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ここみち便り:クビになればいい

 

こんにちは。

プロフェッショナル・コーアクティブ・コーチの畑中景子です。

 

出勤も増えてきた年のバレンタインデーはどんなご様子でしたでしょうか。

 

さて、今回は先週の続きです。

(先週の記事:その転職、ちょっと待って!

 

私が実際退職した2019年よりも数年前の話。

 

2013年からCTIでコーチングとリーダーシップを学び、この手法はこの会社に必要なものと確信した私は、仕事の中でその学びを生かすに飽き足らず、

上司や、果ては役員まで、多方面にCTIのコーチングの革新性と有用性について説いてまわり、人材開発を司る人事部への配属希望なども出していました。

 

結果、社内でも共感してくれる人が見つかったり、業務外の仕事を手伝う機会も頂けたりしたのですが、願っている量には到底満たず、人事部配属は叶う兆しもなく。

 

一方で、社外での研鑽の機会や、新しい出会い、仲間と集まる機会は山ほどあり、だんだん、残業や海外出張よりもそちらを優先したい、ということも起きていて、後ろめたさも感じていました。

(仕事最優先だった私が担当業務外のことを優先させるようになったこと自体が、コーチングで私に起きた変化の一つでもあり、これは本当にすごいことなのですけれども。)

 

もう限界だと思った頃に、大学院の飲み会で、友人に「もう会社辞めようかと思う」とかなり真面目に話したことがあります。

その時、私よりも年上で日本企業に勤務経験もあるフランス人の彼は、こう言いました。

「ノンノンノン、ケイコ!辞めちゃだめだ!」

 

「だって、そんなこと言ったって、仕事よりも自分のやりたいことを優先なんかしてたら、クビになっちゃうよ!」と私は返しました。

 

そうしたら、彼の返事はこうでした。

「クビになればいいんだよ!!!」

 

唖然として言葉を失ったのを覚えています。

 

彼の言葉は続きました。

「本当に迷惑な存在なんだったら、会社が『もう辞めてくれ』と言ってくる。それまでそこに居続ければいいんだよ」

 

いかにもフランス人らしい考え、と言えばそれまでなのですが、その時、私は自分について気づいたことがありました。

 

「そうか、私は、退職するときもキレイに退職しようとしていたんだな」と。

 

畑中さんは仕事もちゃんとしてた。退職するときも跡を濁さずやめて行ったよ。よくできた人だ。という後評判を保ちたかったのかもしれない。

退職するときの評判が次のキャリアに影響することを心配していたのかもしれない。

 

もっと手前では、社内で「困った存在」「迷惑な存在」になりたくなかったのかもしれない。

 

それまでも決して大人しい社員ではなく、「いつ辞めることになったって別にいい」などと口では言ってました。ただ、本当にクビになるのはプライドが許さなかったのかもしれない。

 

「クビになればいい。辞めてくれと言われるまで居ればいい。」

そう思った時に、何か吹っ切れた気がしました。

その覚悟があるのだったら、社内でももっと自分が大事だと信じることを企画・提案して実行してしまえばいい。

 

結果、私の社内での活動はより大胆になって、より広く、自分が学んだ知恵を届けていくことができるようになったように思っています。

面白いもので、誰かの迷惑になるまいとしているときは、人は小さくなって、周りの人も巻き込まれませんが、

本当に大切に思っていることを実現しようとしているとき、それを歓迎する人は必ず現れます。

 

一方で、良かれと思ってやっていたことでも、かなり冷ややかな目で睨まれる恐い経験もしました。

でも、そこまでやっていたので、本当に退職する時には、「ここで私ができることはやり切った」という感覚があり、

また、だいぶ傲慢に聞こえてしまいますが、「ここでは狭い。もっと自分が求められているところがきっとある。もっと広く自分を使いたい。」という気持ちにもなっていました。

このことは、悔いのなさに繋がっていると思います。

 

これは、口では粋のいいことを言うくせに結局のところは優等生の域を出れず他者評価を気にしていた当時の私のレッスンであり、

他の方にとっては、他のレッスンがあるだろうと思います。

 

例えば、もう何度も会社を辞めるべきという事象が起き続けているのに、新しい環境に出るのが怖くてしがみついているのだとしたら、もうそろそろ新しい場所に踏み出すときなのかもしれません。

 

サインは、自分の行動が怖れからの衝動か、それとも響きからのうずきか。

コーチングをしている時も、クライアントさんのここを聴き取ろうとしています。

 

また、ハラスメントなど、心身に影響を来しているときには、レッスンなどと言ってないで逃げてください。心身の安全確保は最優先と思います。

 


前回・今回の記事は、もしかしたら不快な感情に触れた方もいらっしゃるかもしれません。

あくまで一人の人間のストーリーとしてお読み頂けたらと思います。

 


優等生であり続けようとする私に、「『たつ鳥跡を濁さず』なんて言ってたらいつまでたってもやめられないよ」と言ってくれた上司もいました。

そのことについては、以前にポッドキャストで話しています。

転職エージェントの経験も持つ相方・はっしーが見てきた様々な人の退職事例も合わせ、お楽しみください。

(初期の回なので、音声が悪いです。ご容赦ください。)

 

独立後のリアル Ep.16 会社の辞め方 たつ鳥跡を濁す!?

こちらのリンク先から、お好きな配信媒体に飛んで聴いてください。
https://linktr.ee/KHradio


 

では、今日もよい1日を!




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ここみち読書録:https://www.cocomichi.club/entry/2017/12/30

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・2月22日(水)12:00~13:00 ZOOM
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コーアクティブ・リーダーシップ・エクスペリエンス(CLE)
https://www.thecoaches.co.jp/leadership/cle.html
・年度内開催分は終了しました。次回は6月頃の開催予定見込みです。


◆今日のカバーアートは、大好きなダ鳥獣ギ画から、組み合わせて作りました。
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畑中 景子

国際コーチング連盟認定プロフェッショナル・コーチ(PCC)
米国CTI認定プロフェッショナル・コーアクティブ・コーチ(CPCC、https://www.thecoaches.co.jp
ザ・リーダーシップ・サークル認定プラクティショナー(TLCCP、https://leadershipcircle.com/ja/home/
ビガーゲーム認定トレーナー(https://www.biggergame-japan.com
web:https://coaching.cocomichi.club(面白く生きる!)
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