1つ目の事例は、若い世代へメンタリングサービスを提供しているSomethingsです。
CDC(アメリカ疾病予防管理センター)が2011〜2021年までを対象にまとめたレポートによると、「40% 以上の高校生が、悲しみや絶望が故に、前年の間少なくとも 2 週間は、通常の活動に身を入れることができなかった」とされています。また、コロナ禍で強く人流が制限されたことで、さらに孤独感を強めることになりました。
特に10代はセラピストやカウンセラーといった専門家ではなく、友人や家族といった親しい人・近い人に相談する傾向が強く、心の不安を抱える10代の3分の1は専門家の助けを求めにいっていないというレポート(イギリス国立健康研究所, National Institute for Health and Care Research)もあります。つまり既存のメンタルケアプログラム/体制だけでは若年層の課題を解決できておらず、これがSomethingsのサービスとしての需要につながっています。
Somethingsは19歳~28歳の訓練されたメンターからメンタリングを受けることができます。類似したバックグラウンドや経験を持っているメンターとマッチさせるため、より具体的なアドバイスを受けられるようになっています。メンターはバックグラウンドチェックを受け、必ず事前に2つのトレーニングモジュール(ヘルスケアの認定団体が提供するスペシャリスト用のトレーニングおよび、未成年司法審判および 非行予防局によってデザインされたトレーニング)を受ける必要があります。また、Somethingsはメンタルケアの専門家を集めアドバイザーチームを組成しており、リサーチやプログラムの監修を行っていると考えられます。