先日、すっかり顔馴染みになった近所のカフェでごはんを食べていたときのこと、(この流れもおなじみですね笑)海を眺めていたピーターさんが言いました。
「ここから見る景色は美しいから、見えている山や島に行ってみたいって思うけれど、実はわざわざ行く必要はないんだよね」
この島でもこれまで旅してきた場所でも、山や島は少し離れたところから見ている方が美しくて、実際にその場に行くと見ていた感じと違うということが多々ありました。
水辺も同じです。少し離れてみていたときには美しく思えても、近づくと思ったほど水がキレイじゃなかったりして。
「この景色が美しいと思った感覚はすでに今ここにあるんだもんね」
というと、彼はうんうんとうなづきます。
それでもわたしたちはついつい、今ここではないどこかに何か素敵なものがあるんじゃないかと思って手を伸ばそうとします。
美しいものや素敵なものは常に自分の外側にあって、見つけたり手に入れたりするものだと思っています。
でも実は、今この場にある体験が全て重なり合ったものが「美しい」という感覚を生んでいるのであり、美しいと感じているのは、他でもない今ここにいる自分自身なのです。
大切なのは今ここにある「美しい」と感じている瞬間を、そのまま味わうこと。
「美しい」と感じている感覚をそのまま味わうこと。
そうすれば、すでに人生に必要なことをもうすでに手にしているのだと気づくことができるのではないか。
そう気づくことができたなら、もっと軽やかに、楽しみながら今日という日を生きることができるのではないか。
そんなことを、空に現れた龍のような雲を眺めながら考えていました。
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