小野 |
中村さんはどうやって
場作りのスキルを学んでいったんですか?
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中村さん |
ちゃんとは学んでないんです(笑)
モノのデザインを越えて、枠組みのデザインへと
チャレンジした最初のきっかけは、
会社員時代に「GOOD DAY」というNPOに入って、
「アップサイクルプロジェクト」という
新規プロジェクトを立ち上げた時ですね。
代表の荒さん(HITOTOWA代表)の愛のあるムチャぶりで、
プロジェクトリーダーをやることになったんですけど、
予算配分や、販路開拓、ワークショップなど、
今までやったことないことに取り組んだんです。
荒さんがいろいろサポートしてくれて、
リスクがほとんどなかったのも大きかったと思いますが、
この経験を空間づくりに転用したら、
空間設計だけではない場作りへと発展してきたって感じです。
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小野 |
学んだというよりも、
自分でやってみて気づいたということですね。
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中村さん |
もう実践あるのみですね。
建築学科の頃に所属していた研究室は、
とにかく実践の機会が多くて、
先生が引っ張ってきた仕事をやるんです。
それが面白いと思って入ったんですけど、
もちろんほとんどお金はもらえない。
むしろ学費を払ってるし(笑)。
でもそれって、実践と研究の最高の枠組みなんですよね。
昨日、ちょうど東大の研究室にお邪魔したら、
社会人研究者が8〜9割で、
みんな研究室で仕事しているんです。
実際に東大の新しい図書館の物件とか、
とにかく実践しながら研究していくというのは、
これからの新しい研究チームのあり方だと思いますし、
ツクルバもそこを目指していています。
全員R&Dというか。
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小野 |
co-baの場合、場所との親和性が高そうですよね。
自然と共有されているものがあるというか。
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中村さん |
確かに、co-baではいいノイズが
生まれている気がしますし、我々もそれを享受しています。
放っていても会員さんが話している声が聞こえて、
最近あの人こういうことやってるんだなって気づけたり。
そこが研究室らしいところでもあり、
ツクルバ自身がco-baに拠点を置いているメリットだと思います。
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小野 |
実験って隠れた場所でやっているイメージがありましたが、
本当は最先端の場所なんですよね。
完成したら消費するしかないけど、
完成しないから消費しないで成長していける。
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中村さん |
そうですね。ここにバンドセットが置いてありますけど、
はじめは一人がギターを持ってきて、
だんだん楽器が増えてこうなりました。
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小野 |
co-baでどんどんいろんなことが
勝手に生まれるのはどうしてなんでしょう?
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中村さん |
”余白を残す”ことを大切にしています。
「こういうのやりたいんですけど」って言われたら、
「やりましょう」と。
これからはもっと僕たちの悩みを共有して、
スキをみせていきたいですね。
例えば「会員減っているんだけど、
どうしたらいいのかな?」とか、
どんどんぶっちゃけていきたいです。
会員さんから自発的に提案があったり、
会員さん同士で盛り上がったり、
いい意味で運営者なんていらないじゃん、という状況が
理想型な気がします。
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