリカへと広がっている。専門家が懸念しているのがアフリカでのこの疫病の広がりに対して、人々がほとんど認識をしておらず、取れるはずの対策が施されることもなく、壊滅的な被害をもたらす可能性。

そして、「バナナが食べられなくなるか」では済まされない問題でもある。バナナを主な栄養源として、バナナが獲れるかどうかで、その日にまともなものが食べられるかどうかが決まる人たちもいる。タンザニア、マラウイ、ウガンダ、ルアンダなどの国々では、バナナは何百万人もの人々の主食となっており、バナナが取れなくなることは食料安全の問題に直結している。

Source: 
New banana disease is spreading and poses a threat to Africa's food security - WUR
もしかしたら未来の暮らしは、ウルグアイに見つけられるかもしれない

今やウルグアイは、95%を再生エネルギーで賄っているとてもグリーンな国になっているという。この記事はかなり長い記事だが、記事の肝は、ムヒカ大統領が当選した2009年の前年にエネルギー省の長官に任命された物理学者のラモン・メンデスの果たした役割の部分だと思う。

就任当時、メンデス氏は、「どうすれば、この国のエネルギーは自立できるのか?現在だけでなく、将来にわたってエネルギーの自給自足を実現するにはどうすればいいのか」という問いに向き合った。

停電が増えれば当面の経済が危うくなるので石油に頼りたい。しかし、石油に依存し続ければ国の主権が損なわれる。原子力エネルギーが答えだろうと多くの国民も思っていた。しかし、長年にわたって管理しなければならない廃棄物の問題は無視できない。

そして、就任5ヶ月で、2020年までに送電網の脱炭素化を図り、国内のエネルギー消費量を20%削減し、国内のグリーンエネルギー部門をゼロから立ち上げるという野心的な計画を策定した。その翌年、ムヒカ大統領が当選し、さらに動きを加速させた。ムヒカ大統領は、当選後も質素な暮らしを続けた「世界一貧しい大統領」としても知られている。

現在、ウルグアイの炭素排出量は世界の中央値である一人あたりのカーボンフットプリントが4.5トン程度で、ほぼ先進国に属する経済規模を持ちながら、一人あたり2トン(世界の温暖化を1.5℃に抑えるために必要な推定量)にも達成可能な状況であり、「大いなる例外」とも呼ばれている。

記事によると米国のカーボンフットプリントが一人あたり25トン、カナダやオーストラリアが20トン(大きい国は移動が長くなるので多くなる)。ドイツ、ノルウェー、オランダが約15トン。カタールやトリニダード・トバゴのような小さな産油国になると60トンになるそうだ。

排出量だけ、豊かさだけの指数を見れば、もっと評価の高い国もあるが、ウルグアイは、経済とサステナビリティのバランスがうまくとれているところに特徴がある。10年で大きな変革を推し進めているところもすごい。日本を含む多くの国にとって、未来の暮らしの参考になりそうだ。

Source: What Does Sustainable Living Look Like? Maybe Like Uruguay - The New York Times

今回は、電気飛行機, バナナ病菌, グリーンウルグアイを取り上げました。

電気飛行機の静音性が高いため、これまで作れなかったところに飛行場ができ、空の交通ネットワークに変化をもたらすかもしれないという話が新しかったです。これまで飛行機とは縁遠かった地域の暮らしや価値が変化するかもしれないですね。

ウルグアイの記事は、逆に、社会が変化してきた経緯を伝えるものでした。10年と少しで大きく社会を変化させることが可能なのだという印象を持ちました。あまり関心を持ったことのなかった国ですが、俄然興味がわきました。ムヒカ元大統領に関する映画を見てみようと思います。

皆さま、良い週の後半をお過ごしください。

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