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コミュニティ・パワーについて

「コミュニティ・パワー」とは、地域の人々がオーナーシップをもって進める自然エネルギーの取り組みのことを指します。コミュニティ・パワーの実践は国内外の各地で進んでいて、この考え方と取り組み方は世界的にも新たな潮流をつくり出しています。

そういった取り組みが正確に理解され広がっていくことが重要との観点から、世界風力エネルギー協会は「コミュニティ・パワー・ワーキング・グループ」を設置し、世界中でコミュニティ・パワーに取り組む人々と議論を積み重ね、下記のように「コミュニティ・パワーの三原則」を定義しました。


コミュニティ・パワーの三原則

  1. 地域の利害関係者がプロジェクトの大半もしくはすべてを所有している
  2. プロジェクトの意思決定はコミュニティに基礎をおく組織によっておこなわれる
  3. 社会的・経済的便益の多数もしくはすべては地域に分配される

※この3つの基準の内、少なくとも2つを満たすプロジェクトは「コミュニティ・パワー」として定義されます。

コミュニティ・パワー会議 2013 報告

 

■ 開催概要

日時:2013年2月25日(月)10:00~17:00
会場:ときわ公園湖水ホール(山口県宇部市)
主催:環境エネルギー政策研究所
後援:農林水産省
Webサイト

 

■ 主催者より

コミュニティ・パワー会議2013にご参加いただいたみなさまに感謝申し上げます。

国内外のコミュニティ・パワーの実践者や専門家と、これからコミュニティ・パワーに取り組む人々の対話を通じて今後の手がかりを探ることを目的に、昨年からはじめた「コミュニティ・パワー会議」の第2回目を山口県宇部市で無事開催することができました。開催にあたり、現地での準備を進めていただいた実行委員会のみなさまに改めて感謝申し上げます。

主催者としては、この会議を通じてコミュニティ・パワーに取り組む人々の新たなネットワークが生まれ、相互に学び合いながら、次々と各地で新たな取り組みが立ち上がっていくことを期待しております。

地域からの自然エネルギーをより加速するため、次回のコミュニティ・パワー会議開催も予定しておりますので、引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。 

■ 基調講演: 自然エネルギーの未来

はじめに、エリック・マーティノー氏が「自然エネルギーの未来」をテーマに基調講演をおこないました。2013年1月に発表された『世界自然エネルギー未来白書2013』にもとづいておこなわれた講演では、過去の自然エネルギー普及予測をはるかに上回るペースで世界の自然エネルギー導入は加速しているため、人々の認識がそれに追いついていないことが述べられました。また、自然エネルギーの新たな取り組みは常にコミュニティからはじまるため、コミュニティ・パワーの成功が自然エネルギーの未来にとって非常に重要であることが強調されました。

■ セッション1: コミュニティ・パワーを創り出す

セッション1では、クリストファー・スティーブンス氏が基調講演をおこない、カナダ・オンタリオ州の自然エネルギー普及への実践的な取り組みと実績を紹介しました。これまでに約2兆4千万円がオンタリオ州での自然エネルギー事業に投資された実績を述べ、それらの実現にはコミュニティと人々の「意志」と「選択」が重要であると強調しました。

基調講演に続き、パネルディスカッションでは登壇者が国内各地でのコミュニティ・パワープロジェクトへの挑戦を紹介し、議論しました。現場で直面するさまざまな壁を乗り越えてプロジェクトを実現するには、住民との積極的なコミュニケーションが不可欠であり、また地域のキーパーソン(地域で強いネットワークを持つ人)や女性の参加が大切であることが議論されました。

■ セッション2: コミュニティ・パワーをつなげる

セッション2では、ソーレン・ハーマンセン氏が基調講演をおこない、デンマーク・サムソ島で実際に100%自然エネルギーを実現した経験から、持続可能なコミュニティのあり方を具体的に説明しました。

基調講演に続き、パネルディスカッションでは、登壇者が各地での取り組みを紹介し、問題点などを提起しました。その中で、コミュニティ・パワーの実践には一般市民の自然エネルギーに対する理解が重要であり、地域の特徴を活かした細かな情報共有が大切であるということが議論されました。

■ セッション3: コミュニティ・パワーと社会的受容

セッション3では、タリン・レーン氏が基調講演をおこない、オーストラリアではじめて市民風車を実現した事例を紹介しました。人々が積極的に風力発電を受容するには、単純に設備を導入するだけでなく、イベントや広報活動など、人々が参加し、学び、理解を深める機会をつくっていくことが重要であると強調しました。

基調講演に続き、パネルディスカッションでは登壇者が専門的な立場から、生態系保護と自然エネルギー促進の関係、景観や地域の生活と自然エネルギー促進の関係、農業や漁業と自然エネルギー促進の関係など、自然エネルギーと社会的受容の課題について提起がなされた。

■ 総括コメント

最後に、ソーレン・ハーマンセン氏から総括コメントとして、福島原発事故を経験した日本が自然エネルギーの未来を選択し、持続可能な社会を築いていくことは、世界の他の国や地域にとって非常に大きな意味をもつことが述べられました。また、今回の登壇者が試行錯誤してコミュニティ・パワーに挑戦している話や、参加者のコミュニティ・パワーへの関心の高さから、たしかに日本でもコミュニティ・パワーの動きがはじまっていることを見ることができたとのコメントが述べられました。

■ 祝島 コミュニティ・パワー インタビュー

コミュニティ・パワー会議に登壇した3人­の海外ゲスト(ソーレン・ハーマンセン、タリン・レーン、クリストファー・スティーブ­ンス)と100%自然エネルギーに向けて動きはじめた祝島を訪れました。

地元の方との交流、地元食材を使った食事、地元農業の視察の後、「祝島千年の島づくり­基金」事務局長の山戸孝さんと、これからの地域からの自然エネルギーの取り組みについ­てISEPインタビューをおこないました。

インタビュー映像はこちら

■ サムソ・エネルギーアカデミー

セッション1で基調講演をおこなったソーレン・ハーマンセンが代表を務める「サムソ・エネルギー・アカデミー(Samsø Energy Academy)」は、サムソ島が100%自然エネルギーを達成する上で中心的な役割を果たしました。

100%自然エネルギー達成した現在、次の展開として「サムソ2.0」と呼ばれる新たなコミュニティの挑戦を進めています。

なお、サムソ島が100%自然エネルギーを達成するまでのプロセスを描いた絵本「風の島へようこそ」(福音館書店)がおすすめです。

Facebook https://www.facebook.com/energiakademiet

■ オンタリオ持続可能エネルギー協会

セッション2で基調講演をおこなったクリストファー・スティーブンスさんが執行代表を務める「オンタリオ持続可能エネルギー協会(Ontario Sustainable Energy Association, OSEA)」は、カナダ・オンタリオ州の自然エネルギー・省エネルギーの普及促進に取り組む非営利組織です。

OSEAは、「コミュニティ・パワー」の実現をサポートするためのさまざまなサービスを提供しています。OSEAが制作した映像はわかりやすくコミュニティ・パワーについて伝えています。

Facebook https://www.facebook.com/ontariosea

■ ヘップバーン風力協同組合

セッション3で基調講演をおこなったタリン・レーンさんがコミュニケーション担当を務める「ヘップバーン風力協同組合(Hepburn Wind)」は、オーストラリアではじめて市民風車を実現しました。
 
気候変動・エネルギー政策に消極的なオーストラリアで、地域の人々のイニシアティブが実現したはじめての自然エネルギーの取り組みとして、2012年「世界風力エネルギー賞」を受賞しています。

■ 今後の取り組みについて

ISEPでは、国内各地のコミュニティ・パワーの立ち上げを支援するため、「ISEP エネルギー・アカデミー」の枠組みのもと、人材育成プログラムを現在準備中です。また、将来、自然エネルギー分野で活躍することを目指す学生を支援する奨学生プログラムも準備を進めています。プログラムの詳細は、準備が整い次第、お知らせをお送りします。

Copyright © 2013 環境エネルギー政策研究所, All rights reserved.

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