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30 November, 2022

「N Letter」は、サステナビリティや環境課題、グリーンビジネスに関する
世界のニュースをピックアップしてお伝えする週刊ニュースレターです。
vol. 15 炭素削減と南北問題, 農業とソーシャルメディア, 透光太陽光発電
スイスの炭素削減プロジェクトと南北問題


世界で最も裕福な国の一つであるスイスは、2030年までに温室効果ガスの排出量を半減させるという目標を掲げている。

しかし、スイスは、国内で排出量を減らすのではなく、ガーナやドミニカなどの貧しい国々に多額の資金を提供することで、そうした国々での排出量削減をスイスのクレジットとして積算する計画をしている。

例えば、スイスはガーナの最大500万世帯に効率的な照明とクリーンなストーブを設置する費用を負担する。これにより、ガーナの人々が調理に薪を燃やす必要がなくなり、温室効果ガスの排出を抑制することができる。その成果を、スイスが温室効果ガスの排出削減を目標達成に向けた貢献としてカウントする。

こうした問題は、まさにエジプトで開催されていた国連の気候変動会議で議論となっていたことでもある。二酸化炭素の排出量は、富裕国が圧倒的に多いため、富裕国が貧しい国々に気候変動による損害をどの程度補償し、適応を支援すべきかが大きな論点となっているのだ。

Source: Switzerland is paying poorer nations to cut emissions on its behalf | World News,The Indian Express

Why we picked up this news:
日:スイスの直面している問題は、そのまま富裕国の問題であり、南北問題を象徴している。
英:Switzerlands’ problem can be generalized and applied to other developed countries. It is a typical north-south divide issue.
中:瑞士的問題反映了全世界富裕國家共通問題,同時也是南北的問題。
ソーシャルメディアが救った若い農業従事者の孤独


普通の大学生だったフィオン・フーソンは、農場を経営していた父親が脳卒中で倒れたのをきっかけに、実家の農場の切り盛りを任されるようになった。農業を勉強していたとはいえ、青天の霹靂とも言える出来事だった。

4年が経った今、彼女の一日は、まず近隣の農場で乳搾りをし、その後180エーカーの自宅に戻り、70頭の牛と30頭の羊の世話をすることで明け暮れる。多くの牛や羊が彼女の世話を必要としている。

少し特殊なことといえば、Instagramで何千人もの人々が彼女の頑張りを見守っているところだ。フィオンはインスタグラムで5,000人のフォロワーを持ち、フェイスブックやツイッターでも多くの人とつながっている。

彼女を支えているのは、フォロワーだけでない。ソーシャルメディアで見つけた、農家のためのメンタルヘルスの慈善団体「DPJ Foundation」の存在も知った。この団体とつながることで「私は一人ではない」「自分の苦労を話してもいいんだ」と感じたそうだ。

彼女は、農業界で孤独が蔓延していることを指摘する。「ほとんどの農家は、1週間に7日、24時間、1人でこの仕事をしているからです」

Source: Teen takes over family farm after dad's stroke - BBC News

Why we picked up this news:
日:若い農家がソーシャルメディアを使うことによって「孤独」を和らげることができることを示している。農業の問題を教えてくれる。
英:Young farmers could relieve their “loneliness” by using social media. It teaches us a serious issue in agriculture.
中:年輕的農家利用社群媒體緩解「孤獨」。這和農業中的問題同時也息息相關。
透明なソーラーパネルの開発


建物の窓に透明なソーラーパネルが設置され、電力を生み出す日が近いうちにやってくるかもしれない。スイスのローザンヌ連邦工科大学(EPFL)の科学者グループが、新しい種類の色素増感太陽電池(DSC)を開発した。これにより、家庭や機器の電力供給源となる、「発電する窓(electricity-generating window)」実現への道が開かれた。

この透明パネルは、半導体の表面に付着した光増感色素を利用して、可視光をエネルギーに変換するとEuronewsで報じられている

これまでの色素増感太陽電池(DSC)は直射日光に依存していたが、今回、科学者たちは、可視光線スペクトル全体にわたって光を「吸着」できる透明な光増感色素(光によって活性化する分子)を作る方法を発見した。

今回の新しい分子設計により、DSCの電力変換効率を向上させることができる。市販のソーラーパネルの効率は約20%だが、透明なソーラーパネルは直射日光の下では15%を超え、環境光下の条件によっては30%まで到達する。この研究成果は、科学雑誌『Nature』に掲載された。

Source: Electricity-Generating Windows Of Future? Scientists Design Low-Cost Transparent Solar Cells

Why we picked up this news:
日:透明なソーラーウィンドウが可能になれば、家や車の窓だけではなく、さまざまな活用場所が考えられそうだ。
英:Electricity-generating windows could open up many more opportunities and places to install the device in addition to home and car windows.
中:想像如果所有透明的窗戶或車窗都是太陽能發電板?科學家們正在積極研究透明的太陽能光電板,如果能夠成真,太陽能發電的效率將可大幅提升。

今回は、炭素削減と南北問題, 農業とソーシャルメディア, 透光太陽光発電についてのニュースを取り上げました。

透明な太陽光発電パネル(シート?)については、今回取り上げた研究以外でも世界中で研究が進んでいるようです。いくつか同様のニュースを見かけるので(例えば、東北大学の研究成果を伝える
記事がこちら)、激しい競争が繰り広げられているのだと予想できます。

透明な太陽光発電が可能になったらーー。皆さんならば、どんな活用方法を思いつくでしょうか?建物や自動車だけでなく、さまざまな場所で活用されていきそうです。

オランダのロッテルダムでは、先ごろまでソーラーデザイナーを自称する人が中心となってソーラービエンナーレなるものが行われ、「もっとソーラー発電をかっこいいものにしていこうよ!」と呼びかけていました。

そして、今回初めての試みとして、なぜこれらのニュースを選んだのかと言う理由を日英中の短い文章で追記しました。今後も、多言語化を模索していきたいと思います。

皆さま、良い週の後半をお過ごしください。

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